2013年11月25日月曜日

13031 米国工場に派遣する人材がいなくなる

13031-1

米国の工場に派遣する人材がいなくなる

08の続きだが、工場に派遣できる技術者が日本にいた時代は、労賃に合わせた自動化ができたが、日本でも少子化で数が減ってきて、米国に派遣する技師が足りなくなっている

相手国の労賃にあわせて自動化をやれた時期は、日本の20年前とか30年前の自動化レベルとかに合わせて設備をつくり、当時の技術者を派遣できたが、そうはいかなくなっている。

ティア・ワンやツーの会社では、相手国に合わせた自動化でなく、現在の日本の設備と同じレベルの高価な設備にして、生産個数の少ない分は、別な方法での投資の回収を考える必要が生じる。

GMのブラジル工場は全自動に近かった。数年前のことだが、米人も日本人と似た間違いを犯すのか、月給が300ドルの国でやることかと目を見張ったことがあるしかしその方が付加価値税が減らせ安くなるという理由だった。理系だけでなく、経理や税法のわかる文系も参加した方が、工場の外にある経営環境が分かり易いのかもしれない。

米国の規準は体重か;

 米国では輸出される工場用の機械はNEMA、UL、OSHA、ANSI、FCCなどの基準に合わせる。これは法規で決まっているから、どうにもならない。(教えると直ぐわすれるからGoogleで調べてください)
   
① 米人が使いやすい設備は壊せない?
 ちょっと首題から外れるが、大分むかし商社マンだったころ
『なんでそんなものを壊すんですか?』と日本の多くのメーカーの技術者に叱られた。
 押しボタンスイッチを押し込みすぎて、指が制御盤の中に入ってしまったのだ。
日本の設備は隙間がない。』身体も大きく体重もある米人に、
『人が入れる隙間が十分にない、売ったお前が来て外せ』などと言われた。


  •   右利きを想定しているのだろうが、左利きが直せる手をいれる隙間がないほど、左の内壁
  •   ピッタリにつけた電源ボックス。
  •   押したら中まで指が入ってしまった押しボタンスイッチ(力が違うのです)。
  •   足を乗せたらへこんだ安全カバー(足をのせる習慣)。
  •   支柱がぐにゃりと曲がった制御盤。
  •   ターミナルブロックなどは、米人にはきゃしゃ過ぎて、寄りかかっただけで壊されてしまう。『なぜ壊した!』というが、体格の違いも大きい。
オハイオとアラバマでは人件費が倍半分; 理論で言えばじ自動化率はおかしい。
いなかに工場を造ると、保守・修理できる人材(エンジニアなど)を社内で育成するか採
用する必要がある。

溶接ロボットなどは、何台か纏めて使われないと、プログラムを変える度に、それができ
るエンジニアがいないから、プログラマーを派遣しなければならない
米人の農家は大型機械も直すし、軍隊で訓練された溶接ができる人も多いが。
そんな辺鄙なところに工場を造れるのは、城下町を1つつくれるような大会社だけであ
る。中小企業はその横にべったり隣接するか、交通の便がよい都市に近い中間に立地させ
るしかない。

設備用のソフトも米国仕様にしないために、その後10年いちいち日本に問い合わせる必要
が生じる。同じ考えでITもやるから、米人従業員のトレーニングが出来ない。先述した
が、件費に合わせた自動化率を余り細かく調節すると、現地の従業員ではまに合わず設
備管理費がかかり、古い設備の分かる人材が日本で定年退職すると更新が難しくなる


米人の大卒エンジニアは、休日には音楽会や美術館にゆくし、それなりの文化的な生活環
境が要るから、近所の湖でなまず釣りをして過ごしてくれといえば、かなりのモラル低下
があると言われたのを思い出す。
日本の設備はダメ』ではなく、大きな米人が
れる隙間が十分にない、売ったお前が来て外せ』というのも多い。

日本語と英語の教育機関を
日本語がある程度できて、英語もわかる人材が日本でも求められているが、米国でも日本語のわかる米人を増やす必要があるのだ。なぜかといえば、ブラジルやメキシコなども含む中南米の工場の管理や技術指導も、米国からやってくれという地域別の管理になってくるからだ。

それは3年で交替してしまう現在の人事制度も問題があり、これをもっとフレキシブルにする必要があるのだが、日本では何でも時間が掛かるから、米国でやる方が早いからだ。この点は、後で触れたい。


先に述べた高卒の内、優れた人に英語を特訓して、技術の分かるコーディネーター役に養成できないだろうか。特別学校で短大クラスの資格をあたえるのだ。米国も学歴社会になって、紙のレポートは出来るが、工場の事はわからない人口が増えて、製造業を復活させようにも、その面に空洞があるからである。日本人が米国のメーカーを買収するには抵抗があるのは、米国の地元の人との交流が少ないこともあるが、それも言葉の面で億劫だからだろうと思う。




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