<ソニーはアメリカの会社ですか?>
国有企業と民間企業の違い
今アップルが米国政府(FBI)と戦っていると2月19日付け日経が報道している。
米国政府のテロ対策に個人情報を提供する要請を拒否しているからだ。それができる米国と中国の違いだ。中国だったら新聞にニュースにもならずに提供を強制されているだろうし、中国の通信を牛耳るのは国有企業だ。長期で見て中国のやり方の方が有利かどうかは別の国防問題だ。
<日の丸企業といってもソニーは米国企業ですから>という、すぐれた著書で私も敬意をもつ元外交プロの話に少なからず驚かされた。(ホンハイの買収)
ホンハイの7千億でのシャープ買収に対し、最近のようにM&Aが頻繁おこなわれる時代に騒ぐことはないとなだめる意見だが、本当だろうか?
国営企業は国が大半の大企業の株をもっているから、1党独裁の政策で左右される。これと米国のように政府が(わずかな例外をのぞき)民間企業の株を持たない国と比較できるのか?
中国企業が日本企業を買収すると、最悪のケースはシャープのブランドのままで日本企業になり、どんどん中国品を輸入してシャープの名前で、環太平洋(TPP)のマーケットに売れる。という心配はないのだろうか。つまり日本はトンネルになり、品質もなにも中国の好きなレベルに落とせる。何を遣らかしても日本の問題といえる。
もっと行政に脅威となるのは2つある。まずは国内でハッカーが増殖されること。それとドンドン代理訴訟をおこし国内企業を脅すのも自由だということ。
霞が関の住人がこぞって逃げ出すような相手の顔は、台湾のマスクをつけており、契約の紛争の場合は、どこの裁判所が法管轄権をもつのか。それに相手が従わない場合どうするか。
こういう国からの買収には、それらを防止できるメカニズムが盛り込まれた契約にさせる必要があり、違反があったら元にもどせる仕組みがあってもよいのだ。中国では51%は国有企業の所有とする業種が多数あるはずで、そういう国とは同じ条件の相互契約にすべきだという考えがあって欲しい。
ソニーを米国政府が政治介入するには、法に基ずくものでないとやれない。ソニーは米国企業や個人の投資家の所有する会社だ。だから弁護士をたてて争えるが、中国では司法は党の意のままであろう。訴訟するかは総書記の1存でやれるし、結果もわかっているのだ。
これをソニーの例で比較できると考えるのが驚きなのだ。月とすっぽんではないが、国有と民営、独裁と民主は比較しようのないものである。それにソニーは日本企業では少ない米国人からも反感をもたれない国際企業として愛されているのだ。
またシャープの下請けがそこから芋ずる式に、根こそぎシャープに買収されたら、日本の家電部品メーカーが中国に吸収されないか。7千億円もだす目的は他にあるだろう。というのが普通のビジネスマンの考えと思うのだが。
家電向けの半導体事業が削られてゆけば、ディジタル時代に制御系はすべてスパイチップ(ウイルス)入りの日本製にならないか。起きるまで考えないで、想定外でしたでは困るのだ。
監視のために再生機構が2割くらい投資して、定款をかえて議決権での拒否権をもてるようにしても、相手が買収するというなら、少しは心配が和らぐかもしれない。
できなければ、外投系資本の会社の従業員ビザは、経営者に限定するしかあるまいが。
国有企業は国の利益のために運営されているが、民間企業は株主のために経営されている。前者は国策に沿った政治的判断が優先するが、後者は利益と株主が主導である。
日本の公務員を退職したら米国の企業への天下りはできるかもしれないが、中国の国有企業の役員になれたら驚きであろう。1党独裁の国で国営企業に入れるのは余程のことだろう。
どんな会社が買うのかにより、その会社の行く末は闇につつまれている。それが故に、米国では中国企業の購入する会社に対しては、連邦議会が口を挟み評価するのだ。
日本では所有権の自由は万能だという神話の国だから、所有者に不都合なことをしないと考え、だから民間の不動産の取得に議会が関与できないと考えている。だがそれは国と産業基盤が守られての話しだ。国防上の不都合な不動産は、議会の関与と判断があるべきなのだ。
隣国の少女像のアイディアの流用かもしれないが、龍柱が沖縄に立てられ、(過去の)中国の柵封を強調し始めている。こんな馬鹿なことを許して、その地区に米軍基地を維持して、日本を守ってくれといえるのだろうか。思考のどこかが欠けているように見えるが、気のせいだろうか。
国有企業が何でもできるのは困る
- 同業であるなら、買収する会社の本国の会社にパテントの所有権を(売り)移転すれば、買われた会社は、特許の使用権も持たなくなる可能性もある。 私の創業した会社がラボ(試験室)をもつ必要から、ビル業を始めたことがある。入居してきて知り合った中国人は精華大学卒、シカゴ大講師とかで、画期的な産業機器を開発し、郊外で製造をはじめた。日本でも用途別にライセンスしたいという希望だったが、実際上は管理できないと考えて断った経緯がある。広い中国でもライセンス契約で何社かに造らせようとしたが、その2つのライセンシー会社が結託し、製造権まで取られてしまった。
- そればかりか、ライセンシーの1社が彼の米国の会社まで購入した。どういう法律があったのか知らぬが、事後法もできる国なのだ。似たような話しは至るところにある。 相手が国有企業で、裁判になっても民間企業は勝てないのだという。そこから先は煮て食おうと焼いて食おうと勝手となる。
- ドイツのソーラーパネルのメーカーQセルズは経営破たんし、韓国のハンファーの傘下になったと聞いた。この会社が中国に株を転売するかどうかで、韓国の隷属度がわかるかもしれない。まして相手が中国企業なら、それは天下り先だけではなく、アフリカで聞こえる中国からの民族移動のような可能性も考えられる。
- いま議論されている家電メーカのM&Aも、トップが台湾人なら親日だろうと期待する声もあるが、そんな甘い考えではあるまい。日本メーカーの電子機器の全体組み立ての下請けの仕事が、(たぶん契約上の見落としがあったのだろうが)、いつの間にか組み立てを請けていた台湾の会社に渡ったのは、メーカーの中国での部品製造のしごとを請けていた会社に組み立て会社が直接発注するようになり、仕事が台湾にわたってしまったと記憶する。アップルが工場なしでやれているのは、米国ほかの市場には絶対入れさせない契約だからだろう。
- 2つの中国の狭間で、どういう国籍の人達が入ってくるかは全く不明である。日系企業で台湾の会社とJVを組んだり組み立てやライセンス契約した製品はほとんどが中国本土に移っていると聞く。韓国企業が中国にやられたとか、前もって大変だと騒ぐが、裏でつながっていて、いずれは韓国の企業は中国に売却するシナリオだという意見もある。つまり、中国は表にでず代理でしごとをさせておいて、あとから取り上げるというのだ。
- 買収した工場の従業員の1部は、工場の周辺の用地を買い、そこに驚くような中国風のレストランを造ったり、中国柵封領土を示す龍柱を立てても文句はいいにくい。それを禁じる法律がないか不備がある。中国人を歓迎したいから、中国文化の記念塔をたてるというなら、それは中国文化の拡散活動の拠点であり、政治活動としかいえまい。しばらくは沖縄のメディアや動画サイトでも騒がれたが、沖縄に前例が昨年できたのだ。それを元にして、近畿の工場のサイトの近くで差別扱いの解消の訴えを起こされたら、今の日本なら準備不足でお手上げだろう。
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