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米国のガンコントロール 混乱の世界;
3月に本コラムで紹介したが、フロリダでの49名射殺事件後に、ガンコントロールで「攻撃的な武器は一般人には不要だ」と声を上げたセス・モウルトン氏(Seth Moulton;38歳)はこれから注目される人。3回軍役の経験ある。(NY Daily News 16,May,2016)
"I trained for years in order to use my weapon properly. And long before I ever aimed it at an individual, I had to look at pictures of dead and mangled bodies in order to understand the magnitude of what it meant to pull that trigger.
"So believe me when I tell you: There’s simply no reason for a civilian to own a military-style assault weapon. It’s no different than why we outlaw civilian ownership of rockets and landmines.
混乱の世界;政党の衝突や膠着をどう変えるか与野党の衝突で決められない国が増えている。
米国の大統領選で候補者が乱立する中で、4人の米国大統領のアドバイザーを勤めたデ-ビッド・ジョーガン氏ほど、今の世界の混乱をみすえての政策の与野党協力を語れる人は数あるまいと思う。
シカゴの郊外で行われた1月の座談式講演は、皆さんの未来をすこしは希望のあるものに変えてくれるかも知れない。
(教会の主催する英語の講演録画を米人から受けた。動画前半は音楽で、講演は後半30;27から始まる。よかったら聞いてください。(David Gergen講演)
概要は下記どおりです。
避難民は6千万人いる
今の世界はいつどこで紛争が起こってもおかしくない状況にある。これが混乱しているのは、世界中のプロでもはっきり将来を予言できる人はいないためだ。北鮮の水爆と称する核実験、サウジアラビア、トルコ・ロシアの地域紛争、アイシス(IS)の紛争。250名の米国人がISでの訓練に参加したようだと分かっている。メディアの利用のし方もよくわかっている知的な連中だ。そこにEUの難民問題だ。ヨルダンでも受け入れてくれたが問題を起こした。
トルコ海岸に打ち上げられた少年の死体写真は世界の心ある人に涙をそそった。すべてが善意ではじまった避難民受け入れは、シリア難民を中心に100万人をこえる人数に急拡大した。最大の受入国ドイツで、予想外の問題を起こしている。
メルケル大統領もまったく難しい立場にたたされ地位を危うくした。ドイツ中央のケルンでは、難民は市街地での小競り合いから始まり、ドイツ婦人たちが取り巻かれて嫌がらせをうけ、1部はレイプにあう事件に発展してしまった。
難民はアラブ諸国で避難させたほうがよいのではないか。ヨルダンで(シカゴ郊外Willowcreek 市の)同宗派Kingdom of God 教会でも受け入れた。イスラエルでもパレスチナ人と1つの国にする意見が提案されたが、これが実現するには長い時間が掛かるだろう。
ムスリム(イスラム教徒)は米国にも1%くらいはいるが、ムスリムが全部悪人であるわけではない。米国のポリスがみな悪人でないのと同じだ。どんな集団にも腐ったりんごはある。それが総べてかのような見方をするべきではないのだ。
対立から協働へどう変えるか
意見の対立するグループが話し合っても、違いを話し合っても仲直りできる訳でなく、かえって違いだけが強調されて分裂しまうことも多い。
そんなときは議論をやめて何かを一緒にやる方がよい。お互いがその協働をつうじて知り合い、話し合って親しくなる。何かで合意できるのは、その後だろう。
政治の党派対立の現状をたずねられ「何年か前に会ったときよりも、今の米国は分裂がひどくなっている。崖っぷちにいる様だ。それでこの世は終わりか」と答えた。
この大統領選挙では誰が当選するかが問題ではない。誰が当選しても統治できるかが問題なのだ。誰がなってもグレース期間(衝突しないで知り合う時間)をもてるかだ。
少し昔の例をはなそう。レーガン政権のとき、民主党のティップ・オニールが下院議長だった。正反対の2人だったがオニールは仕事が終わると、ホワイトハウスに立ち寄って1杯やるのを習慣にした。2人は5時までは、どんなに衝突しても、その後はしないと決めていた。2人で国民年金の破綻も防止できた。税法も妥協できたし、難しい法案を沢山通した。
ある時「ティップ、もし私が天国行きの切符をもらっていて、君がもっていないとしよう。ならば、
私も切符を返して、君と一緒に地獄にゆくよ」とレーガンはいった事がある。
私は短期的にはペシミストだが、長期にはオプティミストだ。
娘をもつ父親なら分かってもらえるだろうが、うちの娘はバイオリンで言うならストディバリアスだ。そんな娘をどこかの男にくれてやるのは、ストラディべりアスをオランウータンに与えるようなものだ。だが、最近はコンピューターでそんなバイオリンが造れる時代がきた。
若い男の話をしよう。マサチューセッツ州の若者で、豊かとはいえない家庭からハーバードにはいり、教養課程を終えたところで海兵隊に入隊。将校の訓練中にペトレイアス(司令官)から声がかかり、そこからイラク戦争に3回も参戦してもどり、更に大学で2つの専門学部を習得した者がいる。
その後、ゴールドマン・サックスで勤めた後、テキサスで高速鉄道計画に参加しているところで、マサチューセッツに下院議員の空きができそうだということで、選挙戦に民主党から打って出た。
知っていると思うが、この州で民主党が主流で、新人が勝つのは並大抵ではなく大変だが、50%差から逆転当選した。
この男はイラク戦争のことは一切語ることを拒否していた。
そこで調べた新聞社があり、彼は”英雄章”(勲章)を2度も授与されていた。なぜ隠していたのかと聞かれたとき、『海兵隊員は自慢話はしないんだ』と答えたという。
この議員はセス・モールトン(Seth Moulton;38歳)というが、彼はいまは米国議会では対立する共和党議員とランチを食べて、交流することに努めており輪を広げている。事ある毎に民主と共和党が衝突している現状を変えようとしている。注目すべき人間だ。
米国には、こういう若者が多数いるのだから、私は長期には希望をもてるのだ。
よい時代がくると思う。
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