2013年8月1日木曜日

13801中国の成長と急下降の兆し? [046]

13801

中国の成長と急下降の兆し? [046]
2年2ヵ月後に見直してみて、ほとんどが間違いはなかった中国の現状。

新幹線を中国の技術だと米国でテレビ宣伝を始めた。しかし高速鉄道が脱線し、中に人がいる列車を埋めて隠そうとしたことも白日の下に報道され広告も中止になった。流石に多少はまずいと思ったのだろうか。恥はないと聞くから。

米国から見た中国の問題は、その巨大な人口と軍事力によるアジアでの無法ぶりである。「13億の人口が生み出す輸出のチャンス」を売り物に投資を引き寄せるが、撤退時に丸裸にされるコストも考えるほうが良いと聞く。武力やハッカー攻撃など自制心を失ったかのような傲慢さが目につき、繁栄は長続きできないだろう。どう付き合うかである。

中国人と付き合って友人ができたと勘違いする人がいる。中国にも良い人はいる筈だが、米人のように数年かけて観察したほうがよい。米国では台湾か香港人しかバランス感を感じる人(人との間合いを尊重する人間)には、まずお目にかかれない。

上海に住むS社の支店長の「1日長く居ると、1日分人間が悪くなる気がする。絶対信用はしません」という言葉が、いまも耳に残っている。終戦時に満州から引き上げた先輩も同じことを言っていたから今に始ったことでもないが。1人1人はよい人で、集団では狂いだすというのは事実か、それとも統治制度の問題かとも思う。

①相互平等条件で

日本企業は徹底的にパテントで防衛し、要所に中央政府とのパイプのある政治家の後押しがない限り、中国の政府の要求するような高額な最新技術の生産ラインを持ちこむことや、量を追いかけるビジネスは必ずコピーされるから避けた方が安全だ。人口増大も2、3年でピークアウトするし、その前に資源不足でのインフレ、水、オイル、食糧など問題は山積みだからである。物不足の究極は徹底して汚染させてしまった水資源であろう。  

(A)外国企業の買収は条件を付けよう    中国によるアメリカの石油会社の買収は議会の反対で実現しなかったが、チリ銅山の1社が買収され労働争議では「不満があるなら中国人で置き換えるぞ」と答え問題になった。アフリカでも同様な問題が聞こえる。
中国資本の入った会社が日本の資源がらみの会社を買収したり、水源のある山のゴルフ場を買収する場合は、安全保障の面からも、相互取引条件の立場からも、中国が自国で外資に適用している資本の移動規制と同程度の規制を設けて当然である

12年オバマ政権は中国企業Ralls社が西海外の軍用無人操縦飛行機テスト場の隣の風力発電農地の買収を禁止させた。これに対し、自由な投資を妨げるという訴訟をおこし、米国の軍の機密保持にどう違反するかを争い、法の弱点を探り、法廷闘争で何が秘密かの思考を探る諜報戦と言われる。米軍の極秘のリモコン操作できる無人偵察機のテストにどんな電波での制御かを調べるのだろうか。http://qz.com/55046

外国人の不動産取得については、母国のルールと同等かいずれかの厳しいほうを適応することにして、面積、場所、用途などにより1度取得したものでも、ルール上の問題があれば、さかのぼって自治体や国の許可を要するという法律が必要かもしれない。
違法な場合、できれば強制命令や閉鎖、没収まであるべきだ。外国が土地を所有するということは治外法権を認めるに近いからであるむろん他国企業に偽装して欧米などの会社が買収する形をとるだろうから、これもややこしい話ではある。

(B)2つの中国論を蒸し返す破綻した議論  
尖閣をめぐる中国(中華人民共和国)の最近の日本への非難は論旨を欠いている。韓国もマネをするが後ろめたいことがある時は先に言ったもの勝ちと「日本は歴史を改ざんし、21世紀になっても再び植民地政策に訴えて中国を侵略しようとしている」と言いがかりをつけている。そこまで言うなら「中国」は地方名で国名ではない。中華民国(台湾)とは別の対立国として、49年10月にあとから創設された中華人民共和国は別な国で、中共国の方が適当である

いうならば「中国」地方にあった会社が立ち退きさせられたあとに、類似商号の会社ができて、創立以前に立ちのいた他社の社歴を語るような話ではないか。中華民国の権利義務を継承してもいないものが、誕生以前にあった別な国(日本)から被害を受けたかのような非難をするなら成りすましであり、当事者か否かの二つの中国の問題の再燃である。

日本は52年サンフランシスコ平和条約、56年の国連加盟以降、一度も他国に侵入していない。片や中華人民共和国はインド、旧ソ連、ベトナム、チベット、ウイグル、フィリピン、そして日本、7国以上と領土紛争若しくは戦争をおこなってきた。これらの国が対中共国国境確認の共同訴訟を起こしてもおかしくない。誰も反論しなければ太平洋を米中で2分しようと主唱し始めたと米紙WSJの報道がある。

② 経済破綻はあるか

中国版囲い込み;景気回復に過去4年分の融資100兆円を返済するには資金不足だと言われる。最近は農民の土地使用権を1戸あたり200万円(平均1300坪)くらいで自治体の党員(行政官)が囲い込んで買い、開発業者に15倍の3500万円くらいで売って大儲けするスキームが、買い手が少なく空家が増えて破綻状態という。

シャドーバンクで借りて広い土地を買い占めた自治体は、この開発をストップされたら財政破綻する程の金が動いているという。これもGDPの5割を占める設備投資なら、全体数字も怪しいという。

全体では途方もない金額が焦げ付く可能性が起きている。上海での短期金利が1日で7%から13%の暴発した。(開発停滞する曹妃デン;The Daily NNA;6-25-2013)


党員の子弟は米国に留学しBMWに乗り豪勢な学生生活を送っている。片や農民は都市戸籍をもてないから土地の使用権だけ売っても行き場がないというのが各地での農民の反乱の原因だというから、始末に負えない。自治体の党幹部の私欲対農民の利益という対立だが、中央の舵取りも極度に難しそうである
英国の大学院に留学した日本人の学生は、かなり田舎の学校なのに中国人70%、韓国人10%、英国にいる感じがしないという。中国の大都市のインターナショナル校は英語校に限らず大繁盛というから、これらの生徒はみな脱中国をめざしているのだろうか。

③ 中国を救える方法


中国が破綻しても同じだが、元を増刷すればインフレになり、食えない農民が暴徒化するから、むしろ戦争した方がましだという。今に始ったことではなく、毛沢東や鄧小平が1億や2億はいなくなった方がよいと脅した時期があったが、難民などを厳しいルールもなく受けいれるのは大反対である。陸続きの周辺国は堪らないが、へたに同情はしない方がよい。

4億人の湾岸部の輸出頼りの発展だけで、03年から世界は大変な資源不足とインフレになった。さらに内陸にいる2倍の人口を輸出で支えるのは無理だと説得する必要がある。輸出頼りをやめ、国内での消費を増やす経済発展が求められているのだ。公共事業投資がGDPの5割とか異常に多すぎるのである。


そこで『どの国も10億人以上を統治して長続きした経験はない筈だから、アメリカやインドのように湾岸・中部・西部で数州に分割し、さらにそれぞれ異なる通貨を用いる独立した自治体となり、段階的な成長をする中華合衆国を形成する議論もあってよい。』という提案。北京の経済研究所の学者にこの話したら『主権の問題だ』『内政干渉だ』と強く反論されたが、貴方の国も他国のことに口を出しているではないかと反論したが。

自治体間の出稼ぎ制度は続いても、格差是正のため農村部の急速な経済成長が抑えられ世界的な資源インフレ、モノ不足による国内インフレ、地域格差から生じる不満、日本をエンジュの木として非難する必要も減るだろう。

③ 社会主義国最大の弱点は国の構造問題

(A)人権の上に党があり法治でない 
まずは国の構造として全権をもつとされる人民会議は共産党員のみで、1党指導(独裁)の立場である。党員を選挙で選ぶというなら変わるが、人権(憲法)を党より上位価値にできなければ、法治国家ではないし、民主主義にはならない。鄧小平以降は米国を手本にしてきたかに見えるが、核心的な表現の自由(政治批判)を力で抑え、報道を監視する点で、長く存続するには大きな欠陥を内包している。

もうひとつはなぜお互いが信用できる機構をつくろうとしてもできないのか。法律の表現をあいまいにし、適用する役人にも個人差を作り“人治国”という。有利な解釈をしてもらうため地方で賄賂がはびこる。この改善こそ外資の安心できる投資条件である。
大国で1人ひとりいうことが違うから、外国の投資家もいつの間にか《落ちこぼしをする人が大人、おちこぼれを拾う人は小人(内山完造書)》という奇習に染まる。

政治は共産党独裁でありながら、対外的には都合がよいところは相手国の自由(貿易)主義の権利を主張するやりかたを採る点だ。
米国では経営者が政府の民間への介入や〈資本注入〉を嫌う理由は、規制する側とされる側が中和(ニュートラライズ)されて、全く無規制(無責任)になるからだ。社会主義に対する根本的な不信がそこにある。必ず秘密主義がついて回るからだ
つまりは個人でもいえることは、自分でルールを創り、それに従って国民の利益になることを続けられる程の自制心をもつ人は少ないからである。そこで、外から見える透明度が求められるのだ。

(B) 現在も武力でウソと偽りを押し付ける国  
そんな難しい話でなくても、DVDやCDの95%は海賊版といわれる社会では、偽物が本物を圧倒し、不正がまかり通り正義が勝てない社会である。
昨年も上海の《下水に浮く廃油からとった安い食料油の販売を摘発》という記事にうんざりせられた(*)。食品もボトル水でも中味は水道水をつめた偽物がでまわり、シカゴのオヘア空港で手広くレストラン店を経営する友人の会社の中国人マネジャーは『醤油など調味料も絶対に日本品を』と主張するという。(*9/2,2011/09/02www.nna.jp

外資でも過去に国営企業との合弁を強要され、競争力のない管理職を多数送りこまれ、経営危機に陥った会社は少なくない。
  4、5年前になるがシカゴの大手電器メーカーM社責任者は配当をアメリカに送ろうとすれば、中国がよく分かるといった。結局この会社は中国は投資の意味のない国として撤退を決めた投資は見かけは連結できても送金できないなら、中国に取られたもいえる。最近ゴールドマンサックスも撤退したと報道された。

最近もかなり大手の米国の投資専門会社が『IPO(株式初公開)というから投資したが、中味がほとんど虚偽の報告書で、もう2度と中国には投資しない』と叫んでいた。決算内容も作文ばかりで銀行の不良債権は25%といい、利益率がどの位か分らない。外資百パーセントも認め始めたが、投資条件もどんどん変えられ、引くに引けない会社も多い。

加工製品を購入すれば偽の安い材料を少しずつ混ぜて増やしてくる。販売なら心配ないと考えてどんどん売れば、依存度が2~3割になるまで購入額を増やし、急に注文を減らしてくる。会社がおかしくなると付け込んで『ライセンス生産か資本参加させろ』。

希土類や尖閣では国が同じことをやる。例外もあるのだろうが『要するに普通の継続取引ができない人たち』で『もともと借りた金でも返す気などない国で、償却などしない国ですから、投資は寄付です。』と元大使はいう。 

上海の住宅ビルは美しいが、築2、3年の高層マンションも壁から水漏れがするケースが続出と騒がれている。さもありなん、6年前に見せられたビルの柱は下の階の柱と10センチ以上ずれていたし、工業団地では隣区画からの下水パイプは、1メートルも図面とは横にはずれていて『こんなこと考えられます?』と日系企業から聞かされた。   
  何かの支援を頼んできても借りを作らぬように、共同研究という形でいわれる。キチンと先方の依頼内容を文書で残してから有料で支援すべきである。進出企業は熱烈歓迎というのは自治体レベルの話で、その場限り、北京にとっては人質である。商店の打ち壊しをやらせたとは言わなくても、犯罪者として罰していないなら国家公認であろう。

1党独裁、法治は外見だけというのでは、結局は私利(賄賂)と武力だけの世界にとどまり世界のリーダーになれる訳があるまい。毒入り餃子の判決に3年もかけて、法治を売り物にし食材輸出に力をいれ始めたが、自国民が信用していないのだ。
日本へも多数の旅行者が来るから、ただ見物して帰さず、旅行者健康保険を売り日本のすぐれた福利厚生や医療サービス制度を理解してもらおう。中国内での医療需要を創れば、時間がかかるが軍事力削減にも役立つと思う

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