2021年3月24日水曜日

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心の断捨離

2021/03/24 04:20

私はアメリカ生活の最初の3年間を東海岸で過ごした。もともと野球少年だった私は、そこで放映されている大リーグの試合をよく見ていた。当時アトランタブレーブスに”精密機械”と呼ばれるピッチャーがいた。彼の名前はグレッグ マダックス。見た目は普通のビジネスマンと全く変わらない。背も高くないし筋骨隆々というわけでもない。しかし通算355勝と素晴らしい記録を残している。私のお気に入りのピッチャーの一人だ。先日現役時代の彼のインタービューをたまたまYoutubeで見た。

https://www.youtube.com/watch?v=G8z0cV2blXE&t=220s

私はある時から全く勝てなくなった。体もどこも悪くない。ボールもよく切れている。コントロールもいい。行き着いた答えは、メンタル。自分がやっていることは正しいと思うこと。それができたら勝てるようになった。

この歳まで生きていると色々な固定観念が自分の心を支配するようになる。このインタビューを見て、今の自分から抜け出すにはその固定観念を一つ断捨離すれば良いのではないかと思い始めた。では私を縛り付けてきた一番大きな固定観念は何か?一体何を断捨離すれば良いのだろうか?行き着いた答えは、昔から祖父母、両親に言われ続けたことだった。”お天道様は見ている”だった。

曲解された”お天道様は見ている”

勘違いしないで欲しい。別に悪いことをしようとしているわけではない。この言葉の本当の意味を私は少し曲解していたように思う。本来の意味は、悪いことをするんじゃない。誰も見てなくてもお天道様は見ているという意味だ。本来これが両親、祖父母の教え。日本人にとって最も大切な教えだ。西洋社会にはない日本人独特の考え方。これがあるから日本は無宗教の人が多くても社会が安定し、逆にアメリカはこれがないから宗教が大切になると考えている。アメリカ人にとっての神の存在が日本人でいうところのお天道様だ。

私は一つのことを始めると完結するまで辞めれない(ケツを割れない)性格。それを続けることができる一つの理由は”お天道様は見ている”だった。きっとこの仕事は誰かに評価され、この分野の発展に大きく貢献する、と思ってきた。言い換えればお天道様が助けてくれるのではないかとお天道様に甘えていたのかもしれない。しかしこの考えはお天道様は見ているの”自分勝手な曲解”だと思い始めた。この曲解を断捨離することにした。

自分がどんなに格好良くても街を歩いているだけで、”結婚してください”と女性は近づいてはこない。自分から相手に結婚してくださいと言わない限り。

自分がやっていることは正しいと信じることは大切だ。しかしそれを人に話して自分の考えを伝えなければならない。それは自分以外には決してできない、人任せにはできない作業だ。自分が作り出した製品がいかに素晴らしいか伝えなければならない。それを積み重ねるときっといつか”お天道様”は見ていて空から一本のチャンスという糸を垂らしてくれるのではないかと考えるようになった。





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