2013年11月24日日曜日

13030 苦学生にも輝く人がいる

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苦学生の中には輝く人材が多い

『苦労は買ってでもしろ』という教え

昔、祖母にいわれた教えだが、この言葉のおかげで苦労をするのが当たり前と考えて生きてこれた、と還暦を過ぎてからわかった。しかし、世の中には高校から上には行けないとあきらめて生きる若者も多い。環境問題のために、ぐれて非正規社員や派遣社員になる子もいるが、本当はグレている暇などないのだ。

金銭的な理由で高校以上はあきらめた人も少なくない。そういう人は就職して何をやれば家族のために稼げるかを教師と相談し、中学時代から就職を考えて手に職をもつか資格をとるかを考える。スポーツで全国大会にでる優れた者でも、それでは食えないと分かれば、何かの技能を身につけようとする。この学生達は、学校の勉強と次に待つ職業が直結している点で、暇な時間をバイトするゆとりはなく、バイトは家族の生活費の1部という意識で、飲み会やデートの小遣い稼ぎではない。

そういう学生を続けて雇ってきた管理職の話である。
まずは、仕事への姿勢が違う。『例えばコンピューターの入力をする仕事でも、ミスの数が極端に少なく、スピードが速いから作業量が大幅に多く、しかも昼食の後でもスピードが落ちない。お互いに競って資格をとり、ミスなし競争をしている』という。全体としての生産性がハッキリ優れている。
職業人としての一生懸命な姿勢があり、無駄話などもしない。これは中国での話しではない。
『日本人もハングリーな子は同じなんだ』と安心した。高卒の何割になるかが問題だが。

『新しい試みをしてみたいが、君たちも手伝ってくれるかね』と云った時の反応は、
『私たちにもそんなことをやらせて貰えるんですか』とバーっと跳び付いて、掴んでもってゆき検討する。会社の行事の手伝いでも同じくである。「私が?」、「何だ、同じ給料でよけいな仕事が増えるナー」などという贅沢な考えはどこからも出てこないのだ。

『短大に行った子や4大を出ても、バイトで、非正規社員でだらだら働いた経験が無い。これが同じ日本人かと思うほどの違いがありますね』
手抜きした方が得だという発想がないのだ
『スポーツをやってた男子も、同好会のような遊びではありませんから、何でも真っ直ぐにぶつかり挑戦します。すぐにリーダーシップを発揮して、てきぱきとこなしますし、元気さが違います』
こういう人達に、更にチャンスが開かれる、逆境突破賞や夜学奨学金をだす社会であればと思う。

ハングリー度を維持し高めるには
『日本は何のために裕福になったのか』という話になってしまいそうだが、欠けていたのは、幼児のころからの《ルールによる躾、家事の手伝い、将来の職業に備える準備、懸命に生きる訓練》ということになるようだ。前にも述べたが、目標があれば無駄に生きないですむ。

そのためには、《親は子供にタダで物や金をやり過ぎないこと、ケチに徹すること。そして、時間の大切さをくり返し唱えることだろう》。
その人生の目的はなにか、《先ずは自分の生活は自立できること、家族を養えること。ゆとりがあれば社会や国にお返しすること》。 これで十分である。

『何かやらせて欲しい』と思って会社にくる人は、生きる姿勢が違う。授業を週に2、3日受け、あとはサークルかバイト、飲み会という生活を4年も続けたら、誰でも堕落し怠惰になってしまうのだ。
就職して急に、真面目で勤勉な人間に変わろうとしても大変な無理があるし、うまく入社しても必ずばれる。
すると、似た様な考えの社友が寄ってきて、仕事が苦痛というグチをいう生活から脱出できなくなる。面倒な仕事を押し付けられないように、決まりきった仕事をしていれば、65才から先がなにもない。

商社マン時代は残業して、そのあと先輩と飲みにゆき、あるいは顧客接待という生活を5年半過ごした。飲み会というのは試験の後のコンパだけしか知らなかった私には、職場は天国だった。仕事は教えてくれ、授業料のかわりに給料をくれ、社会常識も教われるのだ。
だが、月収3万5千円の手取り時代に『年5千万円の粗利を稼げば一人前かな』というのが一番効いたパンチだった。年俸の10倍か、と。
当時やっていた仕事の延長上では無理で、他のやり方しかないと分かったからだ。つまり、目標値が高いと、人は頭をつかい努力するしかなくなる

2番目は本を読むこと。司馬遼太郎や森鴎外などは、マンガは手塚治虫で小学校で卒業できたのは、本の世界は面白いと知ったからだ。インターン学生にも帰国するまでに『坂の上の雲』を読み終えてといっているが、読めた人は少ないし、それを題材にしても会話としてつなぎにくい。共通話題は外国人でも同じである。イーメールのやり取りでは、読書の忍耐力や想像力はできないと思う。

ビジネスでも、本当のことは体験からでないと伝わらないし、その訳は、そこに自分の心があるからだ。共感は共通の行動から生まれると思うし、心が欠けると心からの笑いもないように感じる。
高い目標値をもちハングリーになり、読書で自分の考えをもち、共感する心をもてる仲間である。


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