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中国との互恵関係は可能か
(再びの冷戦時代か中国の救済か)半年前の記事を再度掲載します
米国マクドナルドが中国製ピンクスライム肉の使用中止(Pouch7・24・2014)で大騒ぎになっているが、全品検査をし続けない会社は、輸入禁止すべきである。見ている目の前で、少しずつ不良品を混ぜてくる国だという大きな証拠である。
(40)に述べた補足を加えたい。
東西のビジネスの違いがハッキリ見えてきて、結局は中国のビジネスは孫氏の兵法「詐をもって立つ」国であった。自分の都合で、法律でも何でも変えてしまい、同国へ進出した工場は略奪されるに近く、撤退するならただ工場を閉鎖すればすむどころか、誘致したときからつくったインフラ料金も払えという。輸出でも欧米の競争相手を潰し、市場を略奪するに近いやり方である。数年間の現地情報を繋ぎあわせると、流れの形が見えてくる。
西側では巨額な生産投資を抑えて販売価格を維持(資本主義の極致?)
「原発即時停止」を叫ぶ声もあるが、近未来のエネルギーはどこに向かうか不透明である。
不透明な状況で、巨額の投資を行う企業は少ない。それで米国でも掘削はさかんだが、石油精製(リファイナリー)に投資はする会社が殆どない。生産能力を減らし市場価格をあげたほうが投資リスクがないばかりか、利益をあげるには有利だと考えている。
同様に製紙業界では米系大手が古い工場を生かして、3~4年の新工場を閉鎖したりするのもその1例か。これらは、利益率の維持のために、過剰生産をやめて販売価格を維持しようとするもの。
- なぜこうなるのか?それは企業会計での報告義務が年4回になり、経営者が短期視野になり、毎4半期の業績を追及されるからである。(私見を述べれば、2次オイルショック後、金利が20%になり、81年にビッグ3のGMが経理マンをCEOに指名した頃からではないか)
- 経営者も給与より株価をあげるストックオプションのほうが、受け取り収入が桁違いになるので、ワザワザ知恵を絞るイノベーションや設備投資をしないで、株価のつり上げをするのが、自己利益に有利になったからである。
- それには、国益はどうあれ工場は低賃金国に移し、労賃差で利幅を増やせばよいという訳で、人口の多い中国にもっていった。それらの会社は、この10年ほど前からは、静かに米国に戻りつつある。
東の略奪的経済?(社会主義国の戦略)
中国のやり方は逆で、それはソーラーパネルや製鉄業にみえる。利益のために投資をする資本主義の原則ではなく、将来も不可欠な産業とみれば、過剰なまでの生産設備投資を行い生産コストを下げ、過当競争で市場価格を下げ、競争相手に打ち勝つ戦略。国内は過当競争で倒産したあと国有企業が安く買収し、会社を更生し、マーケットシェアをとり、株でも儲ける。
製鉄では需要4億トンと言われた数年まえから、現在は製造能力を9億トンに増やす。鉄の需要の半分といわれた建設用は、高層住宅につかわれ、結果は昨年騒がれたシャドーバンキングで空家が急増。その余剰鉄鋼は海外に流出し値下げの原因となる。もういつ破綻するかという声が聞こえ初める程で、無計画経済といわれても仕方があるまい。
製鉄では需要4億トンと言われた数年まえから、現在は製造能力を9億トンに増やす。鉄の需要の半分といわれた建設用は、高層住宅につかわれ、結果は昨年騒がれたシャドーバンキングで空家が急増。その余剰鉄鋼は海外に流出し値下げの原因となる。もういつ破綻するかという声が聞こえ初める程で、無計画経済といわれても仕方があるまい。
実需で設備投資するのか、それとも価格で競争相手を潰すための過剰設備投資か。なにも鉄鋼業がはじめてではなく、液晶パネルを使う家庭娯楽のTVから、パソコン、スマホなどのコンピュータ・通信機器も量で単価を下げる競争になった。
- 中国では、売上げ至上主義プラス投資株価だから、それで副収入の最大化をねらう。
- それには最初は民間でやらせて外資を導入し、技術移転が終ったら、企業がどうなれ過剰投資をあおる。そして破綻したら国有化して自分の権限がふえれば収入増になる。
- 『初めに井戸を掘った人は忘れない』というのは、上層部のリップサービスと思ったらよい。
規制をいかに逃れたか(ダンピング法や集中排除法は無力化)
世界の製造の中心という位置づけは、様々な方法で、多分に違法なやりかたにより、技術やノウハウが収奪され、家電からオフィス機器、ネット・通信機器までの製造が移転した。国内メーカーが残っていなければ、ダンピングも集中排除法も苦情を申し立てる会社が日米ともにいなくなる。
後進・新興国は社会主義の計画経済で、熱烈歓迎。ところが、そのあとは技術も人材も詐取されたに等しい。強制的な合弁要求で、中国メーカと組まされ製作図面が渡り、段々ノウハウを失った。製造をやめると全体を注目しなくなり、世界市場全体を監視する部局が減ってしまった。集中排除法は棚上げ、大きいことは良いことになった。(夜間に金型が移動してコピーされた噂は絶えなかった)これは軍手(手袋)の例が一番判りやすい。
後進・新興国は社会主義の計画経済で、熱烈歓迎。ところが、そのあとは技術も人材も詐取されたに等しい。強制的な合弁要求で、中国メーカと組まされ製作図面が渡り、段々ノウハウを失った。製造をやめると全体を注目しなくなり、世界市場全体を監視する部局が減ってしまった。集中排除法は棚上げ、大きいことは良いことになった。(夜間に金型が移動してコピーされた噂は絶えなかった)これは軍手(手袋)の例が一番判りやすい。
西側では限りなくグレー、或いは違法な行為が許される国がある場合、その手法での進出企業の製造の収奪による製品が輸出に廻る場合、これをどこまで許して、世界経済は廻るのか。
単純化すれば”自由貿易”は国外だけの収奪グループと、民主で(人権と法治の)西側グループに分かれている。平和な取引が続けられるのかという課題の解決は未だない。
東西両者の間での共存の条件はあるか
TPPで話題になっているISD条項Investor-State Dispute Settlement(略:ISDS)があれば、進出したあと投資側が不利になる法律ができる場合は、国を訴えることができる。日本人でこの条項に反対している人は中国を知らないのだろう。
すでに中国から3万社も撤退したといわれるが、こんな条項があれば救われた日本企業も多かった筈だ。(中国の裁判が日米のような法律に基づいていればだが。)
国有企業はその活動が国内に限られる場合は、それが土地の所有や通貨の供給などに限られる場合は、ある程度は許容されるものであろう。
ここで1党独裁の政党幹部が担当する多数の産業分野の国有企業が、国際貿易やM&Aにより外国の市場に参入してくる問題が、なにを引き起こすかを考えたい。
考えられる条件がある;
① まずは相互主義の平等という立場を明確にする。
中国が土地は国有で外国企業が土地を所有できないとすれば、中国企業は外国では土地所有は許されず、また金融業への参入は厳しい規制があるべきであること。投資相手国への現金の持ち込みを制限下に置き、現金を相手国での贈収賄に使用することを禁じる。
② 外国企業との紛争の処理方法;その国の法によるものとするのは、法管轄権からも当然であるが、バックに独裁政党が控える企業との対等な法廷闘争は厳しい前払い預託金を払うなどがなければ不可能に見える。
③ 国内消費市場を拡大できる条件を満たしていない場合の互恵はどうするか。中国経済の破綻を防止するには、GDPの45%もの設備投資(実際は農民を都市住民にする都市部での高層住宅投資)を減らし、輸出頼りから市民所得を増やす消費に切り替えるしかない。
仮定の話しとして、中国が国内市場の育成ができない国だとすれば、そしてその理由が、国内でのパクリが許される国である場合、(いわゆるコピーを法的には禁じていても、司法制度があってないごとくで、法の執行機能が殆どない国であると仮定すれば、またそれをアンフェアであると苦痛を公にできるメディアがなく、求償制度がない国と仮定すれば)外国企業の持ち込む技術による、市場拡大はできず、消費は伸びないという結果になる。つまりは、外国企業が中国に進出する条件との互恵関係は築けないことになる。
ところが、市民所得はインフレ要因になっているいるから、給与の上昇はできず、為替の自由化も出来ない。という訳で、輸出ドライブは国内経済の拡大にできないという。
西側の対策;
すでに中国から3万社も撤退したといわれるが、こんな条項があれば救われた日本企業も多かった筈だ。(中国の裁判が日米のような法律に基づいていればだが。)
国有企業はその活動が国内に限られる場合は、それが土地の所有や通貨の供給などに限られる場合は、ある程度は許容されるものであろう。
ここで1党独裁の政党幹部が担当する多数の産業分野の国有企業が、国際貿易やM&Aにより外国の市場に参入してくる問題が、なにを引き起こすかを考えたい。
考えられる条件がある;
① まずは相互主義の平等という立場を明確にする。
中国が土地は国有で外国企業が土地を所有できないとすれば、中国企業は外国では土地所有は許されず、また金融業への参入は厳しい規制があるべきであること。投資相手国への現金の持ち込みを制限下に置き、現金を相手国での贈収賄に使用することを禁じる。
② 外国企業との紛争の処理方法;その国の法によるものとするのは、法管轄権からも当然であるが、バックに独裁政党が控える企業との対等な法廷闘争は厳しい前払い預託金を払うなどがなければ不可能に見える。
③ 国内消費市場を拡大できる条件を満たしていない場合の互恵はどうするか。中国経済の破綻を防止するには、GDPの45%もの設備投資(実際は農民を都市住民にする都市部での高層住宅投資)を減らし、輸出頼りから市民所得を増やす消費に切り替えるしかない。
仮定の話しとして、中国が国内市場の育成ができない国だとすれば、そしてその理由が、国内でのパクリが許される国である場合、(いわゆるコピーを法的には禁じていても、司法制度があってないごとくで、法の執行機能が殆どない国であると仮定すれば、またそれをアンフェアであると苦痛を公にできるメディアがなく、求償制度がない国と仮定すれば)外国企業の持ち込む技術による、市場拡大はできず、消費は伸びないという結果になる。つまりは、外国企業が中国に進出する条件との互恵関係は築けないことになる。
ところが、市民所得はインフレ要因になっているいるから、給与の上昇はできず、為替の自由化も出来ない。という訳で、輸出ドライブは国内経済の拡大にできないという。
西側の対策;
ここにリストすることは、現在行われていることか否かは、国によって異なるので、一応は起りうることとしての対策をするよう提案したい。
① 国有企業の自由市場への参加は規制しすべきである。理由は上限のない訴訟が可能で、不公平な競争だからだ。これを防止するためには、訴訟当事者になれないよう売上げ利益を限度とした、製造者賠償保険の義務付けや供託金の預託制度などを設けるべきであろう。ISDS条項があれば、中国に進出した企業も救われた筈だ。
また集中排除法=独占禁止法もキチンと活用すべきである。1産業を2~3社の寡占で守るような経済政策を持ち、しかも国有企業である場合は、そのような企業は自由な国際競争に参加させるべきではないのだ。
また集中排除法=独占禁止法もキチンと活用すべきである。1産業を2~3社の寡占で守るような経済政策を持ち、しかも国有企業である場合は、そのような企業は自由な国際競争に参加させるべきではないのだ。
② また国際的に共通の会計法を遵守させ、透明度を強制するのも、同一のルールでの競争上欠かせない対策であろう。司法・執行制度がないに等しい場合はどうするか。
③ 為替を自由化せねば市場機能は働かないから、輸入する側が金額による輸出入規制の壁を設ける必要がある。
④ 犯罪者は罰せられる法治;市場のルール無視をどう予防出来るかである。
④ 犯罪者は罰せられる法治;市場のルール無視をどう予防出来るかである。
最近の中国品の競争では2つの問題が見える(韓国も模倣している)。
模造品の製造を相手市場で始め、ブランドを毀損する。日本や米国などで工場や土地を購入して、本国と同様の違法添加物を盛り込んだ製品をつくり、その国で販売しあるいは他国に輸出する際、儲け優先で劣悪品を造り、環境を汚染する。これにより、その地域のメイドイン・ジャパンのブランドが毀損される可能性が生じる。
⑤ 人材の汚染防止;交わっている日本企業もそのやり方に汚染されるから、犯罪として厳しく処罰することだ。最近も日本の食品工場で農薬混入事件があったが、これは工場での製造工程での混入ではなかった。毒入り餃子や、米国でのメラミン入り粉ミルクなどの加工食品、中国茶はEUで禁じられ、日本食の焼きそば用の紅ショウガやスシ用のガリも半分は毒性添加物が入っていると報じられているが、レストランの営業妨害でもある(『だから中国は日本の農地を買いにやって来る』川添恵子)。
食品と農薬の混入は近燐国の話しだと思っていると、足元が危うくなる。
食品と農薬の混入は近燐国の話しだと思っていると、足元が危うくなる。
⑥ ソーラー発電の会社・土地買収; 多数の留学生の監視制度を含め、学費などは、使用できる地域を郵便番号で限定したデビットカードや携帯で支払える地域限定なものにする必要はないか。そうなると国防上の重要地域は、外国人の立ち入りや据付る太陽光発電は制限せざるをえなくならないか。
⑦ 農地・山林・水源の買占め、特定企業株の買収;前述した水源の汚染、産業汚染の対策であるが、世界での中国からみで発生した問題をリスト化し、解消策を講じるべきだ。
正当な手続きで購入した不動産でも、(国有企業など)公的資金が使われたと判明すれば、あるいはその子会社の資金が使われたとみなされるものは、取引は無効とし没収、あるいは売主への有利子返済が強制される可能性もあると警告しておくべきである。
⓼ 報道の自由は制限される。中国国内での外国企業と社員と同程度に、当該国内での報道は制限される。
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