2015年3月5日木曜日

15188 人間関係は菌親関係になるのか?(2)

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人間関係は菌親関係になるのか?(2)

15184,15187の記述を整理して、要点をしぼってみたい

体内に棲みついている腸内細菌による医療の研究が急速に進んでいることは、前回のべたがメディアでも取り上げられたので話題になっているNHKスペシャル3月2日、2015)

いま明るく快活で健康な好ましい人がいたら、その人の腸内細菌をもらって自分の体内に入れるだけで、数日もまたずに、自分もウツが晴れ、快活になれるということらしい。

会っていきなり『貴方のお人柄はすばらしい。お付き合いいただけませんか』なら分かるが、踏み込んで『超個人情報かも知れませんが、腸内菌をいただけませんか』とは言い出しにくい。
どうするかは、ひと工夫もふた工夫も必要だろうが。医療の1種になれば、間に医師が介在するようになるのかも知れない。

人間関係が変わる? 
病気なお人は症状にあわせて、薬でゆっくり直す漢方と、体内までを切り開いて、悪い部分を取り除く西洋医学にわかれてきた。時間のつごうと入院費も考えると健康保険があれば、経済的には西洋式がまさる。

ところが人体にはミトコンドリアをはじめ、多数
ウイルスや細菌がすみついていて、それぞれが
別なDNAを持つものがあること、各々の特徴で、よい細菌と悪い細菌とに分けられそうだと判ってきた。(少なくとも無視できない30%以上の医学
者が賛同しているようだ。)

ガンを引き起こすDCAというものが、(それで全て
ではないのだろうが)わかってきた。
肥満体質には短鎖脂肪酸という脂質の吸収をおさえる菌がすくないこと、エクオールというしわが浅くなる(老化をやわらげる)ものなど、それぞれの症状の患者はにたような腸内細菌をもっているということも事実であるらしい。
日米で先端をゆく研究がされているようだが、すでに200以上の細菌が特定され、これらの組み合わせを考えれば、膨大なデータの処理サービスなども、有望な分野になってくる。

さらに脳に対する影響についても研究がすすみ、マウスの実験では臆病なマウスや活発なマウスもいるが、それぞれの腸内細菌を取りかえると、臆病と活発が入れ替るということも分かったという。

家族や血縁・血統の意味が変わる?

古来から人間は家族を単位として生まれそだち成人するが、その家族で共有するものは、先祖からの血統、最近の医学でいえば遺伝子やDNAだと考えられていたが、体内にすむ外来菌もこれに加わってきそうだ。

家族はおなじテーブルをかこみ、おなじ食事をとるから、そこで消化されるものも同じだというのも考えなおす時期のようだ。共働きですれちがいが増え、時間がかかるからコメを食べるよりパン食になり、通勤・通学とちゅうのコンビニの握りめしになる。
子供でもちがったスポーツをやれば、体育館や球場などで体内にとりこむ菌も変わってくるから、親とはちがう体質の体になるという部分が思ったより大きくなるかも知れない。

そういえば、ペットずきな人が犬などとはハグをこえて、人間さまにもしないようなことをしているが、あれも共通の菌を分かち合っているのかも知れない。体育会系が、同じ皿の料理を分け合う飲み会なども、元気のよい連中がますます増強する習慣に見えてくる。

家族的な絆は腸内フローラ関係か

腸内細菌(腸内フローラとよぶ)は、はっきりいえば、これは各人のフローラ(ウンチででる前の中に潜む細菌)の違いと、その交換の話になるちょっと臭い話なのだ。気取ることもないという人もいるだろうが、看護婦がたりない現状、すこしでも女性が受け入れやすいフローラ(花園)などはよい呼び名だと思う。(フローラが商標でなければ)

世界のそれぞれの地域では人類は国という境界をつくって防衛し生活してきたが、これは人種や文化マップで腸内菌マップではない。ベジタリアン、シーフード、肉食などと食物で分けているが、いずれ腸内細菌マップも重要になるのではなかろうか。
ビッグデータで蓄積し、天寿を全うし自然死する人の比率マップ、病気の種類マップ、医療費の違いなども、これからは健康保険の料率などに影響をあたえるようになるに違いない。

まとめてみると、医療で腸内菌をつかうばあい、肥満体の人にやせる細菌を与えれば薬を与えたことになる医師・薬剤師のしごとだが、逆にやせた人を肥満にするには食物がよいか薬かという判断が必要になる。

極論すれば、現在なにかの病気をもつ人の治療は、いまの医療体制で続けるだろう。
しかし将来の健康や病気の予防の方は、ビッグデータによるフローラをどう扱い、グループ化するか、それをどう交換するか、がカギになるのではないか。フローラという1時期でも人体に滞在したことのある菌は、出てしまうモノで人体の1部とはよべないだろう。つまり臓器の流通ほどの制約はできないだろう。
ならば健康食品だといえるのかどうか、商品化するなら、中間でおかしな添加物を加えていない無菌な流通ルートをどう作るか。医師はどう介在するのか、そこに医学的な判断はあるのか、などが議論されるのだろう。

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