2013年7月26日金曜日

13710地方の活性化は国際化と敗者復活 [042]

① 医療、弁護士、介護士の国際化を

先進国でも医師は取りあいだが、足りない勤務医の仕事を東南アジア人やアメリカ人医師に代行してもらうことである。プロ野球でもジェット機のパイロットでも外国人が活躍している。アメリカには保険が高くて廃業した医師もいる。
タイやインドではアメリカで学位をとり実習と実務経験をつんだ医師が、高級ホテルなみの手術センターに1週間の療養つきで欧米の患者を呼びこみ繁盛している。アメリカなら10万ドルかかる手術が2万ドル以下ですむという。優秀な日本の手術医のところにはアジア人が行列するだろう。      

こういう外国人医師は、在日中に生活に必要な日本語も覚えるから、母国に戻ってからも現地の日本人駐在員や観光客を相手に医業が続けられる。看護婦の受け持ち範囲をふやすことも可能だろう。

2025年までに引退する65歳以上の高齢者は、現在の2500万人からさらに900万人増える。引退後の16年のうち最後の2~3年を介護センター等に入居するとすれば、これから毎年約50万人ずつ増える。その増加分を収容するだけでも100人用の介護センターが毎年新たに5000ヶ所必要になる。桁違いの不足になる筈である。

介護では外国人労働者が実際に採用され始めているというが介護師1人が10人をみる規定だと、毎年5万人の増員が要る。

つまりは、ルールが現実的でないか、極端な人不足ということ。言葉もあやふやな年寄りを相手にする介護士資格の試験で、日本人でも使わない難しい言葉をテストするのはどういうことかと、米国のテレビCNNでも報道された(GPS;6,10,2012)。
食事・入浴・排便の補助が主な仕事だからテストも民間でやればよい。
 
② 敗者復活を歓迎する社会では、勇気と決断が鍵

どうも日本に帰ると皆さんがミスを避けようとして、互いに批判されない方に神経を使いすぎている。人の目を気にしすぎている。もっと自分が中心に力一杯に生きることだ。
繰り返しだがもっと褒める生活をしようではないか。それには人の長所に注目すること。入試センターを廃止して複数回の試験にするというのも朗報である。
一発勝負で決するスポーツもいいが、敗者復活を認めるゲームやスポーツが私は好きである。優劣のギャップを埋めて遊べる知恵として置き碁、ゴルフのハンディキャップも同じだ。社会にでれば、忍耐力や粘り強さ、どこで競争他社と差別化できるかの探求心などを求められることが多く、一発勝負は少ない。

振り返るとビジネスで遥かに重要なのはチャレンジする勇気、できるまでやる気力、あきらめない粘り、体力であったなかでも勇気は重要で、自分を賭けて発言する時、人は道を開いてくれると信じたい会社では、ある期間内に一定の成果をあげろというが、営業では顧客次第と運も多い。スポーツの名選手の体験談からも、何度も失敗(練習)しなければ何も正確にはできない。その苦しさに比べれば、いまやっているチャレンジなどはどうということはないと感じたものだ。体に染み付いた根性かもしれない。できるまでやれば失敗はしない。失敗してもできるまでやるのである。

それ故、私は《失敗したことのない人》に過分の能力差を見いだすことには懐疑的である。チャレンジしなければ失敗もないからだ。
面接では『どういう失敗をしたことがありますか』と尋ねることにしている。また『その原因はなんだと思いますか』と訊く。答えでその人柄が見える。わかっている人にはチャレンジさせたいと感じる。つまりは失敗やミスの方が成功よりは重要なのだ。

日本がそういう自己責任の社会になり、儲かれば一割還元というプロフィットシェアができれば、やる気のある社員が自分のために頑張るようになる。<達成しない人がかわいそう>という悪平等だと、全体の数字が下がってしまう。
それよりは米国のように《新卒よりも他所での失敗体験で訓練された人の中途採用を》という流れが生まれ、活き活きした社会になるほうが遥かに元気な分かり易い社会である
米国のMBAは、最低3年以上の職場経験を持つことを入学資格として要求している。

③ 成功の鍵=目標、信用、努力、自信 

たまたまのご縁で10社以上の創設や経営に関わり、それぞれが生きのびて自社より伸びてくれたことから、『成功の鍵は?』と聞かれるが、成功例よりも《失敗の法則》について話してきた。成功例よりも《こうすれば失敗する》という条件が絞りやすいからである。それに、他人から成功者といわれても意味はない。成功は結果であり、より大事なことは《何を目的に生きるか》である。

生きる目標を決めるのはあくまでも自分自身、それを他人にゆだねては生きる意味がない。発明家、知名度の高い人、大会社の社長、資産がトップ5%以内に入ること、環境や平和に貢献すること等々、人によっていろいろだろう。いずれにせよ不可欠なのは、なにかで差別化を図り、他社を出し抜いて生き残ることだ。条件は千差万別であろう。

私の目標はささやかで《自分が創業した会社で言うなら、①人の役に立つ、②世間並より少し自由を得てサバイブし、個人的には、③子供がそこそこの大学をでて、健康な家庭を築いてくれること》であった。目標がなければ努力する意欲がわかず、達成された成果も測定できない。目標を達成するには人の助けがいる。それは従業員であり、物やサービスを提供してくれる仕入先であり、出来上がった製品やサービスを買ってくれる顧客である。ビジネス上の顧客なら、どうすればあなたを信用できるかが鍵である信頼度評価テストは役立つと思う。いい換えれば、あなたを信用するリスクをどうすれば減らせるか。端的に言えば、相手の財産や時間を減らさないと確信する何があるかである。

(A)あなた自身の自分への信頼度は 
あなたに任せて問題は起きないか? 予防策は? 1番分かりやすい例は下見である。重要な人物を案内するには、訪問する相手のところまでルートを試走してみて、時間や工事渋滞を調べ、さらに訪問先を訪れリハーサルをしておくことだ。時間厳守する人間かどうか。

(B)問題から逃げない 
取引が始まれば必ず何らかの問題は起きる。予防していてもトラブルは発生するものと心得ていたほうがよい。その場合にリスク回避して避けるタイプか、苦しても踏みとどまるか、トラブルをどう対処するかで、貴方のすべてが判断される。いろいろ突破してきた経験があれば自信がもてる。

ホログラム技術をC社に紹介しライセンス契約し、顧客は設備を買い、いざ始めようとしたら、東京ではメッキは許可が下りない。『何とかしてくれ』と泣き付かれ、シカゴで始めた。ラボ(研究室)を貸すビル業者がなく結局300坪くらいのビルを買い、その1室をラボにしあとは貸し事務所にしてしのいだ。

大変な苦労だったが、技術と貸事務所業務も経験できた。その後送風機の組み立て販売する別会社を創りマイノリティー(少数民族)企業にしミニ工場を任せた。自分ができなければ、どうすればできるかの経験を積むことに尽きる。           

(C)説得力と自信をもつには 
日本全体の総てに通用する自信を持つなどは無理である。つまり『100%絶対です』といえるには、限られた地域や業界での調査で構わない。全体の20%の市場ではこうだと言えればよい。それを嘘ではなく自分の足で調査したデータを持って言えればよい。私が80年に米国で移動式トイレがどの位レンタル屋で使われているかを調べたケースもそれである。これはあるレンタル会社のその後10年のヒット商品になった。  

(D)約束は守る  
守れないから約束しないのか、正直者、努力家か否か、人を動かす熱意はあるか、粘り=体力は、持続力はあるか、焦らずチャンスは寝てまてか、技術を売り込む場合は、オリジナルか改善型か、周辺でどんな試行錯誤や失敗をしてきたか。こういう諸条件を見通せれば、あなたは壁を破ることができるだろう。      
新しいモノや技術を最初に採用するリスクを避けるのに必要なことは、値引きなど経済メ
リットが十分ある。そのテストデータに信頼が置けること、実際にテストを観察したかな
どである。(詳しくは拙著『アメリカで欲しがられる日本人、嫌われる日本人』を参照

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