2014年1月1日水曜日

14043 仕事をなぜ面白くできないのか?(これは弊社の案内に載せたブログです)


仕事をなぜ面白くできないのか?
  これは弊社の案内に載せたブログです)面白くないのか?(これは弊社の案内に載せたブログです)面白く出来ないのか?
仕事をなぜ面白くできないのか?

最近の米国一流大学でMBAを取ったエリート学生は、その過半数が中小企業やワンマン企業に就職し、会社を大きく伸ばす仕事に従事していると言われます。
会社によりカラーが違いますが、歴史の長い大企業ほど安定はしているが面白みがない会社が多いのはなぜか。私自身の15年間トップクラスの日本商社(日本で5年半、米国10年)での経験と、その後25年の創業したコンサルティング会社、他社との創業・経営などの経験をまじえてお話します。

日本の大企業の場合
入社して半年か1年やればわかる仕事を3年もやり、何か新しいことをしなくてはと考え始める。そこで、米国の専門誌の記事を翻訳して顧客に差し上げた。その1つにリースに関する記事があり、これはその後25年以上役立った。(私は6級のソロバン試験に落ち、創業以来初と言われた。)


職務階層が多く各人の職務(責任)範囲が非常に狭い

まず入社して1つの部署に配属されますと、その部門の課長(チームリーダーなど呼び名はさまざま)のもとで10名くらいのチームに入ります。1課、2課という場合もあります。米国ではマーケティング部であれば、商品企画・競合先分析・販売促進・価格政策・プロダクトサポート(修理・サービス・保証)他の課に分かれています。 

このそれぞれのチームの中で、例えば価格政策という課では、競争相手の製品や部品の価格を調べて、だから自社の部品を幾らにすべきかということを、相手メーカー別に調査します。 これが営業部に配属されると、どの地域またはどの顧客にOOを売って来いということで、販売に必要な商品知識を身につけたら、あとは顧客周りを徹底的に実行する。
米系だと25、6才でMBAなどをもった人間は、いきなり課長クラスでスタート。競争相手に勝って、自社品を売り込むためにあらゆる(むろん合法的な)手段で売り込む。成果次第で30才で部長ということもある。しかし、日系だと年功で課長は40前後であるが、2~3年もすれば大体分かったという範囲の仕事ですから、課長になるのは40才だとか言われると、25才からの15年間どれだけ飛んだり跳ねたりしても、時間待ちです。この15年の時間は本当に無駄に長い

 決定範囲が狭く、多くの職位の人が判断に関与する

日本での経験でしたが、産業機械部とかいう50~80人位の組織があり、そこには810人くらいの業種別の課が8課あるというのが平均でしょう。 全体を取りまとめる部長の下に部長代理、課長、課長代理、係長、主任という6階層がシンプルな大会社です。ひどい会社になると、部長代行、次長、課長補佐などが加わり、9~10階層です。

この階層の多い弊害は、どの階層が何所までの範囲の決定権(責任)を持っているかがあいまいで、会議で決める。 稟議書(りんぎしょ)という立案書が下から順番に9段階上がってゆくので、モノが決まるのに時間が掛かりすぎることです。

問題が起きるとお互いに責任の押し付け合いが起こり、結局担当者が悪いという結果の評価になり勝ちです。判断の訓練はなく、権限はあまりないから任されず、責任だけとらされて面白いですか?

私は30前に米国に来て、最初は日本向けの仕事をやりまして、それが運良く支店利益の3分の1くらいまで利益をあげるようになった。もう何をやってもいいから、ここから先は日本品を売ってみろという異例な指令で、ここからは前例のないことばかりのチャレンジでしたが、これは異例なので、一般的な話しに戻します。

 
40才以上の管理職は同じポジションに滞在は35

課長クラス(38才~42才)で3~4年、部長代理12年、部長になって35年で、 5355歳で役員(取締役)にならないと、ラインから外れます。メーカーでは55才定年制を取っている会社が多く、ラインでない個人は55才を過ぎると個々の長所や専門知識を生かした特別職になります。全国大体こういう流れでしょう。

 長所・短所

長所;寄らば大樹という言葉どおりで、安定している点が最大の長所です。また超一流の日本の大手100社に入れば、給与がそこそこに良い点です。本社には一流大学を出た優秀社員が集められ、競争しますからレベルが高いと言えましょう。

最近はボーナス(年俸の約1/41/3をボーナスと呼んで年に2度払う制度)は業績によって増減が激しくなりましたし、一番安定していると言われてきた銀行を始めとする金融業でもリストラも行われるようになりましたので、何所まで安定かは疑問も出ています。

短所;上述したように組織が大きくなると、部署が細切れになるため、それぞれの責任範囲が狭くなり、上司の決定範囲が非常に狭いため、決定がその上に廻り時間が掛かりすぎること。自分の範囲も狭くなるため、仕事の達成感がない。 トップの異動が3年くらいで起きるため、その都度ガラッと方針が変わり勝ちです。特に海外子会社では、派遣されるトップによって、方針が180度変わることも少なくない。

新任は前任者と差をつけるために、前にやったやり方を否定する傾向があるため、3年ごとに現地社員は振り回される結果になります。 プラス評価よりはマイナスの減点評価の比重が増えること、仲間同士での他人との間合い、常にお互いに見られている感じがストレスになる等です。 色々と工夫していますが、「階層が多いために仕事が面白くならない」という構造を変えるのは歴史の永い会社ほど大変で、結局新しい会社を作った方が早いでしょう。

中小企業の場合

組織・階層が少ないためトップに近い
中小企業は日本では300人以下、米国では500人以下の会社で、6080人の部でいえば、5~6部で構成されています。一人か二人の副社長か専務か常務がいれば十分です。(通常は経営責任は営業系・付加価値=製造系・経理系に分担されます) 部には10名位の課があるとしても、全体で30~50人の課長です。

つまりは、新入社員でも3~4階層上はトップ経営者ですから、大企業の6~9階層とは違い、トップの意見や考え方・経営に近く身をおき学ぶことが出来ます。

この点では、中小企業の方が米国的で、早くから判断業務にも参加できます。

任される範囲(責任)が広いため視野が広がる
組織が小さいことの裏返しですが、営業担当に配属されてもアンテナを高く張っておけば、製造部門や商品開発など、あらゆる話に巻き込まれますから、それだけ違った分野の人たちとの接触も増え、経営決定に早くから参画できます。

決定が早く、結果が見え易い
階層が少ないため決定が早くやりがいがあり、アイディアさえ良ければどんどん実行できます。

長所・短所
長所;上に述べた特色は、総てスピードの速い経営に向いているので、長所でもあると言えましょう。トップに近く、自分の意見が反映されやすい点、組織は150人までは個人的な友人に出来ると言われますので、その意味での個人的な触れあいがあり、楽しい職場となります。

短所;トップがNOという場合は、ソレマデですから、良くも悪くもワンマンになる傾向があります。トップから<あれは駄目だ>と烙印を押されると挽回が難しいという点です。

これからの職場
80
年代はソフトバンクやリクルートが新たな旗手として注目されてきましたが、90年代バブル後や08年のリーマンショック後のリストラされる親父を見て育った現在の20~40代の若者や中堅が、大手企業の"安定"を信用しなくなり、急速に日本も米国的な職場環境や考え方を創りつつあるように見えます。

皆さん大企業に入りたがるのは、親父さんが90年代や200
9年の不況での経験で、転業に苦しんだために、入るなら大きい方が安心だという事でしょう。

私のようにマイペースで仕事をしたいと考えた人間には、それよりは自分で転職したり起業してはいかがかと云いたいのです。人間、お金も大事だが飢えて死ななければ、やはり夢があって面白く仕事はしたいという事だと思います。
ナンバーツーでもいいという人もいるでしょうが。 経営者の仕事は適材をえて、いかに1つの方向でがんばってもらうか、元気付ける仕事です。
(ながく同じ職場をと考えても、商品や技術には寿命があり、それは別に会社を維持するには利益を上げて業績を伸ばしてゆかねばなりません。)

嫌な仕事や苦しい場合にも、それに耐えて、どうブレークスルーしてゆくかを工夫するところに進歩があります。そこに面白さを発見できる能力を身に付けるから面白い。 会社は大きければ良いとは思いません。私が社長を兼務したN社は15億円位の売上げになり、『本社の役員も』などと言われたので10年で辞めてしまいましたが。

しかしどんな仕事でも、顧客にも強制され、そこに隷属するようであってはいけない。活き活きとした生気を失ってはならないのです。 それで、元気で楽しく活き活きと仕事の出来る職場を創り上げるにはどうあるべきか、皆が入りたがる会社をどう創ってゆくかです。これを上記の15年間で学ぶのです

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