2013年8月24日土曜日

13809新しい雇用は外国生まれが創る [55]

13809

新しい雇用は外国生まれが創る [55]

どこの国でも優等生は、行政や代表的な大きな会社に就職する人も多く、外国生まれはそこに割り込むより、自分で起業した方がチャンスはある。
なぜかといえば、まずは会社を創るのにしがらみや制約が少ないばかりか、自分の祖国と比べての違いと利点が見えるからではないか。まして学生時代に米国にいれば、起業した人達の成功例を身近に聞かされ、成功者の話を気軽にきける風土がある。


(1)外国人留学生の起業者が経済の牽引車になる

日本人は細分化するのが性にあっているのか、ドンドン細かく分類してゆく傾向がある。[035] 項で述べたことだが、新分野は細分化の逆で、より大分類に戻り新機能を考える方がよいと思う。シリア系のアップルのジョブズがネットで音楽を配信するシステムを考えたり、TEDで紹介されたインド人プラナフがマウスを分解し、その機能を形をかえて、現実の人やモノの動きをディジタル化したような発想は細分化では出てこないのではないか

2人に共通しているのは、元に戻り新機能を考えたことと、個々の部品の機能と情報の流れを理解していたことに見える。若い米人が20年も30年も戻って考えるのは難しいが、シリア系とインド系での違いか、外国人は母国の現状と比較して考えやすいし、ユーザーの別ニーズを取り込んだり、あるものの機能を拡大したのだろうと思う。


(A)フォーチュン誌トップ500社の創業者の4割は外国生まれやその子供;
しかも驚くことに、起業数は外国人移民によるものが人口10万人につき350社(人口の0.35%)で、アメリカ生まれによる280社(0.28%)を大幅に上まわり、50万社以上を移民が起業している。これを日本の人口で計算すると7千万人の就業者として24万社である。 (外国人移民が創業する米国;http://connect.wolfsdorf.com/?p=919) 
ちなみにトップ500社(*)の海外売上率は過去5年45%で、殆んど半分を海外で稼いでいる。(* スタンダード・プア)

シリコンバレーの起業者では外国生まれが52.4%(1996~2005年間)という。その半数は大卒技術系である。中小企業庁(SBA)によると、最新の労働者比率は、100人以下の小企業における従業員数は36%、100~2500人の中企業が27%、2500人以上の大企業が37%である。イリノイ州は12.9百万の人口だが、アジア系60万人で6万の企業オーナーが住む。

雇用が増えているのは中小企業だから、税収のターゲットとして超大手と同程度に重要なのが小企業である。その狙いは、法人所得ではなく73%を占める個人所得税である。しかも予想に反し製造業での伸び率が1996~2006年の10年間で+43%、建設業が+7%、サービス業はマイナス14%とある。
つまり、GDPの7割の個人消費のほうが重要で、法人所得より個人所得税にからむ失業率の統計の方が経済指標として注目される(日本では個人消費は55%前後である。)

(B)大学の起業講座は大盛況;  
この傾向を受けて大学での起業に関連する講座数も、96年から06年までの10年間で6倍強に急増している。留学生が1番の起業家候補で雇用を創るからである(注6)。大学の財政を支える研究のためには卒業生の研究や起業した会社に投資して成功すれば、とてつもない利益を得られるから、大学もその周辺のベンチャーに投資して、学生を送り込むことも多い。                               
アメリカンドリームの蔭で小企業を育てるインフラとして、
1つは法制度でも集中排除法、不公正取引法などがある。これにより大組織のもつ非効率や自己中心になりがちな傲慢さが抑えられ、
2つには差別を禁じ、
3としてマイノリティー(少数派民族)を支援する少規模企業法(SBA)が陰で支援してくれる。移民が新しいアイディアで起業でき社会が活性化されるのである。要するに外国生まれであろうとなかろうと、日本で起業すれば雇用が生まれ所得税もふえるし、その分年金負担もへるという経営者の考えである。

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