16034(2)
サピエンスの生き残るための知恵
お断りしておくが、この著者ハラリ氏は政治・宗教・法治などは生物学などから比べると、虚構だと
位置づけている。(人間の欲望や祈りなどはサイエンスとは表現できないと捕らえている。)
ユーラシア大陸でシュメール人がヒッタイト文字をつくった。ヒッタイトは鉄を発明したらしい。その頃から奴隷がいたようだが、たまたま争いに負けた側にいたに過ぎない。(先祖が奴隷だった方は、何も卑下することも恥ずかしいと思うこともないと私は考えている。 (縄文人のミトコンドリアDNAを解読 )
集団で多数が行動できるためには、虚構(想像)が要る
結論からいうと、現在まで生き残れた人と他の種との1番の違いは、言葉と集団に群れる数だったという。たとえばチンパンジーは20頭からせいぜい100頭だ。人類の社会生活も、縄張りと食べ物をめぐって争いになる。集団がまとまれるのは、そこにリーダーがいても150人という壁があるという。この壁を広げるには、たがいに噂話が伝えられ、宗教的なシンボルなど現実に見えないものや、考えが伝えられる認知能力が必要とされる。今でいうツイッターか。
(差しさわりがあるが、グローバルな世界では、万年野党で少数派では、子孫が広がらないから、和をもってという政策は賢いが、生き残れなくては仕方がないともいえる。)
(差しさわりがあるが、グローバルな世界では、万年野党で少数派では、子孫が広がらないから、和をもってという政策は賢いが、生き残れなくては仕方がないともいえる。)
交易が出来るようになったのも、サピエンスだけが信頼が生み出せ、認知革命が生れたという。認知のためには文字が不可欠で、これには体格にまさるネアンデルタール人も勝ち目はなかった。(それは認知症や自閉症などの解決にも関連するのではないか。SNSで便利さのため文字を失うと記憶を失うのではないかと編者はひそかに憂慮しているが。)
ひじり付きの矢を作っていた時期から、わずか3万年で核弾頭を作るまでになったのは、集団としてのサピエンスの何百万人の見知らぬ者の協力と知見の蓄積があったのだ。 (サルでも学習能力があるが、知識経験を記録する文字が不可欠で科学はその後だ。)
ひじり付きの矢を作っていた時期から、わずか3万年で核弾頭を作るまでになったのは、集団としてのサピエンスの何百万人の見知らぬ者の協力と知見の蓄積があったのだ。 (サルでも学習能力があるが、知識経験を記録する文字が不可欠で科学はその後だ。)
サピエンスは農耕が始まるまえはみな狩猟民族であり、毎日家財道具を背負って移動していた。それは今いる狩猟民族とは違っていた。オーストラリア先住民は30万~70万人が200~600の部族の分かれて英国に征服される直前に住んでいたばかりか、それが更にいくつかの集団に分割されていた。各部族で言語、宗教、規範も別だった。かって全世界では、500~800万人が何千の部族、言語、文化を持っていたのだ。 (それは同属として生き残るために不可欠だった。 現在で言うなら、自衛のためのパスワード、セキュリティーコードの役目もあっただろう。)
そしてカリスマ性のあるリーダーのもと、40年ごとに2つに分かれ、食料を求め100キロずつ東に移住すると、アフリカから中国まで1万年で到達できたのだろう。
4万年前だからとバカに出来ないのは、今のように分業化した農業・工業社会よりは、身体能力はいうにおよばず、遥かに知識と技能面での知識がすぐれていたという。他者の技能に頼れると、しだいに「愚か者のニッチに頼る」ようになるのだ。(いま天皇制の件でまじめに皇室典範を議論している。 私は、皇室は日本の文化だから残すべきと思う。ただ、その由来やアフリカからどこの国を経由して日本についたかは、あまり興味がない。ましてや、どのように継承されるべきかもだ。
徳川幕府でも同じこと。将軍の側室が何百人もいて、だれが次を継いだかなどは、何百年もあとからは、どうでもよいと思いませんか。歴史家や作家は別だが。
その意味では虚構という言葉が適当かわからぬが、体が丈夫な跡取りを生んでくれれば良かったのだろう。ヨーロッパの王室も同じで、国民のためによい王であればと思う。)
集団の秩序のためにはエリート層が課税する; 王国・町(想像上の秩序)ができ
町のような集落ができれば、管理費・防衛費などのための課税が避けられない 。
記憶だよりでは記録できず、課税記録がいるからと楔形文字がつくられたのが、最古のシュメール文字だ。
ただ誰が幾らという課税帳を作っただけでなく、シュメール人が優れていたのは、データの目録、記帳の保管、記入者名、検索する技術をもっていたところにある。
力の強い王が現れ、空想の統治組織が現実になる。BC1776年のバビロンは世界最大で100万人を超えたという。よくご存知なことを書く必要はないが、ハンムラビ法典、196条はいわゆる「目には目を、歯には歯を」というものだ。
バビロン法典も、アメリカの独立宣言も生物学的にはまちがい
ハンムラビ王は自分の書いた法典により、この地を誠の道と正しい生き方で進むよう命じている。 そのころ人は2つの性と、3つの階層=ヒエラルキー(上位自由人、一般自由人、奴隷)に分けられ、それぞれの性と階級の価値は違うとされてきた。
(この考えは武士、町人、非人のあった江戸時代も似ている。現在の憲法の人権なども、3800年前のルール・知恵を継いでいるのだろう)
1776年の米国の独立宣言には「我々は以下の事実を自明のものと見なす。すなはち、万人は平等に造られており、奪うことのできない特定の権利を造物主(神)によって与えられており、その権利には、生命、自由、幸福の追求が含まれる。」これが200年以上にわたって、アメリカの児童によって書き写され、そらんじられて来た。
(日本のように、1945年以降は、説明が難しいからと避けてきたのと違い、代表的な考えや選択肢を教え、本人がえらぶ国とは、生きるうえでの真面目さの度あいが違うように感じる。)
著者が指摘する矛盾は「平等に造られ」たというのが、生物学によれば平等に造られた訳ではなく、進化してきたのだから、間違っても「平等に」なるように進化したのではない点である。 進化は差違によるから、ばらばらに進化したのだ。また造物主に与えられたというのも、単に生まれたのだと。「奪うことのできない権利」などはなく 「変わりやすい特徴」とすべきだという。鳥だったダチョウが飛ぶ能力を失ったのであり、奪われたのではないという。
著者の言う「想像上の秩序」は、多数の人間が協力するための唯一の方法だという。暴力による秩序の維持ほど難しいものはないが、その軍を何かの秩序を信じさせる必要があると。 つまり「想像上の秩序は、(指導層も含め) 人口の相当部分が、 心からそれを信じているときだけしか維持できない。
(では一切の与党の政策の過去の問題点だけを指摘し、新たな提案を反対するだけの野党は意味があるのか? 実は意味がないのだ。では与党を脅かす地位の野党なら意味はあるが、妥協する気もない代替案では、結果的に失敗を待つだけの効果しかない。野党連合も同じ。
安部・プーチン会談が15日に行われたが、国民の大部分が”領土は血を流しても守るべきもの” と考えていない今の日本では、取り返す力はないのだろう。それは野党に交代したらうまく行くとも考えがたい。
憲法の前に日本人が守るべき価値とはなにか、党派の議席のための政策ではなく、この議論をすべきなのだ。これが今の日本の問題なのだろう。
自治体の長が国の防衛に決定権をもつような沖縄基地の議論も、優先順位がわかっていないのだろう。)
教育で犯罪例を面白く教えれば、それ以外は合法とわかる
(彼の考えでは憲法も虚構で人工の構築物であり、日本では”ありがたい憲法”の修正で騒いでいるが、バビロンでは3800年も前に、為政者は300もの判決・判例(具体的犯罪)を記載していた。
けさ後輩の博士と話して大笑いしたが、日本の教育が効果のない教え方をしているのは、犯罪のしかたを教えないからだ。半島人によくだまされる日本人のために、詐欺罪を100くらい事例ごとにまとめ教えたら、日本での法治はかなり改善する筈だ。
彼の故郷・下関の母校で講演して、『米国では屋外でのコインマシンが使えないが、理由は ? 』
と聞いたら、誰も正解がなかったそうだ。学校で正解ばかり教えるから、海外で身ぐるみ剥がされるのではないかな。(なおこの人は大腸菌の研究家だ。)
国内に法治が行き届かず、近隣国が好例だが、あるかのように見せかける宣伝と、反対者を沈黙させる武力装置だけでは、継続した長期安定はのぞめない。
8~9千年前までサピエンスはみな狩猟民族だった
歴史をさかのぼれば、寒冷化と温暖化のサイクルは10万年毎だった。このサイクルが乱れてはいるが、100万年まえから、10万年の周期で10万年毎の氷河期がきて、その間に隕石の大きな衝突もあり、ことに6万年まえから5回の衝突、ことにひどいものは2.4万年まえのもので、9割り以上の動植物が消滅した。1万8千年まえから最後の氷河期が終わり、温暖化で雨もふえる。つまり今いる私たちは非常にラッキーな人たちだ。
人間より大型な動物は4.5万年前の衝突で、オーストラリアからは完全に消えたという。
小麦などは種として育てる知恵などもついてくる。農耕が始まったのは9500~8500年まえからで、今のトルコ南東とイラン西部とレヴァント地方の丘陵である。(ISISがシリアと戦っている辺り。) 農耕革命は中東・中国・中央アメリカではじまり、なんでも栽培できたわけではなく、小麦・稲・ジャガイモなど中央アジア、アジア、アメリカ大陸などで違ったものからスタートしたようだ。家畜化はヤギや羊から始まったようだ。
農耕民になって定住が始まるが、幸せだったとは限らない。ただ野にあるものをとってくるのと違い、まず定着すると、農機具などの工夫もはじまり 、天候で収穫にばらつきが生じる。
人口がふえ政治や宗教などが起こり、収穫は10倍になるが、食料が安定し人口も急増した。
その作物の奪い合いも起き、15~25%の死人が出る争いが始まった。開拓や農作業で椎間板ヘルニアなどもでる。それまでの狩猟での5%くらいの死亡ではおさまらなくなる。
1万年まえころから、牛・ブタ・ヤギ・鶏が家畜化されてきたが、限られた世界で数百万頭だったが、それぞれが10億頭、トリは250億羽に増え、人口も300~800万人から、2.5億人になった。それで幸せになったわけではなく、子供の数がふえ、3分の1も死亡するから、宗教的な祈りも始まり、集団での協力作業も始まり、リーダーができ、エリート層が形成される。9千年も前にはネアンデルタールの集団を追い散らすくらいにはなっていた。
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