2016年8月10日水曜日

16028 天皇陛下のお言葉と中国の領海侵略と(1)

16028-追記

天皇陛下のお言葉と中国の領海侵略と(1)


8月8日に天皇陛下が談話を公開された。国民に直接語りかける形をとられたのは、ご自身の進退に関することだが、憲法上は規定がなく、宮内庁では正式な手続き方法はないという理由からであるようだ。

宮内庁の山本信一郎次長は13日夜、同庁内で記者団に対し「陛下が『生前退位』について宮内庁関係者に伝えられたという事実は一切ない。公的な立場にある陛下が皇室制度について(周囲に)発言されるということはない」と否定した」(2016年7月14日付日本経済新聞より)。非公式には5年前からそのご意見であるという。
(生前退位という言葉は譲位であるべきだとの青山繁治氏の異論がある。自分で進退をできない憲法があるから、憲法問題に意見をのべないというお考えも感じられた。)

憲法上の規定された範囲でない場合    

今回の天皇のご意向による談話は、外国人にも分かりやすく言えば、「高齢化して疲れたから辞めさせてもらう」ということで、どこの王室でもやっていることだろう。これは憲法に規定されていないから出来ないという人がいるが、これもおかしい。人間天皇であるという宣言にも聞こえた。

ご自身は象徴としての職務を全うすることが難しくなってきたと感じるとき辞められないとしたら、だれが判断するのか。やはりご本人が判断するか、国民の代表者あるいはその代理人であろう。だが、国民のもつ広すぎるほどの自由と人権に該当する個人の生きる権利の部分が欠けた人があってよいものか。そのような憲法に生前退位の規定がないからできないといえるのか。自己矛盾した憲法だという例として覚えておいて欲しいのです

かなり窮屈で縛られた生活の中、誠心誠意お勤めを果たしてこられた方のお言葉である。象徴を行動にすれば何かを実行し示されたのだ。その意にかなう変更をして欲しいと思う。終戦70年で新たな時代が始まったなら、「憲法を変えさせない」という反対だけで、政治家が勤まる時代は終わったのだ。相手の意向を憶測するだけで、何もせずにすむ話では国の体を失わないか。

隣国が日本の領土を侵入した場合

すでに中国は念入りなステップで、2010年8月に(偽装)漁船で海上保安庁の船に意図的に突っ込んできたのは前政党の時代である。このビデオ録画を公開せず秘匿したことで、リークの問題がおこり政権が交代したのは記憶に新しい。 (https://www.youtube.com/watch?v=MHdsb_ID8UU)(https://www.youtube.com/watch?v=-Xw1sQ35lW8)
(録画記録はユーチューブに日付と場所を特定するGPSの場所表示がないのが不完全な記録で残念だが、衛生情報まで使わずともドローンでも難しいことではあるまい。また相手が時間経過にともない、一部を削除したり、変造されてゆく過程を記録し公開してゆけば抑止になり、AI技術で簡単に予防策も可能である。)

ついに周辺海域から、しかも漁船でなく中国の巡視船が16年8月8日領海に侵入するところまで、徐々にランクをあげてきて、日本側の反応を観察している事態になった。
こちらは憲法の9条1、2項の(国権の発動たる戦争と、武力による威嚇または武力の行使、国際紛争の解決手段)の目的のために戦力は保持しない。(国の交戦権は、これを認めない) ただし自衛や正当防衛には、武力をもち、使えるという解釈になっているはずだ。

規定がないからやれないのではなく、それを遵守していては防衛ができないから56年間憲法解釈をまげ自衛してきたといえる。その意味では、近隣国は日本が新解釈でどう行動するかをテストしにきたのだから、抗議の言葉だけで放置せず、ドンドン空中撮影をして公開し。近隣諸国や国連へ抗議できる姿勢がとれたのは前進だが、防衛行動に移さないと守ることにならない。
(領海の境にはブイを浮かべて場所を表示する番号を示せば、ただ海上というよりは明確にできる(ボートレースの大仕掛けのように)。

すでに230隻の武装魚船が入り込み、そこでの行動を敵の海警船が見張るというシナリオか知らぬが、すでに2ヶ月まえから無為だったことで、なしくずしに無為をつづけるなら、戦時状況がエスカレートするリスクが高まるように見える。相手もその内、軍を止めようがなくなるのではないか。やめる理由がないから、こちらから作る必要はないのだろうか。

自国の領海内での他国軍船の行動は、「ここまで!」と遠慮なく拿捕すべきであろう。侵入国だけでなく、同盟国もどれ程の守る意思があるかを注視している筈だし、弱腰だけではますます増長される結果となるのだhttps://www.youtube.com/watch?v=sqLsnmBin3E) 
(なにが起こっているか承知して、「助けてくれ」と叫ばない知事は、どういう立場で見ているのだろうか。沖縄は鹿児島県に吸収してはどうか。) 
 
憲法は無視され続けてよいか 

このように考えると、規定がないからやれませんという場合と、あってもやりませんということで、国論を分断する現象がみえる。つまり、そのような憲法はあってもなくても現実に対応や行動は法律に基づくのだということなら、(英国のように)憲法などなくてもよいという議論も現れている。
同盟国米国共和党のトランプ氏は、100%費用負担しない軍の派遣はしないという主張であり、これも現実を理解する度合いに合わせて変化するのだろう。

いずれにせよ、国の予算で支出するには守っておいたほうが自国に有利なら守ろうというのが現実だとすれば、100%他国頼りの国防などありえない。今ある憲法を生かすなら、どんどん改定したらよいが、それも間に合わないで机上の空論ばかりしているうちに、他国の領地にされる可能性が増えている。

陛下は談話の発表が原爆が投下され降伏に至った前後の8日を選ばれたが、中国の侵略日にも重なり、政府が自国を守ることを考える時期がきていると、陛下はおことばに出さず仰っておられるような気がした。
日本はただの象徴では足りず、体力いじょうに気力が要求された敗戦宣言のようなお言葉が求められる国だと身にしみておられ、ご心配されているのかも知れない。
米国の大統領が広島を訪問し、天皇陛下が退位されることになれば、戦後70年のシンボルの年であり、日本もきちっと自立するのだという政策と行動で示す時期が来ているのだろう。


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