2013年11月30日土曜日

13033 リーマンショックを予想していた人達

13033

住宅産業ではリーマンショックを予想できた人たち

自動車産業の景気動向は誰もが注目する。しかし中期では住宅建設は返済が長い延払いで、金融業の長期動向を予測するのに役立つ。せっかく事業がうまくいっていても、個人投資が減っては悲しいので、自分の指標としたものを参考までに述べる。

ビジネスマンは悪い予感はしゃべらない; 30代で建機の業界に数年身をおいたお蔭で、多少は金融サイクルの波からの好況不況を観る目ができた。
住宅着工が激減するのが2年早い06年後半から分かっていた建設業の人たちはリーマンショックでの株式暴落のロスは避けられた。不況の予想をする評論家は多いが、皆が不況になると考えて買い控えれば、本当に不況になるから、それは困ると考える人は、公には発言しないのだ。

皆が儲けた訳ではないが、実際にリーマンショックのあと、銀行株(シティーバンク他)2ドル~10ドル以下に下がった株を、1万株くらい買い、5年も待てるならばだが、今は20~40倍になっている。

何故住宅着工数か

何がそんなに役立つかといえば、米国の金融業界の先行きは、住宅の建設許可、着工数でかなり正確にみることが出来る先行指標とされているからである。

自動車の売れ行きも確かに景気の波に影響を受けているが、住宅ほどの長期ローンではない。むしろ短期の動きで株価に近い動きをしている。

右のグラフは何れも米国商務統計によるものだが、2006年の後半には、住宅着工件数は半減という急激な落ちを示しているが、自動車の落ちは比較すれば緩やかである。(グラフ作成者の記録を失いました。出典を表示致したく、ご存知の方はsk@itaoffice.comまでご連絡お願いします。)

カリフォルニア州ではまだ住宅バブルが盛んな07年ころ、シカゴの人達は住宅着工から建機販売の激減をみて、株式投資などは1年以上早めに手仕舞いが出来たのだ。自動車の売上げ台数は本格的に下がり始めたのは07年だったから、可なりの損害を受けた筈だ。

2013年はどうなるか
2013年後半の現在もその再現で、それは既に2012年に前連邦銀行のグリーンスパン総裁も含めて、来年はインフレが襲うであろうという予想をする人がいる

しかし、2013年の住宅着工件数はゆるい回復中で、全体の着工数は100万戸ではピーク時の半分で低いから、一部の地域ではバブルがあっても、全体としては金利が上がらなければ、回復が進むと観られている。もし落ち込むとすれば、外的要因ではないか。

ニューヨークにも異変  

70年ころといえば、そのころ生まれた人は40代になるが、世界の金融の中心として、また大企業の本社がひしめき、メディアやファッションの中心でもあった。だが私は赴任先としてNYもロンドンも魅力を感じなかった。単に天邪鬼だったと言うより、そこから戻ってくる商社マンが、殆ど英語を使わないで滞在できたと聞いていたし、実業に近い産業に興味があったからである。   

今日もある日本の有数の建築会社の方の情報では、日本からのニューヨーカーはどこに行ったのかという話題で、
『やはりシェールガス・オイルのヒューストンですね。鉄屋さん、商社さん、エネルギー関係者、皆です。ニューヨークにはかっての日本の洋服メーカーも、証券会社も、半減どころではない減りようです。製造業は中西部や南部、残っているのはメガバンクくらいですか。』
という話しであった。ファッションやレストランなどは華やかではあるが、エネルギーは強力だ。

ということは、ゴールドマン・サックスなどデリバティブやヘッジファンドで脚光を浴びた米国の金融業の花形の手法を、日本の金融界は学びそこなったというか、学ばずに済んだというべきか。
その意味では、年金などの投資先も本来の地味で着実な生き方でゆけそうな感じがして、ほっとさせられた。余談だがではなぜか日本の証券界が振れるのは、配当利回り中心、従業員当りの利益額という投資指標になっておらず、短期的なガサねた情報で変動するからではない
信託(多数の株式投資をする)の中味が、何をいつ売買したか分からない部分がトレーサブルでなく不透明だからではないか。  


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