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日本の低迷は改善できる;
ジェンダ―ギャップの解決索の参考に
アファーマティブ・アクション (女性のやる気が上がり、GDPが上がる分だけ、国民の誇りも高まる)
若い人達は知らぬ人も多いが、経済の大きな波は10年あまりで波があります。いま50代の役員職は30年前に就職したばかりでバブル・バーストで金融証券の大規模リストラをご存じのはずです。陰で、世界シェアの90%断トツから金融再編の波と重なり、10年がかりで1ケタ台に落ち込んだ半導体産業、つられて製造・技術が、韓国・台湾経由で中国に移って苦しい目にあった。「Japan as No.1」のしっぺ返しというには酷すぎた。さらに米国は2008~9年米国の株式はリーマンショック。
ジェンダーギャップ(JG)とアファーマティブ・アクション(略AA)
移民が日本語を覚えるには時間もかかるので、パート女性の賃金や残業の壁を取り除き、中小企業でも使えるようにとするなら、外国人実習生も楽にしてあげ、シンプルにした方が、犯罪防止にも寄与するのではないか。賃上げ、インフレ率、為替が円安ではデフレ脱出に舵をきっていけるか本当にわかりにくい。
男女が同一労働・同一賃金が一番正しい政策となり、G7が付き合ってくれるやり方なので、外国人就労者で、英語に次いで日本語もという人材もふえて、人材不足ですからタイミングとしてもマッチしそうです。コンビニまでフロントを無人化する方向で、首都郊外にも都心からの流出もふえ、全国がバランスすれば、文化度も上がり、犯罪者も減らせるか? 野生動物は「かわいい」だけでなく、人里は危険と感じさせ、猛暑を避け山に戻す工夫も要りそうです。
女性の賃金を安く抑える男女差の維持は止めるべき
主題の問題は男女間にエンジニアの雇用人数に極端な差がある国での特殊な問題である。先進国のGDPの成長比較では後退を続ける原因なのだ。(多数の論文を纏められた高野雅典氏の資料により、編者が更に半分に要約してみた。(参考;「アファーマティブ・アクション」南川文則著)
既に20~30年前から世界に大差を付けられているのは、理系というより数学・デジタル系の情報・通信が上位10国の半分以下37位で、技術系・エンジニア数でも中位以下であることが、時間のかかる課題といえる。 これは高校・大学の受け容れ比率で、男女のバランスをと女性の数を削り、男性を入学させる無理をしていた教育部門、GDPでも世界の中位まで落としてきた半導体をわすれて、現在急回復中だがソフト・設計の教師がたりず、苦しむ時期が続いてきた。
日本を追い抜いたとされる韓国が、日本に付き合い最下位の2国となっている統計項目の理系のジェンダーギャップ。原因は人口減少と男性比率に違いないだろう感じる。対策には米国の前例アファーマティブ・アクションが日韓の急務なのだ。
公平さが欠ける(差別の)現状の改善策として、
➀ 先ずは両少数ジェンダーの雇用・昇進を40%以上とし、 ② 面接でも、面接者名・性別明記を条件とする手続きが存在し ③ 面接官が同性であれば殆ど解決されると考えるのは、楽観すぎかも知れない。
男女同数の雇用を義務化することを早急に検討する
b➀ 目標期間内に達成するように法制化を検討する、 b② 男女間で給与差があると、雇用部門は中途退職・転職・パート補充などで、多めに予算枠をとるため、通常は給与のたかい男性を選びがちになる。
人口が減る中でも人事の習慣は変われないから、面接と専攻条件に男女差を設け ることを通達で禁じ、違反者には罰則儲ける事で、多くが予防・達成できる。
同一賃金を女性にも払えば(子供は託児所・学習塾の費用も払える)GDPは男女で2人分が貢献するし、スーパーのパートのレジの賃金より高い月収になり、スーパーは後進国の移民を雇えばよい。
Oct232023 : Masanori
Takano、エンジニア 調査・文献調査)他を簡易化しました。対抗措置;AAに関するもの(高野雅典氏;国際的情報科学センター) (フォント、短縮は編者)
ジェンダーギャップ(JGと略す)の問題
JGは重要な問題;賛否両論、計算社会科学の領域で研究活動される。;参考文献は [著者名+出版年] 末尾に一覧化しています。現在は多様性とことばを変えたが、底にあるのは階層わけや差別といえるもので、やる気を出した時期もあるが、能力や効用がないと、諦めややる気の喪失になってしまう問題があり、線引きがむつかしい。
ジェンダーギャップが発生する理由
(1)ジェンダーギャップ「性別に基づく違い」。
古い家庭内の性的役割分担(男性は仕事、女性は家事・育児など)、 l 夫婦同姓制度でも女性名字変更。仕事;男性は理系、女性;文系というステレオタイプが続く。男子が育休をする時代、女史エンジニアでも使うべき。 l 類似・同様のギャップの発生;年齢や人種・民族など様々な属性の違いから。 ギャップを固定化する一つの大きな要因は「慣習」です。 l 日本における婚姻;2名の名字をどちらかと択一制度
(2)定義上は男女の取り扱いに違い
ハンディキャップ者と共通点がとして。(受け入れはトイレの仕様変更もする必要ある)、男性名字に変更が殆どである。
l 夫婦同姓の例;女性の働きに煩雑な手続き、キャリア形成に悪影響
一度発生した構造的差別はマイノリティを不利にし、格差をより強固にする。 差別は無意識、合法ながら、通常の慣習で、対処が困難な問題 [Pincus1996]。 「女性エンジニアが少ない」意欲抑制(例 [PISA2018] [Wu2022] [坂田2014])。 エンジニアへのキャリアを選択障害;採用面接に合格の能力獲得が難しく。 個人の能力を性別に関係なく評価」「女性エンジニアになりづらい」環境。 ジェンダーギャップと性差
l 男女差がある。(数値化できる体格や寿命ほか)。性別を理由に採用や選考、配属・昇格・昇給の判断を下すことは男女雇用機会均等法で禁じる(特別な場合を除く) [厚生労働省2023]。 エンジニア職はデスクワークで、身体的な特徴の影響は少ないと思考。
雇用者に非合理、被雇用者には理不尽な取り扱い、不適判断となる。
l
合理性が明確でなく不透明;東京医大で女子受験者を一律減点していた事案などが挙げられます [読売新聞2021]。
l 性別などの属性グループ差も個人間の分散が大きい。性別分類を欠くと、
個人の能力を直接的に評価が適切と誤る。明確に性差ある寿命例で、日本の平均寿命(2019年)男性81歳、女性87歳)と女性が長寿傾向 [佐藤2022] 。90歳以上の高齢者の男性も24%存在する事実 [総務省2012]「90歳以上は女性」と間違える。
l エンジニアを含め多くの職業は特定の1つの能力のみで業務を遂行できない。個々人が様々な能力・方法で複合させて「業務を遂行する能力」を形ち。求められる「業務を遂行する能力」は時代・場所で大きく変わる(インターネット関連の業界では特に)。(個々人を評価は)属性や社会的背景に基づいて適切に判断することは困難であると考えています。
一方で社会的背景・属性に起因する抑圧・機会の損失(構造的差別)は属性に基づく個々人の能力差を生み出す。対策の1つがAAです。
アファーマティブ・アクション(AAと略す)
構造的差別をなくすために、不利益を被っている属性グループに対して一時的な優遇措置をとることをAA(積極的是正措置とか肯定差別)と言う。議員や会社役員の一定割合が女性とする。 前述の構造的差別は社会に(能力と資格と)根付く慣習や偏見により固定化され解消は容易でない。法的強制・ペナルティーなどの力技も必要がある。社会にある女性エンジニアへのバイアスは、その数が増えればバイアスは改善する、
トイレの数の違いも変え、差別と呼べない区分に変える工夫が求められる。
「エンジニア(または理系)は男性」の社会的なバイアスは軽減され、エンジニアを目指す女性がロールモデルを得やすく、数が増えれば開発の現場での制度・ルールや慣行が女性に快適になる。全人口の半数が女性なら、技術レベルは上がる米国との競争も変わる。(ロシアなどはこの分野は男女平等で、70年前から現場は男女が同数の女性と現地指導した技術者からは聞いた。)
アファーマティブ・アクション; 実行上の注意点
AAは男女差別に対抗する重要な手段ですが、いわば力技(ルールの強制・罰則付き)ですので副作用も生じます。AAはこの国内の職人によく説明した上で、先進国に敬遠されぬよう説得する必要があります。
(1)資格と能力; 個々人の能力だけで採用や昇格の判断を避け、対象でない属性グループ(いわゆる女性枠の男性)にとり不公平ではないか?の指摘です。
この問題は公平性を2つに分解することで整理ができる。 それは個人の平等性とグループ公平性です [神嶌2019]。採用場面のジェンダーギャップを上げると、{昇進, 進学, プロジェクト・サイン} 場面や {人種・民族, 学歴} ギャップなども同様。
面接にて性別を全く考慮せず、能力で選考することは個人間で公平と言えます(個人公平性)。社会に存在する女性に対する様々な顕在的・潜在的バイアスにより、女性の理系・工学系への進学や就職活動が抑制や、理工学分野を選考しやすいか面接に合格するための能力獲得が難しくないか。教授も遅れているケースが多い。
個人の能力を性別に関係なく評価し「女性がエンジニアになりづらい」ことに繋がります。個人公平性は達成できても、男女2つのグループ間での公平性(グループ公平性)。両者を同時に達成は数理構造で不可能である [神嶌2019]
社会的状況などで重視するのかを政治的判断として決める必要がある [中西2021]。AAを肯定的差別(差別的状況を改善は一時的に容認する差別)とする。女性の工学を学ぶ機会を抑制していると言えます [Wu2022]。
AAは構造的差別が根付いている現代社会において必要な措置です。だが個々のケースでは不利益を被る人も出る可能性もあり、注意して運用の必要がある。
問題は、優遇措置を受けた個人に対する周囲のネガティブな反応や当人の居心地 の悪さです。女性枠のAAは「女性」などの大雑把な区分で、その意義・メリット ともに不整合やデメリットもあります。
(2)公平性の問題
メリットを享受できる人にも差がある点;例えば、米国での女性のAAは高学歴 ・白人女性が対象となり、黒人女性には恩恵が弱く黒人支援では男性は恩恵を受 けやすく女性は難しい [清水2021]。
「AAの対象になる際の居心地のわるさ」もデメリット・不整合に起因する。 従いAAの運用は理由(構造的差別対策)や透明性、限界(万能ではない)、一時的な措置であることを社会・組織に広く周知・理解してもらうことが、居心地の悪さの改善にも繋がると考えられます。 米国の有名な裁判事例;(日本でも特別裁判所を設ける参考になりましょう) バッキ裁判; 白人;青い目・白い肌(ノルウエー人)ベトナム戦従軍、ミネソタ大卒、NASAエンジニア、人種クオータ制は逆差別と訴訟、カラーブラインド対カラーコンシャスなどで有名、大きく多岐な事例でこれから30年位はAAの普及が必要でしょう。 逆差別・差別是正措置; 「多様性」という肯定的価値・差別対策;ハーバード大は、異人種は多様性の価値で置き換えられ、差別が減少し全米拡散。 ウエーバー判決; AAは機会の平等を実現するまでの一時的措置であるべきと位置付けた。白か黒かでない判決として有名。 「反優遇」の住民運動;加州提案209号;住民投票で是非を問う、AAを逆差別とし、カラーブラインドであるべきとした。 その後、提案209は民・公ともAA賛成多数で、賛成だが優遇反対と言えそうである。(編者私見;困った人に年に数回寄付をするのはやぶさかでないが、「追い抜かれるのは嫌だ」という共和党員も賛成だというのが平均の声であろうか。)
女性の給与が男性と一律でない商店や工場は、ギャップ分を課税しますという条例があればかなりGDPが上がるから、後で税から”支援金”として会社に戻しても、女性のやる気が上がり、GDPが上がる分だけ、国民の誇りも高まると編者は考えます。
参考文献
- [オコナー2021] ケイリン・オコナー, “不平等の進化的起源 性差と差別の進化ゲーム”, 大月書店, 2021.
- [Pincus1996] F. L. Pincus, “Discrimination Comes in Many
Forms: Individual, Institutional, and Structural”, American Behavioral
Scientist, Vol.40, No.2, 1996.
- [PISA2018] Andreas Schleicher, “PISA 2018 Insights and
Interpretations”, PISA, 2018.
- [Wu2022] Deborah J. Wu, Kelsey C. Thiem & Nilanjana
Dasgupta, “Female peer mentors early in college have lasting positive
impacts on female engineering students that persist beyond graduation”,
Nature Communications, Vol. 3, 6837, 2022.
- [坂田2014] 坂田桐子, “選好や行動の男女差はどのように生じるか :
性別職域分離を説明する社会心理学の視点”,
日本労働研究雑誌,
Vol.56, No.7, pp.94-104, 2014.
- [厚生労働省2023] 厚生労働省, “企業において募集・採用に携わるすべての方へ 男女均等な採用選考ルール”, パンフレット, No. 5, 2023.
- [読売新聞2021] 読売新聞, “女子受験者を一律減点…東京医大、恣意的操作”, 2017/7.
- [佐藤2022] 佐藤敏彦, “平均寿命と健康寿命”, e-ヘルスネット, 2022.
- [総務省2017] 総務省統計局, “高齢者の人口”, in 統計トピックスNo.103 統計からみた我が国の高齢者(65歳以上)-「敬老の日」にちなんで-,
2017.
- [神嶌2019] 神嶌敏弘, 小宮山純平, “機械学習・データマイニングにおける公平性”,
人工知能,
Vol.35, No.2, pp.196-204, 2019.
- [中西2021] 中西大輔, “監訳者あとがき”, In: 不平等の進化的起源 性差と差別の進化ゲーム(ケイリン・オコナー 著), 大月書店, 2021.
- Tech DE&I プロジェクト
- レポート
- 学際的情報科学センター
- 研究
Masanori Takano高野雅典学際的情報科学センター所属。2011年にフロントエンドエ
ンジニアとして中途入社。その後、データマイニングエンジニアとして自社プロダクトのデータ分析と計算社会科学の研究に従事。計算社会科学・複雑系・進化心理学・進化ゲーム・統計モデリングなどに興味。https://sites.google.co
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