2020年12月14日月曜日

(寄稿】人生のラストクオーター、カタチから入ってみることにしました

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人生のラストクオーター、形から入ってみることにしまし

2020/12/11 21:35

給料の高い生活を味わうと、減らされることを極度に恐れ必死に仕事をする

私が大学に復帰する前にお世話になった会社の社長は、考え方がかなりユニークな方だった。世間一般の会社は、成果が上がったら給料を上げるというふうに『人参を前にちらつかせて馬を走らせる』方針をとる。しかしこの社長曰く、これは馬には応用できるが人間には応用することが難しいと。頑張っても本当に給料が上がるのか疑心暗鬼な人間が出てきて、苦しい局面を乗り越えられなくなる。彼はその逆の方針をとっていた。社員に給料が上がることをまず実感させる。そうすると人間は無理を言ってもやってくれるようになると。給料の高い生活を知った人間は、減らされることを極度に恐れ必死に仕事をするらしい。

成果から給料ではなく、給料から成果。どちらが正しいか解らないが私はそれ以来、後者の方が人間は高い成果をあげるのではないかと思うようになってきた。上がるかどうか解らない給料のために頑張るより、すでに上がってしまった給料を落とさないために頑張る。明確な目標がそこにできる。ひょっとしてもっと上がるのではないかという期待も混ざりさらに頑張るのではないだろうか。彼は従業員に目標を明確に示したのだと思う。

形から入ることの利点

私の妻は形から入るタイプ。娘たちは小さい時にアイススケートを毎日やっていた。妻は氷に立つこともできない娘たちに可愛いスケートのドレスを買って着せていた。他の子はジーンズにジャケットなのに。スケート靴を入れるカバンもいい物を買い与えていた。私はこれから続けるかどうか分からないものにお金を使わなくててもいいのではと思っていたが、これが功を奏した。彼女たちはスケートにハマって行った。思い起こせば私の父もそのタイプだった。私が中学で野球部に入る時に、一番高価なグローブを選んで買ってくれた。兄は剣道をしていたが、学校の防具ではなく自分の防具を使っていた。その値段にびっくりしたのをよく覚えている。兄はとにかく剣道が強かった。安物だと気持ちが半分でいい結果は得られない、というのが父の考えだった。私はこの2人とは真逆の性格だった。安いものから初めて、技術の進歩とともにより高価な道具を買うタイプだった。

占いが当たるのはどうしてだろう?

先日、日系のスーパーに買い物に行く時、いつもと違う道を通って行った。そこで大きな一軒家の前で『psychic (預言者、占い師)』という看板を目にした。その時ふと思った。予言や占いが当たるのではなく、当たるように人間が頑張るからではないかと。どちらに進んだらいいか迷っている人が誰かにその方向を決めてもらう。それを信じて進むと結果的にいい結果が出るのではないかと。

行動を起こす前に皆にお知らせする

日本人は不言実行という言葉を好む。黙々と仕事をして結果を出すことを良しとする風潮がある。しかしそうではなくまず周りに自分のしていることをアナウンスして、それからその目標に向かって進む方がいいのではないかと思うようになってきた。不言実行だと途中で頓挫しても人知れず方針を変更できる。嫌ならやめることもできる。しかし有言実行だとそうはいかない。だからそれに向かって頑張るしかない。自分の進んでいる道は間違っていると思うと、ベクトルは分散してしまい、力が正しい向きにうまく伝わらない。だから人生のラストクオーターは目標を最初に公言しようと思う。私がエッセイで自分のやろうとしていることを世間にさらけだすのはこの理由からだ。


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