230731-602(改1)
米中の貿易摩擦は半導体の争奪;
段階的デカップリングは不可欠 ( 6月2日、2023)
「中国への進出は砂上の楼閣の努力だ」と米国人研究者との朝食会で議論
日本の場合は80年代に「買うモノがありません」とか、「東京の土地代で米国の全部が買える」と、平時は謙虚な日本人が、傲慢さで米国の激怒を招いていた時期もあった。 この失言もあってだろうか、ならば「先進国のクラブ・G5に入れ。為替のドル円を半額の120~30円までに修正してもらう」と引き込まれたと読んだ。90年代はバブルの破裂で、その穴埋めか、「半導体は韓国台湾に渡す」ともぎとらた。円高は進み本当に輸出する事が難しくなり、自動車も米国で造れといわれ、米国に移した産業も多かった。
日本も競争上で労賃が安いからと家電品ほかは、中国に生産を移転し、自動車は米国で製造をと要求された。日本も苦難の中で頑張ったが、90年代からの20年は自国の産業・GDPはへり、金融業は再編させられ、さらに米国は半導体まで韓国や台湾へ移り非常に苦しかった。
一番賢く立ち回ったのは中国で、半導体もパソコンからスマホまで、アップル品の輸出など、玉突きの様に米国は自動車他を中国に移し、出来た製品を輸入して貿易収支が赤字となった米国のケースが典型です。今世紀に入り中国への進出は、外国通貨は国内の使用はできぬが、ドルの口座は輸入品の支払いのために、また現地での支払い用の人民元口座にと2通貨管理をしてクッションを設けていた。大手メーカを優先進出させ、中国国内でも国民の都市戸籍も2重にして段差をもうけ、1種の2通貨制で外国の投資額も管理していたと感じた。
これがうまく機能したのだろうが、2008年のリーマンショックの大不況での景気刺激でうまく処理したのだろうが、気づいたときは最初に立ち直ったのは中国だといわれる結果となった。輸出で稼いでドルをため、国防他で攻撃的な国に代わり、行きすぎてギスギスし安全保障上の問題となった。エネルギー資源の変化、人的交流を妨げる障壁を加えて9段線の海上障壁迄つくる侵略国家化していたのだ。最近の3名以上の自国民が働く外国の職場での組合権の主張(相手国の主権無視という雇用契約の自由も無視)これらの傲慢さで、自国の衰退の始まりと知れと祈りを込めている。外国工場の国内稼働の完了を見て設備の持ち出しを妨げ、勝手に人質をとる、自由貿易国の国際法を無視するなどです。イーロンマスク氏の中国での米国以上の製造を成功したと聞き、マスク氏には申し訳ないが、輸出先で覇者になり母国の製造量より大量に逆輸出すれば傲慢が始まったと受け取られ、侵略戦争のリスクが高まると警告したいのだ。
半導体の素材の製造や高低材料でも、米国を中心に日本、オランダ、台湾、韓国の5国で設計・製造・加工装置を完成でき、パワー半導体も入れるとソフトでも米日韓欧が主力であるのは僥倖か。20年からのCovid-19パンデミックで流通網が混乱し、半導体の複雑な設計・工程調整・製造、殊に前工程の巨額投資の共有の難しさに、サプライチェーンに脆弱が見えた。異常な洗浄の必要さなど、100程のステップだ。文系の素人には10冊それ系の本でも分かりにくい。(米国で似た技術でホログラムの原盤ずくりを経験した私でも、理解が難しくコンデンサー(キャパシタ)蓄電池と、脳・神経とメモリ・基盤などとの相違まで苦労しても無駄ではない「技術の新世界に触れられるよ」と申したい。)
半導体はメーカの問題と考えがちだが、調べるほどデジタルの作業分類そのものではないかと感じてくる。事務データ処理・情報・通信・電気系制御などの総てに関連することが見える化され、使う用語の範囲も明確になれば、ごかいも減り業種間での契約も平準化される気がする。20 22年ウクライナ戦争で、武器用途への半導体の防衛・安保も宇宙衛星の規制も加わり、対中国への取引の規制が始まり強化されている。(表;ジェトロ;基礎資料は米商務、・グローバル・トレード・アトラス;ネットご参照。)
(1)米中貿易の推移;2017~2021年の5年間の変化は下記通りである。(ビリオンUS$単位) 輸入額 2017年; $505.17、2018;538.51、2019;450.76、20;434.75、21;506.37円 輸出額 2017年; $129.99、2018;120,28、2019;106,45、20;124,49、21;151.07円 (輸入超)2017年:∸$375.17、2018:∸418.23、19:∸344.31、20;∸310.23、21:∸355.30
コロナ禍の米国の輸入超過は、2021年単年度では米国は506.37ビリオンドル、中国の米国からの輸入額は151.07ビリオンドルで、約355ビリオンドル=46兆円の極端な米国の輸入超過が続き始めている(130円/$換算)。
主要輸入品; 自動車26%、一般機械パソコン23%、電気機器18% 主要輸出品; 電気機器41%、一般機械(半導体製造機・事務機部品)14%、 (7割は集積回路に関連している)
(2)米国の対中貿易のバランスの為に輸出入管理を制度かする
米国の輸入が輸出を超過する金額分を中国側に輸入の増額を迫るが、実行されず、赤字が横ばいである。中国側には、自国の都合だけで思考する傾向があり、これを是正する必要がある。半世紀前だがUS商務省の入り口に刻まれた警句を思い返して欲しい。1970年代、早い時期に アメリカの商務省の玄関ドアの上部に「 すべての貿易は公正かつ衡平(すべての貿易は公正かつ衡平でなければならない)でなければならない」という声明を示していたが、世界のビーコンであり、これはまだ有効であることを願っています。
自由貿易は国際ルールに基づくものとし、米国の輸入先を共通価値観の自由民主主義グループの他国のメーカに移転でき、米中の年間輸出入がバランスできれば、米国の対中国への年間累計輸出入が均衡し、輸入累計額で満たされる。
為替の変動幅の日本円レートは360から71年308円、85年プラザ合意で250円前後から125円/$に切り上げ、モノづくりの日本は結局、米国で造るしかなかった(人民元ではそれ程に切り上げない?)、香港ドルのデジタルの幽霊通貨はここで触れずに置こう。
(3)ソフトに弱く情報データのプロも少ない点は急ぎ改善を求められている;
米国の様に中国に輸出したいからと製造を移せば、買うモノがないから自社製品を買って貿易赤字が巨額となるのもこまる。一度に現在の米国の対中輸出額まで、35兆円前後の輸入額を削るなら、関係企業への影響は大きく、また新たな生産者での生産調整も困難を予想され、数か国・数か所に分散し、2~3年間で段階的に行なう必要もあろう。
パソコンもスマホもデータ・情報産業も英語ベースは変わらず、ようやく日本語でのデジタル化も英語圏・G7が中心である。世界のデータも英語化して、90年代から3 3年の今でもGDPまでデジタル化しないと、半導体関連での製作序列は上がらないと気づく。 そこで米国側の対中国輸出の総額を上限とし、その+-5%を米国の輸入額の上限とする強い要望となるのだが、米国は対中輸入許可制度を設けることになるのだろう。
なぜ英語、いやアルファベットなのかという疑問はあった。だが、漢字をまぜれば途端に2~3千の文字がふえる。音楽や芸術などの文化は別としても、遺伝子のDNAのアミノ酸20種でもAUGCの4字だけの異物を混ぜねばあとが大変になる。ソフトを全部日本語やその他のアルファベットで置き換えた国はない(と理解している)。 結局、自国の発見や発明より、使用する外国の仲間の人口の方が圧倒的だと納得するのだ。他国の人が不愉快な、不公平さを感じない人間レベルの出来が良ければだと気づく。アジア・欧州ほかに拡大でき、インド・アフリカ・南米も参加しうると考えられる。
中国の国防費の増額がアジア全域への最大の脅威になっており、米側が貿易赤字額分で(ドルを払いすぎ)中国に融資を続けられぬ(はず)と主張をして欲しいのである。
(4)半導体・デジタル化の技術を和平の為に活用する
米国で開発され始まった半導体やその製造装置が輸出され、日蘭が加わり、また半導体を使った家電品、PC、ファクシミリなどの事務器から通信機、MS・アップル社を始めとするスマホ、ゲーム・アニメなどエンタメ機器などで単価を下げるため台湾、韓国に拡大し半導体・基盤・完成品が米国への逆輸入がアンバランスに巨額な貿易となった。
完成品を輸入する際に、1時的に品質が下がるリスクを覚悟してでも、友好国で基本的価値(表現の自由を始め、「原則自由で移動の自由」ほかの「人権は法により守られ、民主主義、(法の支配)法律統治に基づく、三権分立の制度の共有国」、国防面では「武力による現状を変更しない国」に移す努力は厳しくなろう。
デジタル化の変化は苦痛も伴う故に、時間をかけて透明性を保ち、情報の自動化と技術移転とを社会の効率化に役立て、GDPの成長と賢明な分配と金融や投資にまわす必要がある。その為にも国内を分断するような行き過ぎた党派対立は、互いに透明性の拡大で牽制する必要もある。マイノリティーの活気づけには、少数民族の里帰りを助けることも、役立つであろう。戻った国々で尊重されるエチケットやマナーを備えられるならであるが。
半導体が民主主義と法治の制度を守ってくれた
「半導体は簡単に分離できないという技術論」や、「政治的民主主義対専制主義のデカップリングは不可能だ」と欧米から主張された。 日本は半導体の生産では、1992年米国に次ぐ2位から、93年のバブル後の不況で、94年4位、97年17位、02年30位へと、アジア通貨危機(97年)の前後より半導体投資・金融証券の自動化も遅れGDPの世界ランクを下げGDP成長を失った。
台湾の大陸からの統合を防ぎ、自己防衛を増強しながら、2020年コロナ後の半導体の再度成長への投資を決めている。これはアジアでの複数拠点が米欧のためにも、アセアン、アフリカ、南米、中露にも不可欠との考えによる。
中国への製造投資は、真っ先に米国が取り戻し、インド、日韓他への分散・移転を始めたが、早くも台湾と中国の2つの帽子を持つ経営者が、インド人を混乱させつつ、中国の国益のため活動していると聞こえてくる。米国が自国の輸入するモノは生産のプロセスをよくインド人に伝授して、混乱させぬ必要がある。(Remarks;本文参考資料下;ジェトロ5月25日地元報)
バランス調整は、「オマハのオラクル」が投資したと報道された日本商社グループも資源開拓で有名だが、人材面でも寄与するであろう。長期の視野で製造国の移転の為のレベルアップを含め、民間企業の規模としては巨額であり、正確性も求められるため、永年の信用力と安定性を保ち、薄利で実行が可能な機能が求められるからである。 民間企業間で始められる場合も、非民主な専制国々には余剰のドルを与えぬことである。更なる戦争をアジアに起こさせぬ為、全額40兆円の内、数パーセントは非戦時の防衛と、安定した貿易の管理のための機構を創り維持できれば、高すぎない費用であろう。 了
参考資料;(Template
(doc.gov) (2021年の米中貿易、輸出入額ともに過去最高、半導体の輸入も増加 | 地域・分析レポート - 海外ビジネス情報 - ジェトロ (jetro.go.jp)米中の輸出入は米国商務省データによる。
(Remarks; ジェトロ;「地元メディアは課題を指摘」5月24日;英国系鉱業・天然資源大手 ベダンタ・グループと、台湾系の電子機器受託生産(EMS)、世界最大手の鴻海(ホンハイ)精 密工業傘下のF社との合弁会社Vedanta Foxconn Semiconductors Limited(VFSL) が、「インド初の半導体製造事業」 (「進化する覇権戦争」p091;War By Other Means by Robert D. Blackwill and Jennifer Harris)
半導体:“前工程”と“後工程”の違い
また、「デカン・ヘラルド」紙(4月13日付)は、インドでは、いわゆる「後工程」といわれる他社製の半導体チップを最終製品に組み立てることと、半導体製造の主要工程である「前工程」と言われる半導体チップ製造の違いを知らずに、「F社を“半導体の巨人”と呼ぶ人がいる」として、F社は半導体製造への参入を望んでいるが、難易度の高い前工程を含めた半導体製造における技術や実績がない点を指摘する声がこれまでにも多くあった、と述べている。
仮にF社が半導体製造に見合った技術を有していないとすれば、ベダンタ社は「生産グレードのライセンス技術」の条件を満たすために大きな課題を抱えることになり、F社が投資額の40%の株式を取得予定であるのは見合わない、と指摘。また、インド政府の巨額のインセンティブが、果たして当初の目的に沿った案件に活用されるのか、との懸念を示す、厳しい論調となっている。(これは日本にとっても役立つ思考である) (中国人の言行不一致は100年前から変わらないから、約束を破ったりできると言ってできなかったりの(東南アジアの鉄道工事の例)今日米が中国で造っているものは、組み立てや加工位はできても、設計から始める知恵は無いと思う。
アジア・欧米法令・判例集のネット化
国際法のルールを遵守する気が無い政党(判決文をゴミ呼ばわりをして、自国が契約や法を認めないことを暴露した国では、アジアでの法の支配も契約の遵守も放棄する訳に行かないと考える国々は、TPPへの参加を呼びかけ、アジアの商習慣が違う場合は、日本がインド他とリーダ的な役割を果たして欲しいと思う。 少なくとも中国での日本人駐在員の体験したサギの事例や騙された事例を、出来るだけ集めて、今後騙されない判断材料集を造ってはとおもう。
追加参考資料;
- 1)北海道では最北の防衛基地の周辺の土地も買い占められたという報道もあり、「外国人・外国企業」の不動産取得は相互主義による」という追加条件を議員立法が可能であろう。23年4月9日の地方選挙で与党支持が5割を超え、野党の反対を拒絶しても問題は少ないと感じられる。(台湾の法律はどうか知らぬが、中国は土地が買えないから台湾止まりになるか、全体が無効化できる。
- 2)最近も根拠法も示さず、裁判権も無く日本人の中国在住者がスパイ容疑で拘留された。こうした法治国家に至らぬ国に10万を超す日本人が滞在するなら、日本も国内に在住する中国人を拘留し交換できる法律を作り実行する要求が高まっており、実行に至るようにと期待されている。外務省を法的に力を持てるようにしないと、どうにもならないと感じるのだ。
- 3)現在日本領土、領海あるいはEEZ内での領海侵入は頻繁であり、周辺国との友好のネットワークの構築や、共同演習も器用国とは順次行われており、次第にウクライナの戦争が身近な脅威と実感する市民も増えつつある。
- 4)危惧される動きはスーダンの内紛で、ハルツームには武器工場が中国の指導で3か所に造られたという記述もあり(注;本文末)地政学的にウ安定な南米に飛び火する可能性もある。この武器工場はオイル・ガスのパイプラインの防御の為と説明されていると聞くが、ミャンマーを縦断するパイプラインも含むのか、他への用途があるのではと危惧される。
- 中国との貿易は問題も多く、CDの大量不法コピー、毒入り餃子、メラミン入り粉乳など、加害・悪意で始まっており、基本にダマシが見えたから、信用するに時間がかかるのだ。フィリピン沖に人工群島の建設着手も、「この公海を利用する国々のため」という報道があったが、いまは自国の内海にとの意図が主張されている。(「進化する覇権戦争」p091;War
By Other Means by Robert D. Blackwill and Jennifer Harris)
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