2014年8月20日水曜日

14138 自治体おこしと国土改造(2)

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自治体おこしと国土改造(2)

政府が仕事をしようとすると、どんどん具体的な仕事に注目してゆく。すると地域別や機能別に細分化して行かざるをえない。そこには期限がついた目標が数値で明確にされていない。

防災がよい例だが、そういうものが地域細分化されたものが自治体の仕事になると、自治体は兼務が増えるだけで、少子高齢化で税収がへるから、名前ばかりでなにもできない。民間と行政の大きな違いだが、NPOという民間の考え方で1部を分担するものが広がっているが、やはり法律用語を、民間用語にかえて分かりやすくしていくが、それで地域の収入を増やす機能がないと、税収の中で提供する行政の業務分担にとどまる。

外国労働者への壁は行政

製造業にせよソフトの創出にせよ、永久に増やすには国内の人間だけでは足りない。
『国内の製造業が皆出て行ってしまうのも困るが、中国人がどんどん入ってきて、国を乗っ取られるのも困るし、犯罪者は今の警察では手に負えない。だからこれ以上行政の負担になるようなことは、言って欲しくない』。

とうとう警察まで動員して、外人の移民に反対するYouTubeが現われた。サービス提供型の分野では住民の数が減っても、犯罪予備軍のような人達は入れたくない。
資源もエネルギーもない国では、その輸入コストをまかなうためにも、市場を海外まで広げるしかなく、特に製造業が中心になって進めてきたが、これもどこかで頭打ちになる。

国内で言えば人口が天井に当たり内需が下がり始めた。海外であれば相手国の輸出入の外貨バランスが壁になる。後進国へ行けば、初めから外貨不足で金を貸してモノを売るような話だ。さらに国の大小を問わず、法制度が完備していない国では、贈賄などがつき物で、関係する派遣社員まで汚染される。
どうするか?

国内での需要の創造?

直ぐに頭に浮ぶのは、スクラップ&ビルド、インフラの置き換え需要。これには当然ながら資金がいるから、不可欠な設備や構築物は取り替えたり修理せざるをえない。高速道路など使用料がとれれば賄えるが、有料にできないものはどうするか。撤去するにも金がかかる。

① 国民の預貯金でまとめて作り変えることができないジレンマ

国は1千兆円の赤字だから、そこを当てにするするわけにはゆかない。
という訳で、高齢者の資産から何とかならないかと誰もが考える。

1)明白なのは820万の空き家の撤去か建て替え
全国には820万戸の住宅が空き家だという(NHK8月10日’14)
多くが高齢な両親が住んでいたもので、子供たちは仕事の都合で一緒に住めないし、簡単に処分を決められない。更地にすると不動産税が6倍になるし、1戸ずつ分散しているためまとまった空間にできない。
纏まれば、集合住宅にできるが、バラバラでは立て直しても、中古の空き家が安値で販売価格の足を引っ張るから、利回りもよくないから、結局は改造で生きている間はそこに住むというのが、殆どの都会で行われていることだ。

こうした高齢者は米国のようにゴルフ場の周辺などに、少しゆとりのある2階建ての長屋(タウンハウス)に集合し居住しではどうかと思う。処分するコストが掛かるよりは、転売を希望する人も多いのではないか。何より、歯抜けでばらばらにできる空き家の火災や犯罪の巣となるリスク、撤去費用がかかる不動産が増えることである。これを防ぐには、まだ元気なうちに買い取ってしまうことで、集団で住むことにより、健康な生活により医療費の出費他を押さえることである

市町村のインフラの更新をしなければ、全く意味を成さないかもしれない。家族といえども、子供は数百キロも離れた職場に住む場合は、親の住む場所から通えない。10年か20年の投資で、その後が人口減少で利用されなければ無駄な投資になり、住宅は余るから価格は下がる。投資物件にならず、高層住宅しか転売価格を維持できない。

1番良いのはそれが高台であれば、今ある町の横に、過疎地や休耕地を使って街づくりをしなおすことだ。これは個別に意見を聞いて歩く日本式だとまとまらない。結局今あるものに、軽量電車でも走らせて、コンパクト・シティーを作るという妥協案になる。

2) 問題は利回りはなく発生する費用
過疎市町村が800以上も出来るというから、企業の職場をどこに置くかは、民間企業任せでなく、ある程度の計画がいるということになるかもしれない。
道路・橋梁・防波堤・山の崩壊や土砂災害などの費用は膨大になりうるだろう。つまりは、自治体まかせでは解決しないから、国の責任だと言わざるを得ないだろう。

ということで、金を持っている人=高齢者と、やらねばならない仕事=国という乖離がある。やらねばならない事業が道路・橋梁などの補修・防波堤・山の崩壊や土砂災害対策などの計画的な投資や購買、自治体レベルでの実行である。
だとすれば、それをどうすれば個人の預貯金で賄えるかという部分で、利回りを求められ、現役の職のある場所との関係での住宅投資と結びつける必要がある


② 高齢者の住む場所

従来の生き方とは変わるが、先進国の市民の生き方を見ると、現役の就労者の住む場所は、彼ら生産人口の生活時間効率を考えると30分以内の通勤圏内とするのが、託児所や通園・通学の安全などの面からも望ましい。

大学や研究所などは、大都市の真ん中にあるものは世界的なレベルのものは非常にすくなく、殆どは郊外か田園の中でも良いということで、これも見直すべきかもしれないが、バイトなどのために、逆に大都市に大学をもどす例もある。
そう考えてみると、高齢者にとっては、便利なコンビニ、病院、医療・介護の場は、都市部ではなくても良いという事になる。つまり、高齢者は、大学のある土地の安い学園都市の周辺が好ましい環境だという事になる。

なぜこういう事になったかといえば、1次産業から、2・3次産業と変化するにつれ、住と職が離れ、親子の同居という生活形態も様変わりしたからである。

上記のやらねばならない事業が道路・橋梁などの補修・防波堤・山の崩壊や土砂災害対策などは不可欠、非常時用だとしても、それは資源としての金と実行する国との間で繋ぐブリッジは税でなければ投資とならざるを得ない。すると従来の国債による運用益が無金利に等しい融資的な運用ではない、利回りのある投資はどういう形で行うかという課題がのこる。


全国に万の単位で点在する危険地域の対策は、追って触れたい。



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