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農業で他の産業並みに儲ける試案(1)
農業で他の産業並みに儲ける試案(1)
単に穀物や食用油など、食用素材として国際競争に勝ち、産業として生残るのは容易ではない。日本も平地を田畑にして、人口の半分が農業をやっていたのは半世紀前までのことである。
それからは2次産業や3次産業が発展してくるにつれ、農業は他の産業であげた利益を補助金に回しやってきたが、米や小麦では利益があがる見通しはない。
起業家が敬遠するのは日本の雇用保障
最近ある企業家から聞いた会話。
『日本で会社をやるなら、できれば外にゆきたいですね。景気の先行きは不透明なのに、1度雇用したら1千日分以上の賃金を払わないとレイオフできないんです』
『何だそれは。まるでEUの国か社会主義国じゃないか』
『それならやる気の充分で、若い人の多いベトナムがいいよ。社会主義国だけど』
『第1、雇おうにも人がいないから、どうにも話にならないの』では座して死を待つの?
『年寄りは死ねないよ、焼き場が無いから。介護もひどいが、ばらばらだね』と言われます。
『介護なんて人不足なのに、外国人を入れないから、規模縮小かな』というやり取りである。
『賃金カットで赤字国債を減らそうとか。地方を栄えさせるために、外国人は地方なら雇えるというなら、政策にもあうから気が効いていて、まだ救いはあるがね』
これは最低賃金法を強化して、適用されるために、語学と犯罪を教え、マナーや生活の知恵をさずけるためにも、地方に日本語の初歩を教えるNPOを増やせばよい。
自治体に渡すと、全体を統括する視野の部局がなくなってしまうのが問題らしい。
高付加価値な収穫物と棲み分け
まず考えるのは、重量あたりの製品価値である。薬草、香辛料、つぎに嗜好品としての緑茶・紅茶、コーヒー、ワインの原料としてのブドウや果実であろう。栗やナッツ類もあるが、価格競争力では平地栽培でないと難しいし、適した天候で産地が限られる。
穀物、野菜、根菜類、茶・嗜好飲料、薬草、香辛料、花卉、きのこ、それに鶏や牛・豚、その肉の加工などが加わって、日本人の食生活もかなり欧米化した。
いずれにしても、ワインなどは伊・仏・独などから各地に広がった産物だから、2番煎じではないが、老舗より良いものができても、物まね隣国の例にみるように、真似された創始国はあまり喜ばないだろう。
何が入っているかわからない国のものは、それをキチンと成分まで分析すれば、安心につながるが。やはり、独自の努力と価値を加え、風土に合ったもので無いと、納得できないことを、生産者は覚えておいて欲しい。
経済への貢献と住み分けの効率のために
早い話が1家の中で、親父さんがソバを栽培して収穫し粉にして、奥さんがそれで手打ちそばを作り家族で食べてしまえば、GDPでの経済効果はゼロ。いや農機器のリース料、その燃料と買ってきたダシの消費はある。しかし工程ごとに隣家が分業し、売り買いすればGDPに貢献する。
早い話が1家の中で、親父さんがソバを栽培して収穫し粉にして、奥さんがそれで手打ちそばを作り家族で食べてしまえば、GDPでの経済効果はゼロ。いや農機器のリース料、その燃料と買ってきたダシの消費はある。しかし工程ごとに隣家が分業し、売り買いすればGDPに貢献する。
太平洋を囲む各国が、お互いに相手の作る食材を輸入し、加工して再輸出する協定に変えたらどうだろう。貿易量が増えるから、単なる漁業でなく加工貿易で産業化できる。
はるか昔、ニュージランドに製紙用の木材の山を買った製紙会社が、1緒に付いてきた何千頭もの羊を飼う事業はつづける条件があり、どうするかという検討していた。羊毛の原料として売るほか、肉をどう加工するかである。当時はジンギスカン料理の店を開くなどのアイディアがあった。
モンゴルに売って、彼らを羊毛加工の定住者にすれば、工業用の就業者として雇えないか。砂漠を緑化するために、ついでに砂漠の地下に帯水層を増やすのもよいアイディアである。
はるか昔、ニュージランドに製紙用の木材の山を買った製紙会社が、1緒に付いてきた何千頭もの羊を飼う事業はつづける条件があり、どうするかという検討していた。羊毛の原料として売るほか、肉をどう加工するかである。当時はジンギスカン料理の店を開くなどのアイディアがあった。
モンゴルに売って、彼らを羊毛加工の定住者にすれば、工業用の就業者として雇えないか。砂漠を緑化するために、ついでに砂漠の地下に帯水層を増やすのもよいアイディアである。
日本の独自性を加えて違ったものにした方が、TPPの参加国の協賛を得やすいと感じる。鯨やイルカの好きな人には申し分けないが、南太平洋の各国が猛反対するなら、捕獲を止めたら、何をしてくれるのか。ただ交渉材料をつくるために反対しているのか聞いてみてはどうだろう。
図は概念図だが、お互いに相手の産物を輸入して加工することで、産物の交換ができ、相互に売上げを伸ばす工夫である。米国やロシアのような桁外れの大地では、単純に穀物を生産し販売するのも良いが、中小規模国は、後述する加工で職にするしかあるまい。
片や、樹木の産物は、木材として家具、植物繊維からの紙やパルプ、樹液からのメープルシロップ、木炭くらいで、もう少し副産物が欲しいところである。
グリーンハウスでの栽培も、一寸台風がきたら崩壊するようなハウスでなく、少なくとも支柱はびくともせず、ただ屋根のフィルムや透明板を取り替えしやすくするような改善ができるのではないか。毎日の水の供給なども半自動で出来るはずだし、青色LEDでは省エネで、しかも熱効率のよいから、夜間照明すれば2直の工場同然の生産ができるはずだ。
もう1つは、最近開発された淡水魚と海水魚が共に育つ水を使えば、ウナギや鮭なども長旅をしないで済むかも知れない。深海の水圧の影響がなくても育つか分からないが、産卵から成長までが1つの大きな湖の中で行えれば。2千キロもの距離を往復しないので生き残る歩留まりも上がらるように思う。魚粉と野菜の廃物を肥料にする全体システムの開発も有望だろう。
最近はシカゴの郊外の料理店でも、魚の調理の仕方もかなり上達してきて、まあ臭みのない料理がでてくる様になっている。欧州の化学(飼料)会社が米国の中部地域に巨額の投資をはじめており、これは米国経済が伸びるとみてのことである。
最近はシカゴの郊外の料理店でも、魚の調理の仕方もかなり上達してきて、まあ臭みのない料理がでてくる様になっている。欧州の化学(飼料)会社が米国の中部地域に巨額の投資をはじめており、これは米国経済が伸びるとみてのことである。
偽造防止のために
TPPに参加をしないで様子見している国もあるが、食物のDNAか類似の遺伝子情報を商標の1部に載せられれば、そしてそれをレジの読み取り装置で簡単に登録品と比較できれば、動物性のたんぱく質などは、産地までわかるようになるだろうと思う。東京農工大や専門高校生でも開発や検査に加われたら面白い。
和牛というブランド名はオーストラリアの機敏な人たちが抑えたらしいが、中身をどう売るかではブランドは重要な戦略だから、市場防衛の視点だけでなく、外に出て競争するほうがよい。
あとは、添加物で偽造かどうかを判読できる検査器を開発すれば済むのではないか。
無添加ミルク、こだわり牛乳、フルーツトマト、農家も化学品に詳しい人は多いはずだから、輸出競争のマインドさえあれば、世界のすみずみまで進出できると思う。
乾物としての魚や海草の加工
個人的には身欠きにしんが好きだが、鯵やサバの開きも好きだ。これらが食べにくいるのは、小骨のせいである。素人でも圧力釜で炊けば骨まで食べられるのは知っているが、干物にする前に1工程加えてでも、余り単価が上がらぬように工夫できないか。
その上で、脱水し乾物にすれば、缶詰のように空き缶が出ないので軽くなり、山歩きの食材に出来るし、缶詰工程のコストで代替でき、ゴミも残さないですむと思うのだ。
若干の油と酢を加えれば魚の身がバラにならないと雲南料理のニュース番組で観た。料理人の知恵を加工工程で生かせないものか。日本は化学や工業技術ではひけをとらないから、血栓を抑える加工肉、低塩分(1日7~9mg /100g?)に抑え、骨を抜いたり柔らかくした魚介類、色々工夫できるだろう。トルコ人ではないが焼きさばのサンドイッチは旨いと思う。
青色LEDで有名な中村修二教授は「魚は紫外線や青色などの短波長の光を好むし、白色だと近づかない」と著書で述べておられるから、今後その知見を活用した漁法や養殖法が発達することも期待できる。(『大好きなことを「仕事」にしよう』)
引き網漁師が、利尻昆布を1キロくらい湾の中で浮きにつけて引っ張れば、単価がもう少し安くなるのでは。時々日本から購入するが驚くほどの高値である。どこか、海水のよいロシアの樺太や南米の湾で育てて、持ってくるのも面白い。ジョイントベンチャーで、昆布などは海の農業ですし、とらふぐを陸で飼う時代とかいいますから。
これは国際化する際の課題だが、やはり最小限の日本語の教育と、英語での交流は欠かせないだろう。それと同時に利幅をふやす加工などの工夫が求められる。天然という、無農薬・有機野菜だけでは、労賃の低い地域からの産物(マイナス海上輸送費)には勝てないからだ。
ベトナムの労働者を茨城の農家で働いているようだが、ただ輸入税という関税障壁にたよる従来のやりかただと、現地で作らせて輸入したほうが、先方には望ましい。
先行きの見通しの立たない産業だと、後継者ができないだろう。人を引き付けるだけの魅力は付加価値か生産性かである。
農業が自立でき継続性を持つためには、限られた人材の取り合いになる。これは現実であるから、それを成り立たせられる規模をもつほかない。他の製造業と同様の生産性、企業化のためには、これからは自営だけで他人に食べさせられない(生産物を販売しない)者はやってゆけない。つまり事業化するということは、人を食べさせることだ。1人300万円/年以上が払えれば、田舎の生活も悪くはないから、人が集まるだろう。目標は400万円だ。
10人使えれば一寸した事業である。農業は人力の必要な時期がコメだと田植え、雑草とり、収穫などにかたよるから、人材の活用のための作物や加工などを兼業するひつようがある。
成り立たせるためには究極は、外国人労働者を使える産業にする必要がある。
なぜか? 国内には安い労賃で働く人はいないから。外国人を安くても喜んで働らいてくれるようにするか、少しずつ技能アップしてゆき、帰国しても飯が食べられるようにさせるしかない。
農業と林業の組み合わせや、2次産業化するか、TPP関係国との輸出入(代金は払うが物々交換)、さまざまな方法があり、すでに実行されている部分も多い。
昆布などは海上での農業に見えるし、漁業との組み合わせは陸でのフグの養殖などもある。
雪国は冬が長いから、雪の間もウナギの養殖などには、原発の温水や温泉水などの利用して発育を早める。法的な組織の仕切り枠を外せば、開発も自由化するだろう。
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