2015年5月30日土曜日

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< あなたがアメリカでM&Aをしないといけない5つの理由>

M&Aのメリット(時間の節約)は私も取り上げたが、もう少し別な観点で分かりやすく説明しておられる藤本氏、シカゴで活躍する公認会計士をご紹介したい。
 kfujimoto(CDH会計事務所)(フォント、着色ほか編者)

アメリカに住む日本人はあまりM&Aをしたがりません。何故なんでしょう?
理由は、端的に言うと利点がわからないからです。M&Aの利点を理解していないからです。
日本の中規模から大規模の企業では、米国企業をM&Aするのは、現在ではかなり一般的になっています。そこで今回は、普通の個人の方が、一からアメリカで起業をするのではなく、M&Aでビジネスを開始するべきである5つの理由をご説明します。


1.    企業(ビジネス)をM&Aするのがアメリカでは一般的だから

アメリカではどんな小さなビジネスでもM&Aの慣習が昔から世の中に広がっています。皆さんは独自のアイデアを大成功させた起業家が、大きなビジネスに資本の何百倍もの値段で売りつけるイメージを持たれているかもしれません。しかし、アメリカではそれだけではなく、オーナーの世代交代のために、そんなに大きなビジネスではなくても売買されることが一般的です。レストランなどはもちろん、普通の小売店や、小さな工場のようなところもどんどん売買されています。小さなビジネスでもM&Aなんです。

また、アメリカの税制もこれに一役買っています。キャピタルゲインという言葉を聞かれた方も多いと思います。キャピタルゲインに対する課税率は通常の所得よりも低率なんです。つまり、アメリカの政府から、ビジネスの売買を奨励しているんですね。これを利用しない手はありません。

M&Aが庶民レベルでも一般化しているのがアメリカなのです。ですから違和感がありません。

2.    すぐにビジネスを開始できるから
M&Aの場合は、既存のビジネスの基礎構造はあるわけです。顧客もついている場合が多いです。さらに顧客もお店の名前を知っています。ビジネスに対するロイヤルティがあるんですね。またこちらも重要ですが、作業の基本的なやり方を知っている従業員もいます。

つまり買収すれば、新規のトレーニング、従業員の雇用、新しいビジネスの宣伝、マーケティング、そして場所(不動産)の確保などの手間がいらないわけです。このいわゆる準備期間は、数カ月から1年以上はかかります。この間、収入がないわけですから、ゼロからのスタートの場合は、キャッシュフローは大変厳しくなります。

既存のビジネスを買うときは、これらの心配がなくなるわけです。

3.    お金を借りやすいから
 2.で述べたように、すでに現存するキャッシュフローがあるわけです。まったくゼロからの起業はそれがありません。お金を貸すほうにしてみたら、キャッシュフローがあり、返済の予定が立てられるほうが、貸しやすいですね。財務諸表も揃っているし、実績もあるわけですから、返済能力の判定がしやすいんです。

つまり銀行などからのファイナンシングが、楽なんですね。
銀行以外にもベンチャーキャピタルや友人、親戚などもあなたにお金を貸しやすいでしょう。

.    比較的コストがかからないから
 まったくゼロから開始するよりも、上記2.で述べたように、初期投資が比較的かかりません。また、最初から既存の顧客がいるわけですから、キャッシュフローがあるわけです。したがって、もちろん失敗もたくさんありますが、ゼロからのスタートよりもコストがかからないようにすることができます。

つまり買収のための巨額な資金など、最初からなくても大丈夫なんです。

.    買収代金の支払いが楽だから
 アメリカでビジネスを買うときに、最初に大きな金額を貯めておかないと買収代金が支払えない、というのは必ずしも真実ではありません。なぜなら、買収したあとのビジネスから生まれてくるキャッシュフローから、代金を支払うことができるからです。

多くの場合は、売却者への支払いは、延払いになります。5年から10年の間で買収金額を支払うのが一般的で返済能力の判定がしやすいんです。

つまり銀行などからのファイナンシングが、楽なんですね。
銀行以外にもベンチャーキャピタルや友人、親戚などもあなたにお金を貸しやすいでしょう。ビジネスの売却者は、言ってみればこの間のキャッシュフローを退職金のように考えて、リタイアしていくわけです。

買収金額が200万ドルだとしましょう。

この金額を10年間で支払う契約にした場合は、200万ドルの買収でも1年間の支払いが20万ドルで済む可能性があるわけです。もし売却側のオーナーが1年で40万ドルの給料を取っていたとしたら、売却側のオーナーはいなくなるわけですから、これだけで毎年20万ドルの余分なキャッシュフローが生まれるわけです。

つまり、買収側は一度に200万ドルの大金を用意する必要はなく、将来のキャッシュフローを使って支払いをすることになるわけです。もちろん支払不能になった場合は、ビジネス自体を失い、自分も破産することになるリスクはあります。

どうでしょうか? M&Aにはリスクは付きまといますが、M&Aをすることであなたの夢の実現がさらに早くなるかもしれませんね。全くゼロから始めるよりも、アメリカでM&Aを勧めるにはこんなわけがあるんです。

この記事は、読者の理解を深めるための目的で書かれており、規則の完全に正確な説明ではありません。
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