16014(2)
「アリババの野望」にみえる中国投資の今後(2)
驚異的な利益率と、そのあとに25事業に分割
「アリババの野望」にみえる中国投資の今後(2)
驚異的な利益率と、そのあとに25事業に分割
細分化をはじめているジャック・マーのメンタリティーが見える気がする。11年にタオバオを3社に分割、さらに7事業群に、13年には25の事業部に分けた。「若者にチャンスをあたえ、機敏さと柔軟さを持たせるため」、3万人の社員の配置転換をおこなった。その間に、仕入れ購買から賄賂を取っていた社内の幹部らを解雇するなど、荒療治もあった。日本で行われる定期異動のスケールではない。社員の半分を動かしているのだ。
社内・グループ内でこれだけの人数を動かして、業務に支障をきたさないなら、それぞれの業務ユニットの職務範囲はかなり明確化され、誰でも実行できる標準化がされているのだろう。
変化を受け入れることができるのは、それぞれの組織のリーダー的な社員が戦略を知り、構造改革を受け入れるからだ。何でも桁違いなことをやる国であり、ジャック・マー氏であることには驚くほかない。今後も生き延びて「102年持続する会社」を狙う生き残りと、再発展のための分散であろうが、持続を目標とするなら、可能だろうと感じる。
社内・グループ内でこれだけの人数を動かして、業務に支障をきたさないなら、それぞれの業務ユニットの職務範囲はかなり明確化され、誰でも実行できる標準化がされているのだろう。
変化を受け入れることができるのは、それぞれの組織のリーダー的な社員が戦略を知り、構造改革を受け入れるからだ。何でも桁違いなことをやる国であり、ジャック・マー氏であることには驚くほかない。今後も生き延びて「102年持続する会社」を狙う生き残りと、再発展のための分散であろうが、持続を目標とするなら、可能だろうと感じる。
「携帯はデータ消費の(受発注)ディバイスになり、ライフスタイルを変え、PCは仕事・生産・製造のスタイルを変え、ワイヤレスがライフスタイルの変化をもたらし未来をかえる」とマー氏は予言する。
アリババ社の粗利率は09年以降66~78%、平均70%という信じがたいものだ。 13年の営業利益率51.2%、純利益率43.8%、それでもまだ国全体の小売の7.9%占めるくらいであった。アリリサーチの調べでは16年のネット小売は11.5%、驚異的な平均27.2%成長率である。なおアリババのネット小売は中国の8割を占めるといい(タオバオ+Tモールの合計)概算で65兆円前後である。
こうなれば、従来の詐欺や横領、贈賄などが悪名が高かった国での取引は、1社がまとめて監視できるから、社内の問題となり見える化されるから防犯にも役立つとも云える。それは時間とともに利益率は下がるとしても、従来型の卸や小売店を通す流通の簡素化にもおおきな影響を与えることになる。
アリババの例外の存在で国有企業の自由市場への参画を放置すべきか
上記の記述で、外資に対する規制の規制と国内企業へのそれとをダブルスタンダードにするようなルールの適用に差がみえる気がしてくる。またマー氏は教師であったことから、メディアを味方につける巧みな表現能力をもっている点も見逃せない。
しかし、このような企業が外国への参入は難しいと考え、現地企業をM&Aで買収すれば、市場参加をゆるすか否か、これは熟慮すべきであろう。
同時に、TPP加盟国・加盟予定国では次の課題がみえてくる;
- 国有企業はTPP地域での参入に対し、各国が共通した参入規制ができるかどうか。
- 国有企業の多い新興国での規制はどうあるべきか。非常に難しい部分が感じられる。少なくとも国が株式会社の議決権を左右できる企業は国有あるいは準国有と見て、その対外進出には厳しい基準があってよいと考えられる。
- 無論これを避けるために偽装などは平気で行う国があるから容易ではないが。特に国が5割以上の株式を保有企業への有効な手段と考える。
- なぜなら、異を唱えるのは、よほどの大企業でも難しく、まして小国、中傷企業には、訴訟の際の体力と政治力の差が穴埋めできる機構に欠けるからである。 その良い例が南沙諸島での人工島での軍用設備であり、他国と共用などはウソそのもの。またWTOでも中国の違反を知りながら、輸入品へのダンピングなど、報復が怖くて非を指摘できず、事実上認めた形となり、国際機関の機能を阻害する行動になっているのだ。(https://www.jetro.go.jp/ext_images/jfile/report/05000588/05000588_001_BUP_0.pdf)
- つまり、現在の国際機関では、こうしたルール無視の国は、参入規制をもうけ、一定条件を実行したときだけ、あらかじめ定めた条件により交易をするしかないように見える。 つまり、契約や約束は”ただの約束”としてそこが実行までの条件交渉の出発点という考えであるという風に考えている場合、どう実行を担保するか、それまでは国有企業はTPPから締め出す必要を感じさせる本である。
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