原発は止められるのか
原発については、それが自宅から数キロ以内にあれば誰でも反対したくなる。必要悪であることは間違いない。これについては、米人社員とも時々議論することであり、米人の考えの1端を知っておくのも役に立つかも知れない。
原発に反対すれば済むのか、安価で安定した電源がなくても世界第3位の経済は動き、競争力を維持できますかと聞かれたら、殆どの人は答えられない。取り敢えず反対だとするのは無難だが、停めても停めなくても、放射能は30年つづくので、電気料金はさらに上がりますよといわれると、簡単に答えはでない。
発電事業は不可欠であること
反対な人は、まずは(電気)暖房をとめ、テレビや電気釜などを半分止めて生活してみてはどうか。まず3日と生活できないであろう。つまり、電気は止められなくなっている。
では、火力か原発かである。米国には石炭がまだ大量に埋蔵されているが、2酸化炭素のため温暖化が進んでいると騒ぐので、(自分は疑っているが)一応それが正しいと考えて、原発はやむを得ない方向だと考えて原発に賛成した。そして今も100基が稼動している。
ちなみにシカゴのあるイリノイ州は原発の発電比率が47%で、(日本は福島以前30%)、そのため電気料金は7セント(6円)/Kwh、日本では30円以上である。それでレーザー加工、3Dプリンティング加工など電気を長時間使う高度な加工は米国が優位になっている。(米国はそれでも電力の流通が自由なので、6セントで売るから切り替えませんかという電力販売会社からの売り込みが来る。)
議論は原発の危険性に絞られる
原発を停めるか、停めないか;
1) 使用済み核燃料は、30年以上も放射能を出しつづけるから、発電コストは安く安定していても
工場をとめても、殆どの職員は働き続けて、燃料棒の処理のために働き続けるしかない。
つまり、停めても停めなくてもコストが同じなら、発電して需要をみたすしかないのだ。
2) 工場設備は老朽化して40年くらいで、取り替える必要があるが、それでも続けるのか。続け られない理由は、より安い発電ができる場合だが、風力は不安定な供給しかできず、蓄電がまだできない状態では、取り替えるものがない。水力は不要な時は、水をダムに戻してためる方法もあるが、山岳地帯だけの話で、これも安くは維持できない。ソーラーは30セントより安くなっていない。結局は経済性の劣るものに逆戻りすると主張すれば、米国ではその費用はどこから捻出するかを説明できなければならないのだ。日本の野党のように反対だけしても駄目な国だ。
3) ウラニウムに代わり、トリウムだと放射能が低いから使用済み燃料の処理がらくだといわれるが、これは大規模な実験した訳でなく、実証されていないし、実証しようとする予算が出てこない。
4) 危険度はどうか。米国ではスリーマイル島の事故があっただけで済んでいる。少なくとも日本で東北大震災の津波が起きるまでは、日本は世界で1番安全な原発を稼動していた筈だ。
そこで思わぬ反撃があった。
これは米人の意見ではないが、近隣国の中国ではすでに19基が稼動、建設中が29基、完成すれば225基になるという。日本共産党が中国の原発を停めてといわず、なぜ日本は停めるというのか。なぜか原発反対者は、メディア系のジャーナリストや野党は親中派なのだろうか。
人間社会を否定することはできない
- いま米国中で自動車が走り、排ガスを撒き散らしている。事故で1万人以上が死んでいるから車をやめられるだろうか。
- 日本は工業国であるのをやめられるのだろうか。
- 米国人を全員電車とバスで通勤せよという政治家がいたら、長生きできないだろう。どこに住もうが自由だという人達は、リスクは自分が負う覚悟で運転しているのだ。
- 人間でも同じである。65歳前後まで働いて退職して、人はそこで死ねるわけではない。役に立たなくなったからと、死なすわけにはゆかない。食事もでき、快適な生活をつづけるのも市民の自由だ。それと同じで危険は承知で、電力も造らねばならず、車も走り続けねばならない。
- 日本でも説得力ある発言が聞こえる。 青山繁治氏のhttps://www.youtube.com/ watch?v=rOZVGqNgNcQをご覧になり、判断していただくのがよいと思われる。
- 活断層は日本全国を網羅しており、その上に新幹線は走り生活しているのに、原発だけは停めろというのは、どれほどの信頼性のある根拠なのか。
- 津波の後で福島の第4号機をみたが、配管も損傷はなかった。日本の建て屋は耐震でわざと壊れるようにした部分があるが、これらが崩落しても、炉の部分が問題ないなら危険が増すことはない。
- 予想されていなかったのは地震ではなく津波であり、女川など高台に建てられた原発は全く問題ないではないか。 (https://www.google.com/search?q=日本の活断層マップ)
0 件のコメント:
コメントを投稿