2016年2月6日土曜日

16007 人材や仕事の取り合いは海外でも(2)



人材や仕事の取り合い競争は海外でも起きている(2)

3年の短期視野を10年としてはどうか

東日本大震災の復興でいえば、人口が減少しており作業員が足りず、予算だけは5年間で19兆円とし、翌年には未消化が予想される中、消化不良を起こしたことは記憶にあたらしい。よく調べた会計監査院の報告がある(東日本大震災の復興入札不調

経済成長は人も同率増えないと達成できない

国を会社にたとえれば、外国人を使っていない会社は、国内だけの国際取引がない会社で、中規模いじょうなら稀といえるだろう。つまり多くの会社には外国人が勤めている。外国人もテレビ広告には多く雇われ、サッカー、野球、相撲などでも活躍している。

海外労働者をいれるのは反対しながら、アベノミクスは失敗だと批判する評論家は、ご自分の意見が矛盾していることがわかっていないのではないだろうか。
(図4 主な建設資材の単価の推移等;生コンの事例(仙台地区の例)
会計監査院レポート;

今の日本では、仕事を創っても労働者がいないのだ。ベースの人材が足りなければ、いくら掛け声をかけても、就労人口がたりず第3の矢は働かない。
嘘だというなら、日本のスポーツ界で働く外国人を一時停止できますか?
相撲、野球、サッカー、ラグビー、監督
(東日本大震災の復興入札不調

勝つためには必要なら、経済界はなぜ人を入れないのか。モデル的な小工場を作り
アジアの人材を日本語でも育成してはどうかと思う。

売り上げを毎年5%上げるには、雇用(就労者)を5%増やすしかないのです。子供は成長するのに20年以上掛かるのです。それには外国人をいれるしかない。   

海外の工場の人件費は海外の労働者が日本人を置き換えているのを忘れているのだ。  労賃により自動化率は違うだろうが、海外投資の利益でかろうじて、製造業は今日がある。
  
就労人口とGDPの関係はないという説もあるが、それを薄めさせてきたのは円ドルの為替レート(右図)と、海外投資利益を含たGDPと比較しているのだ。



丁度そのころ、自動車は米国へ工場を開き、家電のテレビ他は、こぞって中国で置き換えた。
殊に1985~6年の円の切り上げのバブルが生じ90年代のGDPは大きなブレーキがかかった。ここで、金融関係をIT化させ銀行の統合が行われ、その後に住宅業界が整理された。

現在も進行中だが、要介護な高齢者の人口に比較して、入居者10人当たりに1人の介護師という規則ではムリで、圧倒的に(5万人くらい)介護師不足するのは分かっていた。そこで建築業の関係者がセンター造りに参加した。

それでも、外国人の介護師をうけいれる手続きで、介護の仕事では使いもしない難かしい漢字テストをしていると、メディアでも取り上げられた。民間で国の行政の代行を引き受けたら、介護部門の仕事を、本社の人事部が妨害しているようなものか。小選挙区をもちこまれた政治の混乱に乗じてか、選挙にゆけない要介護よりは、米中への投資という優先政策があったのだろうか。建物は幾らでも造れても人材は不足しているから箱モノだけでは解決できない。

2011年の大震災での被災で世界の同情も集まり、また政府のデフレ脱却の努力もあり、120円台まで戻したことで、製造業は1息ついたと感じている。

今後については独断を恐れず申せば、労働力寄与度が足りなくても人材を補充しないなら、R&Dで開発するしかない。GDPにその結果がでるのに時間が掛かるなら、リスクヘッジしてのファイナンスを海外でもおこなう事だろうと思う。つまり高速電車を売るだけでなく、高速鉄道事業そのものに参画するか融資して、担保を何に求めるかの工夫であろう三菱総研中長展望2014)。
中国が資本も持っているし、大幅に過剰な鉄鋼の在庫をかかえているから、競争しても勝てないと思い込んでいるかもしれないが、受注して完工しなかった工事事例を集めたら、あきれるほど
多数に上っていると云われる。

予断だが中国との契約は、こちらが求めたことは契約に規定できても、約束違反や不履行は平気でやる。その場合、どう強制的に履行させるかという面が1番の難関のはずである。台湾の業者がM&Aを進めているようだが、結局みんな中国が技術を吸い上げたら日本に何が残るかが心配だ。中国や韓国には先進国の契約概念が欠けているのだ。

他方で無理もないことだが、自治体職員は職務上は市町村の外で活動できないから、いかに被災地の失った住民を帰還させるかで頭が一杯のようだ。ところが戻ってこれない人達はすでに他の場所での職につき、子供は通学している現実がある。
職の選択肢の少ない小さな町村で、戻る各人に合った職や、学校を用意するのは不可能に近い。個々の住民のための職探しなど、あるものの中で探すのでは解決せず、町村のボーダーをこえた広域な需給の視点からの役割の創設が求められている。
      
復興工事が町村のそとにあるなら、そういう短期就労者が居住しやすい食住環境を、仮設でも用意するのも重要な仕事(雇用)である。往復バスは複数の町村で共同運営すればよい。つまり3年の短期でなく10年以内の臨時復興の需要に合わせた設営を、県と町村が応じられる体制にしないと、町村は人材を中堅都市に吸い上げられて衰退する。

それでも、人口がトータルで減っている県は、必要な労働者や介護師、診療所員、民生委員などの就業者が町村単位でみればゼンゼン不足しているのだ。逆にいえば、お隣同士の支えあいの社会は、間の人間が欠けると崩壊するのだ。

外国人なしでは復興の先がみえない

ということで、複数の町村掛け持ちの仕事をする人材が必要である。
これにも外国人をいれるには日本語で教育するしかないが、県単位で、最低限度の日本語の教育、生活の上でのマナー、刑法での遵守事項などを教える組織や機関を用意する必要がある。災害に備えて今から始めてはどうだろう。(3年でテストして、パスしなければビザの更新しないと予め了解させておく。目標があれば頑張るだろう。言葉が通じれば孤独な疎外感が和らぐだろう。)(東日本大震災の復興入札不調

外国人が入ってくると国内行政でも関与する機能(例えば英語のわかる警察官は広域で携帯で対応する)が増える。命令系統問いう発想とはべつの広報系統か。
機能だけは広域担当として割り勘で負担するか、NPOで吸収することだろう。介護師に日本語を教える学校などは、複数の県や自治体の下で全国に分散することで、新たな仕事を創設できるだろう

民間企業でも企業誘致ができない理由であり、海外にでてグローバル化で過去30年以上も変身に苦労している課題である。組織の垣根をこえて、他部門との協働でのしごとを進める能力や経験をもつ人材の育成が追いついていない理由である

こうした目に見えない障壁をのりこえるには、目標とする決定期日をきめ、諸部門の協力を求めうる柔軟な制度を作ることが求められている。それは県と市町村でもハッキリしてきたのだ。逆ピラミッドで考えると分かりやすいプロジェクトである。

何でも日本人がやるだけの人手はなく自前では解決しない

インターンでやってくる学生に必ず話したいと思うことの1つは、外国人が使える人になれというより、外国人とチームで仕事ができる人間になれということ。
変に威張ったり、怒鳴ったりする人が多いのは、言葉が伝わらないことが原因であるケースが多い。チームでは自分のやっていることを、分からぬ相手に説明できる必要がある。
チームで働く条件を理解することだ

日本企業の殆どで実に勿体ないなと感じるのは、海外での日系人の活動の限界であろう。海外の独立法人でいえるが、例外はあるが、殆どは全く独立していない。
つまり、現地法人での決定は、日常業務にかかわることは任せているが(主として売買、集金、帳簿つけ)、あとはすべて本社が決定に関与するか、何もしない営業所あつかい。
規模にもよるが、殆どは日本での課長職までの範囲での業務である。

だから、3年から5年で交替しても支障がおこらない。これは日本に居る人の都合である。要するに在庫管理と同じようなプロセスで、回転に支障がおきない人事制度がベストという考えで行われている。それがどういう問題があるか。

1つは現地の米国人経営者が相手にしてくれる人材に成長するまでに2交替も3交替もする時間が要り、短期で用がたりるレベルの仕事しかできない結果になる。文化の違いも歴史も分からないのでは、1流人と話し合える素養がないとみなされる。
  2つ目は子供が3年間だけ通い、帰国してから苦労させるよりは、単身赴任ですまし、じっくり現地に腰をすえた友好関係を築きにくい。そのような贅沢なというか無駄な育成している程のゆとりは、今の日本にはないようにみえる。
  
子供に英語を教えるために留学させている。家族で赴任すれば、子供の留学費は掛からないという発想が欠けている。ならばインターンに出す補助金を、海外派遣社員の家族の教育支援にだしても同じだ。国内に戻ってきたとき、少しレベルの高い職につけば、所得税もスライドして増えるはずだ。  

 3つ目は、海外での経営者としての経験がない中級の管理職では、グローバル企業が運営に苦労する時代が来ているのではないか。            

ある銀行さんの話し。1月23・24日に日米同時期の豪雪がおこったが、現地人従業員は早退させ、日本人だけ近くのホテルに泊り込み、翌朝はタクシーか徒歩出勤だという。<何だこれは40年まえとちっとも変わっていないではないか>という話しである。だがこんなことをさせるのまで本社のご意向で動くべきかという部分と、決まりきった日常部分の業務は現地の米人任せでよいのではないかという疑問である。
何が問題なのかと云えば、国も大企業も、形は国際化してきてはいるが、やっている事の
なかみは40年殆ど変わらない点である。

だから、全米に何千もの日系企業がありながら、その中で、本当に地元の米国企業人と語りあい、商工会や日米協会などで意見を交換している人達は、1部にかぎられている。企業よりの人は協会の中で共和党の米人と、消費者よりの人は民主党系の会員と昼食くらい食べても、取って喰われることはない。外国での政治には全く関与させず、できるだけモノをつくり販売するだけなら、これで済んだ。

ところが、慰安婦の例に見るような捏造などが放置された結果、他国の攻撃などにさらされ、現地の自治体への日系企業の影響度が損なわれた。これに対抗するには現地の住民(消費地)への日系企業の貢献のPRを忘れてはならないのだ。
結果として大きく歪められた不利な判決がなされると、現地従業員にも日本人にも肩身のせまい、生活環境も楽しみの少ない赴任になる。
結局は短期駐在員派遣でまわす政策では、交代要員も不足する時代には、海外駐在も嫌がられることになり、早晩ゆきずまるのが目に見えているのだ。

予断だが、インドネシアの高速鉄道のプロジェクトを中国に盗られたと腹を立てている。
これなどは、契約の見落としというより、事前の土質調査や路線の決定までの計測などの(1)仕事を有償にしておいて、延払いで払わせるようになっていない。
(2)路線の工事
(3)車両や路線の電気系も切り離して、それぞれ幾らとして、一括ならいくらまで安くしますという形なら、無償で盗られたと腹立てることは防げた。更にいえば、(1)を少し高めにして、(2)と(3)も受注できれば安くできる。つまり、輸出は相手の必要とする金融でのリスクをどうヘッジして、利益をあげる方向に舵をとれば、米国並みの利益までゆかなくても、2~3%のプラスの利益が期待できるのではないか。
(内 外 経 済 の中 長 期 展 望 2014-2030 年 度株式会社三菱総合研究所 政策・経済研究センタ)

物を売る相手が金が無ければ路線の運営会社の乗車賃、駅の商業権なども含めて、延払いにする事業投資として提案する方法もある。外国人との取引になれれば、騙されることを防ぐ方法はある。

最適な会社のサイズと寿命とは違った話
よく引き合いに出される日本最古の企業の1つとして宮大工をしている1千年以上の会社がある。金剛組、創業578年というから1400年の技能伝達をできている組織である。(金剛組 - Wikipedia - ウィキペディア)とんでもない長寿の組織で大した物だが、それで飯の食える人数はごく限られている。千人の会社が千年生き延びる例はない。
天変地異の先行きが不透明な時代は、恐竜よりは、体の小さな動物の方が集団では長寿か
もしれない。それに1400年前の神社仏閣が存続することが条件で、無い地域では、新
たな産業を考えねばなるまい。

行政は縄張りがあるので、変更は政治的で決められない場合は、市町村を超えた広域のNPOでサービスを提供し、利用率で割り勘にする方が、分担がし易いようだ。

     移動・送迎;人の移動手段として、車を使うことが欠かせない時代には車は欠かせないし、今後も長続きするに違いない。だが高齢者が移動する場合は余り急がないでよい。鉄道の駅、スーパー、コンビニ、本屋、スポーツジム、居酒屋、診療所、役所の8ヵ所くらいへ、ボタン1つで自動運送する安価でスローな車も良いだろう。長野のようなところなら、山を削った丘に住みロープウエーでの上下も良い環境になる。
     集団の規模;ある程度の事務所や大工場が必要なのは、大量生産、いや大量組み立てが、既存の工場の拡張という自己中心ではなくなり、必要かつ競争力をもてる規模であればよい。工場にせよ事務所にせよ、最適なサイズを経済性で考えれば、都市である必要はない。
     輸送費の経済;工場ではモノの重量は容量で鉄道+海運なのか、トラック+空輸などが決まる。事務所の場合は、情報の収集、加工(選別、分析、戦略、資料などの製作)ディジタル発信、紙での郵送、などにより可変な柔軟性が求められる。2週間の時間がゆるせば、陸上トラックで100キロの輸送費よりは太平洋を横断するほうがやすいのだ。
長寿がめでたいのは介護サービスの分野だが、そこに従事する介護会社も長寿であってほしいが、大規模よりは小じんまりした規模で、心が届くことを期待したい。

提案;短期出稼ぎ経営はやめ、中長期に変えよう

では地元の米人と永くつきあい、現地の小中学校にでかけて意見をいい、なにか起ったら米人(地元の人)が助けてくれるような関係をどう作るか。それには、失敗をおそれず現地のことは現地に派遣した責任者に一切をまかせることである。

(最近の日本の大企業の例にもみるように、本社が東京の中心部にあっても利益の先食い操作なども何年か行われていたなら、確率的にも海外でも発生比率は変わらなくて構わないのではないか。利益を先送りして部分脱税した話しはよく聞くが、良く見せようとして、金額を膨らませ先払いしているのだから、株主は怒っても仕方があるまい。
誤解してもらってもこまるが、利益の先送りをやろうと主張している訳ではない。)

もう1つは、長く現地で家族ぐるみで滞在を希望する人に対しては、つまり現地尺度で有能な社員には役員会での投票権のない株式(non voting stock)をもてるようにして、現地法人の株主になれる制度を認める時期ではないか。

取締役会のメンバーでなければ役員会には出席はできないから、年功序列ではない海外では結果を評価すれば、長期勤務が巾をきかせる心配はない。できる人間に永く働いて貰いたいばあい、本人の忠誠心に期待するより、利をもって人は動かすととであろう。それに拡散が生き残りには欠かせない。
               
予め簿価の0.01~0.5%とかを購入所有し、退職するときはその時点での残存簿価x比率で買い戻す制度を作るのである。簿価が増える経営ができれば、会社は発展するのだ。さすれば、現地に骨をうずめても良いという社員がふえ、現地に大きな日本人の人材ネットが築けると考える。但し、在庫をむやみに増やすのを防止するため、残存簿価に組み入れるのは業界の平均在庫率までという適正在庫の特例はつくる必要があるという意見は聞いたことがある。




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