2016年8月3日水曜日

16027 (状況変化により追加) 『日本は核兵器で自衛力を』と米人学者


16027

『日本は核兵器で自衛力を』と米人学者

保有・同盟国では、核(ミサイル)攻撃には守れないという意見が、聞こえる頻度が増えている。加えて戦争の前兆である、中国戦艦が日本領土の接続海域に侵入していると識者の警告が上がっている。
米共和党候補は(当選はしないかもしれないが)『各国の自立自衛』を主張している政府はこれから秋の国会が注目されている。8月2日、’16)

筆者は昨年末に中国の脅威に対する抑止力をもつべきかも知れないと、和平を願う日本人として抑えた意見を述べた。(14066;下記13039参照)
本日「米国との同盟、過信は禁物」にてペンシルベニア大学アーサー・ウオルドン教授の明確な意見が発表された(日本経済新聞3月7日、14年)
氏曰く
  • 米国はニクソン時代から、アジアでの対話相手は中国だと考えてきた。最近のワシントンでは更にその重要性を考える勢力が影響力を増している。(米国防上であろうが)
  • 米国は日本を守る力が弱まっており、中国はますます増強させるから、自国を攻撃されるリスクを負ってまで日本を守るために核攻撃はしないだろうから、自力で守る軍事力を今すぐもつべきだ。
  • 米国の核を頼りにせず、英仏と同様に原子力潜水艦を複数もち、核弾頭ミサイルを持つべきだ。迎撃ミサイルでは不十分である。最小限の核抑止力を含む包括かつ独立した軍事力を開発すべきだ。今の体制での防衛はあと10年しかもたないだろう。             
左派には受けいれがたい考え方である。中国の経済は、あと2~3年で崩壊するだろうという予想が多いが、これは防衛上では楽観論であり、万一間違っていた場合の日本のリスクは、はかり知れなくなる可能性があるのではないか。

ウ教授の見解は、米大統領の訪日前の露払いとして出されたとも考えられ、日本はやはり(核抑止をもつかは公式非公式のチョイスを残しながら)自衛・自立がよいのではないか。

13039(12月22日)

核兵器保有の長短と責任

万一もし同盟国が日本を守ってくれない時はどうするか、日本人が考えることです。

最近の核保有反対の議論と、核保有国の責任論も議論が白熱している。核兵器拡散防止について、非拡散に賛成する陣営と抑止力を持つべきだとする意見とが拮抗している。私は永く核兵器保有反対であったが、何を考えているか不明な指導者がいる北朝鮮が保有するなら、防衛に限定し持たざるを得ないと考えるようになった。我々の選ぶリーダーと彼とのどちらを信じられるかという選択からである。オープンに持つという必要もなく、イスラエル方式ではどうか。

唯一の被爆国という被災者の体験をもつ国としては、平和主義で戦後60余年を過ごしてきたが、保有国の核使用を抑制するだろうという根拠のない相手への信頼は、使用を公言する武将が現われた国の現実のまえに崩れつつある。
それを禁じようとする同盟国は、それ以上の安心を与えられるかである。
次の表は相手への信頼が崩れる中で、核兵器をもち反撃出来る抑止力に勝るかの比較である。その長短を比較するために試案の表を作ってみた。

核保有の長短比較 (数字は筆者の推測値である)
                                       
比較項目
長所
 点数
短所
 点数
保有の場合




 抑止力
相手国への反撃能力
100
最初に攻撃されるリスク
-10
 維持費・開発費
100とし10年で償却
10
長期X一定コスト/年 
-10
 恐喝の被害 
ゼロ; 
相手任せ(長期) 
10
 恫喝の恐怖 
ゼロ; 
相手任せ(長期) 
10
       総合点 
   
110
   
非保有の場合




 抑止力
相手への国際非難 
-0
ゼロ(被災損害) 
-100
 開発・維持費 
ゼロ 


 恐喝の被害 
国際社会任せ 
-10
同盟国任せ(不履行の求償力は疑問)(尖閣接近・接続海域軍 艦侵入)
-10

ー20
 恐喝の恐怖 
国際社会任せ  
-10
同盟国任せ(同上)
(南沙人工軍島)
-10
ー20
        総合点 

-20
-40
 -120
 -160

1.核兵器は核攻撃を受けた場合の、反撃のみに使用するものとする。
2.核攻撃を受けない場合は、負けても使用しない。
3.攻撃国が攻撃用に使用するリスク。 
4.同盟国が(何かの理由で)反撃しないリスク。 

同盟国が協定に反して反撃しない場合のリスクの担保には、自国内に反撃出来る発射装置を共有する必要があり、これは核の拡散防止と同様に扱われるべきである。
如何なる国も、第3国が日本向けに核が発射されても日本に自滅を強要はできないのだ。

現在核兵器に限り正当防衛が核非保有国のみに認められない結果となっている。保有国が優位に立つことにより、核の拡散防止ではなく、拡散促進に寄与しているといえないか。
平等にするためには、保有国は非保有国を核の攻撃から守る義務があるのだ。 

「実際にヨーロッパでは他国が備蓄し、核の発射ボタンをアメリカと共有することが数カ国で行われている」との宮崎正弘氏はいう(「中国共産党3年以内に崩壊する!?」206頁参照)検討すべき和平のためのメカニズムではないか。 

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