2015年6月4日木曜日

15206 警察のやることをするのが自衛隊員か、 平時と戦時の混同か国民をだます議論か?


15206

警察のやることをするのが自衛隊員か、
平時と戦時の混同か国民をだます議論か?
(集団的自衛権の議論のおかしさ)

自衛隊員は自衛の軍隊であるなら、まえに軍事裁判所が要ると書いたが、皆さんピンと来ない反応だった。いま国会での集団的自衛権の議論がかみ合わない理由もようやく分かった。
それは青山氏がブログで上手に説明しているが、笑い話のような話だが、議論で警察官と兵士の違いが混同されていないか、いや区別していないと気づいたのである(青山;兵士と警察官のちがい) ネガティブリストを作らねばならぬのに、ポジティブリストを作ろうとしているのだ。

サッカーの名監督に『戦に勝つ方法をリストしてください』と頼んだら、どんなリストができるだろうか。たぶん古代の「孫氏の兵法」のように状況にあわせた、抽象化したものしかできまい。
ルールは国際的に決まっているから、それ以上のものは要らないのであり、それを憲法上の理由で制限しようというなら、この人達は戦争をする気はないのだ。それはそれで良いのだが、攻撃された場合には、その証拠を隠すのはどういう意図であろうか。抑止力というものの意味も分かっているのか疑問である。

集団であるかないかという前に、兵士がやるべきことは刑法に書いてあり、平時なら犯罪になることをやらねばならない。なぜなら普通の犯罪は被害者の人権を守るために作られた法律で裁かれるから、法律にかいてあることで罰せられる。それを捕まえるのは警察である。

ところが軍事では1部の例外を除き、平時なら犯罪となる行為の実行するのだから、相手が予想もしない方法で行う。つまり敵を殺傷したり、相手の財物を壊し無力化することだ。1国だけでは勝てないから、集団で結束しようというのだ。

なるほど、それで世界にも例のない法律を作ろうとして、やってもよいことをリスト化しようというとんでもないことを延々と議論しているのだ。道理で、中国の偽装船が突っ込んでくる映像を公表せず、相手の都合の悪い+表現の自由のない国益を守ろうという混乱した判断がおこったのだ。
原則として相手に都合の悪いことは何でも公表するのが、自国の利益だという発想が欠けている。こんな馬鹿げたことを真面目に議論しているのは茶番でしかなく、米国もあきれて見放さないか、いささか心配になっている。

『相手が先に撃ってきたと確認してから撃ち返すべき』など、
『その前に撃たれたらどうするのか』。撃てないなら隠れるか、逃げるかしかあるまいに。
つまり、いかに自軍の兵士を予測可能にするかという敵が喜ぶルールを作りをやっている

相手はすでに日本の財産(領域を侵しサンゴを盗み、国民を拉致する)を侵略する戦争行為をしているが、そうとは思わなければ、それは相手から見ればやりたい放題だ。
何をやれるかをリストにしてくれるのなら、裏をかくのも簡単であろう。こういう無駄な議論を要求する野党は、戦闘行為がわかっていない人たちだから、1度でもいいから、演習でも見たらよいという意見に賛成である。(敵に手の内を知ら せぬためには、非公開裁判でも仕方あるまい)

それもこれも、個人の人権をまもる正当防衛があるのと同様に、軍人にもそれはあるわけで、専守防衛、守るだけだから攻撃はしないというのでは、防衛はできない。そこに自衛の殺傷行為がある場合は、平時の法律とは別な判断があって当然だということになる。
災害救助とは別の部隊を編成する必要があるし、給与がちがって当然だというのもはっきりさせるべきだろう。
私たちも反省の余地があるが、『いやなことは、起こらないと考えよう』という無責任な生き方をしてきたのが戦後の日本人の多くである。だが国民の命と財産をふくめた人権を守るのが国の第1の使命だから、それをなしにしようという人は国会議員であっては困るのだ。

情緒論やスパイによる漏洩のリスク

まあ議論の相手が分かっていないのを承知で、立場をたてて応じている内はいいが、だんだん視聴者を意識しての演出に時間がかかり、本筋の議論が忘れられると、最後は時間切れで穴だらけの法律になることも考えられる。

軍関係は一般人にはついてゆけない部分もあり秘密もあるはずだから、高度の機密性をもつ部分もあるはずだ。限られた相手にしか渡せない、秘密保護法の効力のないうちに話せないものもあるだろう。ジャーナリストと議員とは秘密をどこまで漏らせるか、大枠の話でどういう部分は秘密かについて一般にも知らせておくのは良いことだろう。

しかし米国メーカーでかなりの社内秘密という部分も経験した人に言わせると、秘密としている部品があるとしても、通常のNC工作機では作れないような部品を2~3個くみ合わせれば、それの全体は非常に再現しにくいし、それほど神経質になる必要もあるまいという。尖閣で経験したレーザー光で照射しながら、それが戦闘行為かもわかっていないレベルが現場にいるとするなら、対策も変わってくるだろうと(あの時は、戦闘をしかけていたのかも知れないが)。

時代は変わり武器や道具が変わっても、どこまでの覚悟と自己犠牲をできるかという兵士のほうが恐ろしいことには変わりあるまいが、そういう兵士の自己犠牲に頼らないですむ戦略家や指揮官の方が重要になってくるような気がする。

自衛隊に軍事(特別)裁判所は無理と思いますという意見 

以下は引用である。(フォント、着色などは編者による)
日本軍事情報センター(http://www.kamiura.com/remail/continues_305.html6/17メール

日本が普通の戦争が出来る国になるためには、憲法9条を変える以外に、軍事裁判所の設置を認めるように改憲する必要があります
いつも変な質問ばかりしてまして申し訳ありません。
これは軍法会議の事でしょうか?それとも軍事裁判所というまた別の形のものなのでしょうか?
私が見てる田岡俊次さんが出演するCS放送の番組の中で田岡さんはいつも軍法会議設置を否定されています。

理由は簡単で身内に甘い体質が有り、どうしても身内に通しでは甘い判決になるからだそうです。
例として挙げられた話として、満州事変の時朝鮮の国境を越えて滿洲に進軍した(しようとした?)朝鮮人軍人がいたそうです。その行動を当時の新聞は煽り立てて大きな問題に。しかしその朝鮮人軍人を必死に庇ったのが上司?に当たる東条英機だったそうです。

もう一つの話は、米軍によるえひめ丸沈没事件。この軍事裁判の中で米軍人各自が規則や命令に従ったまでと主張。確かにその通りでもあり、結局一体誰の責任なのかがハッキリしない責任の所在が曖昧な状況に陥ったそうです。だから田岡さんは軍法会議ではなく外部の人が裁く一般の人と同じ裁判の場で裁くべきだというお考えのようです。
神浦さんのいう検索結果

犯罪捜査官ネイビーファイル はこの様な弊害の心配のないものなのでしょうか?

軍事裁判の参考になるとは言いませんが、雰囲気を知る事が出来た「犯罪捜査官ネイビーファイル(JAG) 」を足かけ15年掛けて見ていました。これはアメリカで10シーズン10年間放送された米軍法務官が活躍するドラマです。
「ドラマ通りではないが、軍人の姿を一番反映している」と米軍人も評価していたそうです。ドラマでは仲間同士である法務官が検察と弁護士に別れて事件を担当します。面白いと思ったシーンは、日常会話の雑談の中で担当する被告の刑罰ついて軽い感じで“交渉”している場面。

例えば、一方が「懲役2年と不名誉除隊」と言えば、一方が無罪を主張したり、「軽減した刑期で手を打とう」と主張する。「それには応じられない。最初の提案がベスト」とまた返したりとこんな会話のシーンを本当によく見かけました。
これは司法取引?なのか知りませんが、日本では有り得ないだろうと思いつつ見ていました。また軍人の将来を考慮したり、年金を受け取るか否か、不名誉除隊などの場面もよく見かけました。

個人的には現在裁判員制度が始まった日本では、一般国民の日常生活には馴染みもなく時には相手国も存在し軍事常識や専門的な事柄などを知らない突然くじで選ばれたような裁判員がまともに裁く事が出来るのか?と言う素朴な疑問があります。だから神浦さんの軍事裁判所の設置は必要なのだろうと思います。

でも、身内を庇う場になってしまうのではという心配もあります。第一、現在の自衛隊にJAGの様な権限と能力のある法務組織、法務官が存在しているのか?という素朴な疑問があったりします。
もう少し軍事裁判所ついて解説して戴ける機会があれば嬉しいです。

コメント
                                        確かに軍人のための特別裁判所が出来れば、軍人に対する判決は「身内びいき」で、部外者が見れば”軽くなった”ように見えると思います。

軍人が戦場で従うルールは、交戦規定(ROC)や国際法で、一般刑法ではなくなります

以前、何度かお話しましたが、自衛隊のサマワ派遣(イラク)では、間違って自衛隊員が農民を誤射した際の対処が問題になりました。サマワの自衛隊宿営地に向かって農民らしきものが歩いて接近してきます。陣地(宿営地)の監視塔からでは、肩に携帯式対戦車ロケット砲(RPG7)を担いでいるように視認できます。

「近づくな」と何度か現地語で警告をしますが、相手は一向に接近をやめません。しかたなく、警備の自衛隊員がROEに基づいて、この農民らしい者を射殺します。しかしRPG7と思っていたのは農具で、自衛隊員の警告はこの農民が難聴のために聞こえなかったことが判明します。
日本はイラク暫定政府と地位協定を結んでいましたから、この射殺した自衛官は日本の刑法によって裁かれることになります。罪名は「業務上過失致死罪」です。

サマワ現地に派遣されている警務隊員のよって隊員の身柄が拘束され、取り調べを受けた後、派遣部隊の地方検察庁に送検され、一般の裁判を受けることになります。
このようなことが起きる可能性は極めて高いと思われました。そこで考えた対策は、海外で起きた業務上過失死地罪は日本の刑法では扱わないという規定の活用です

ですからサマワで起きた射殺事件は、殺人事件として立証されないことになります。すなわち無罪です。事前にこの説明を聞いたサマワ派遣隊員は、安心したような表情を見せたと聞いています。
このほかにも、軍事作戦では一般法では違法になる行為がいくつも考えられます。軍の活動は特別法廷(軍法会議)でしか裁けないのも事実ですこのあたりの考え方は田岡さんと異なると思います。

しかし日本では軍事(特別)裁判所を憲法76条で否定しています。ですから私は日本は戦争が出来ないと言っているだけで、憲法改正を考えているだけではありません。
また、憲法9条を変えて、自衛隊の存在を肯定し、自衛のために外国軍(米軍)と共同作戦(集団的自衛権の行使)を行えるようにするだけでは不十分で、軍事法廷を可能にする76条も変更する必要があるという説明ですだけです。(中略)

自衛隊が縛られているのは、適当な法律がないというのも原因です。自衛隊の国際活動が多くなると、自衛隊を取り巻く法律全般を見直す必要があると思います。
軍事特別裁判所だけの問題ではなくなりました、また有事法制で済む話でもなくなりました。


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