2013年7月15日月曜日

13705儲かる設備投資 [036]

13705

儲かる設備投資

(1)ゼロ金利では市中に金が流れない

専門家の予測で《円高なくして成長なし》と08年の後半に云われ、日米のインフレ差3%は日本が0%米国が3%でバランスする計算になるから、対ドル3%の円高で計算があうという説明にア然としたのを覚えている。余りにも実態と離れた理論である。


米国が日中からの資金を吸収した08年のバブルがはじけ、一転してゼロ金利政策になると、日本はマイナス金利にできないとデフレになる。理屈でいえば2%の金利で貸してデフレが3%なら銀行は1%払うべきだ。しかしデフレ分だけ日銀が補填でもしてくれなければ、銀行も預金者に逆金利(預金料)を要求できないし、借り手に金利をはらえない自動計算システムの筈だ。今日より明日の方が、物価がさがり貨幣価値があがるなら、市民は買い控えるし、企業も投資はできない。景気の先行きが下がるなら、むりに貸せない。 

金融界の後輩S氏の意見は『1%の金利では100社に1社倒産したらパーで、プライムが4~5%ないと貸せません』。(4%あれば25社に1社倒産でも耐えられるだろうか)つまり銀行が融資できないゼロ金利は引き締めと同じで《デフレなくして成長なし》にはならない。学者は円高とは云ったがデフレとは云っていないというだろうが。 

デフレとは貨幣価値が上ることだから、物価のコントロールはその分だけ円を増刷して価値を平準化できる理屈だ。実際それに近い政策で米国の連銀は動いている。デフレで物価が下がれば電力系いがいの多くの企業は困るのだ。ならば、誰が考えても通貨の供給量をインフレ目標にあわせデフレ率分プラス2、3%くらい増やし連動できないかと考える。漸くエール大の教授も参加して方向転換したようで産業界は喜ぶし、いままで無視してきた各国が日本を注目し始めた。
デフレで打撃を受けるのはモノ造りだけでなく、付加価値の高い理系の学生を創り出す大学が空洞化しないように、教育界も国際化するしかなくなるだろう。

(2)円高だと海外投資は損をする

米国のMBAコースでは統計と確率が必須科目と聞くが、これを高校か大学で教えれば、法学部や経済学部も付加価値が上ると思う。ここ3年で20%も円高になり、デフレ容認策では大手メーカーは海外移転するだけでない。
米国に投資したドルがインフレで価値を下げるから、企業や組合の年金残高の海外運用は(AIJが無くても)円に直せば大きな減額になっていた。円もそれに連動させなければ、円高で貯めた米国債1兆ドルは円に直せば2割もめべりする。

諸悪の根源は円高だとまでは言わないが、円が20%も上がり韓国が10%ウオン安になれば、円圏内では作れないから東南アジアや北米に移るしかない。
せめて日本にも、金融資産1500兆円をプラス2~3%位に運用できる人材の育成が必要だと思う。それだけで30~45兆円の収益になる。
こうした巨額の投資判断ができる人材は日本には経験者がいないから、年金資金などが米国に投資され、数パーセントの利益がでても円高では損がでる。

通貨戦争は政府機関では気性が優しすぎて為替を円安に誘導できないなら、投資できる米英の人材にそれなりの報酬を(明治時代の外人コンサルタントのように)給与面で億単位の処遇できる仕組みがあれば可能で、100人雇っても1千億円にもなるまいから、30~40兆円稼げれば充分にお釣りがくる。数年で追いつけば元がとれると思う。 

更に法人所得税を20%くらいに下げれば株価があがり、豊かになった投資家や市民のモノやサービスへの購買量がふえる。インフレ、円安につながり、外国人の就労者を入れて雇用に繋げればメーカーも国内にとどまれる。それを中国でやっても感謝はない。
今安倍内閣とそれをサポートする方々の努力で、一般企業もみるみる回復しているが、反対する人も多いから、皆で声援を送ろう。 
 

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