同一業種・同一商品での生残率は16%
(M&Aが増えるが、業種の境界線は?)
(M&Aが増えるが、業種の境界線は?)
新業種に転換するのには人材育成に時間が掛かりすぎるが、就労人口が減ってくれば待てないから、M&Aがいやおうなく増える。
(1)M&Aの場合;成長の手段として
日本の成長率は2%と聞くと、どの業種も2%だと思い込むような企業人は、その他大勢と横並び競争するしかない。伸びている業種について(14054)で過去のデータから探す方法を述べたが10年間のデータを見ても、業種によっては50%伸びているものもあるし、30%に下がった業種もある。
そこで、貴方がやれることは何かといえば、伸びる業種に人材を投資して参入することである。自分が東京で長年伸びない業種でやってきたのに、大阪に進出して東京でやれなかったことが出来る筈はない。同じ業種に留まって、同じ人材で、同じ物を売ってやれることも他所ではできない。場所が変わればコストは上がるのは常識だ。
会社としてはより伸びのある業種に参入することにした場合、その業種で現状維持かそれ以上を狙うなら、伸びない業種の人材が出ていってやるより、今やっている人たちがやるほうが、うまく継続できる確率は高い。これは日米共通の現実である。
それならば、そういう人材を引き抜いて、不慣れな業種の管理職の下で働かせるよりは、管理職も現状維持のほうがよい。こう考えると、M&Aしか残らない。なぜそれを決められないかといえば、やった経験がある人が少ないから、それで決断できない訳です。
ただ事業部や会社を移動するだけでない 成功確率 業種・商品
業種
商品
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同一業種
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新しい業種
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同一商品
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16%
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34%
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新しい商品
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41%
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9%
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企業買収をする会社には幾つか違った目的がある。日本でよく耳にするのは、経営が頭打ちで伸び悩んでいて、後継者がいないから身売りしたいなどの理由で売りだす会社がある。
一寸データが古いが、米国で創業以来同じ商品や業種で生き延びる確率は16%である。
新しい商品・同一業種、あるいは同一商品・新業種に移っているものは合計75%である。定期異動よりは、地場の会社を買収した方が成功率は高いといえないか。(2002年INC誌特別号)
同じ国内・社会の中で、買収されるA社が、それを買うX社の1部に籍を移動するだけでは、経済効果GDPは変わらないという考えもあるが、今までよりも何かで工夫して相乗効果を狙うという点がプラスに働く可能性があると思う。
後進国で、新規事業を育てる場合は、管理職やエキスパートをを送り込むというのは分かるが、先進国で既存の同業種の会社がある場合には、M&Aの方が早いし、効率がよい。相手国対日本という対決型はトラブルの元でもある。
新しい商品・同一業種、あるいは同一商品・新業種に移っているものは合計75%である。定期異動よりは、地場の会社を買収した方が成功率は高いといえないか。(2002年INC誌特別号)
同じ国内・社会の中で、買収されるA社が、それを買うX社の1部に籍を移動するだけでは、経済効果GDPは変わらないという考えもあるが、今までよりも何かで工夫して相乗効果を狙うという点がプラスに働く可能性があると思う。
後進国で、新規事業を育てる場合は、管理職やエキスパートをを送り込むというのは分かるが、先進国で既存の同業種の会社がある場合には、M&Aの方が早いし、効率がよい。相手国対日本という対決型はトラブルの元でもある。
会社としては、こういう内容でも、個人としては、違った業種に移り、あるいは新商品を扱うといういずれかになる確率が75%だと考えておいた方がよい。
他方で隙間の分野での技術や人材を抱えている会社が欲しい会社がある。必ずしも特定の技術が欲しいわけでなくても、自社のルートで売れるチャンネルでの間口を広げたい場合である。日本の大手ウイスキーメーカーが米国で水ボトル宅配会社を買収したり、オフィス向けコーヒーなどをレンタルしている会社が、米国で同業種を買収したりするケース。
日本も少子高齢化が進み、時間は待てない、人材の入手のためという面が経営をオープンに考える傾向になりM&Aが伸びている。ある程度は人材不足という要素が必要だったのだろう。
時間を買い、重複を減らすという要素
日本人だけの会社で、特に大会社の場合は、自社には米国市場に経験のある人材がいなくても、自前で社員を育成しながらやりたいという考えがつよい。だが本当にスピードのある経営判断に慣れた人は少ないから、ものを決めるのに時間が掛かりすぎている。
その理由は大会社は異業種といえるほど違った分野の寄せ集めで大きくなっているので、考え方や経験がちがう。また先輩後輩という年功序列があるため、足を運ぶのは後輩がいって説明すべきというような手順があり、合意を得にくいからである。1事業部が急成長されても、低成長事業部のトップは困るというようなしがらみもある。
商品分野の技術というのはマーケッティングの考えだが、新たな市場に参入したい場合に、販売網や流通網をもつ会社を買収することで、のれん、人材などを時間をかけずに入手するのが一般的な例だろう。上に述べたが、既に持っている商品だけでなく、新にそれを補完するような商品を加えたいという場合もある。つまり、販売ルート・物流ルート・人材などが入手したいのだ。
手っ取り早い話しは、配達トラックが重複する2社があれば、両方を扱う方が、トラックあたりの荷物の量が増えるから、経費節減になる。
メーカーや販売店のテリトリー
はるか昔に米国での販売網つくりをしていたころ、トラブルが起きるのは販売店の境界線でのことがよく起きた。National Sales Manager(販売統括部長)という職位があるが、このマネージャーは各地域マネジャーの統括をする。ディーラー(販売店)間のケンカの仲裁役である。その場合、頭の痛いのは、A地区とB地区の境界には河とか道路がある。大手顧客がその境界をこえて入札をしたり、購入する場合、調停が難しいのだ。
なぜかといえば、河には橋がかかっているから、顧客でもやる気のあるユーザーは、メーカーのテリトリーのAとBの販売店から見積もりをとり、安いほうから買うというケースがあるからだ。入札する工事はA地区にあるとしても、明らかにB地区のゼネコンが有力な場合、どうするか。
(2) 隙間を狙うと新参者が優位に立てる例
「海賊と呼ばれた男」という小説は評判が高かったが、私が注目したのは、この主人公が何をしたから海賊なのかである。彼は大学時代にこれからは『油の時代だ』と感じ、石炭より石油燃料に目をつけた点で、同じ田舎者でも私たちとは違って時代に目をむけていた点で優れていた。
そして、20代で独立してからは、油の販売店を始めたが、各メーカーの製品の違いに着目した。まずは販売しようとした燃料の軽油と灯油の違い。漁船が使っていたのは税金がとられる灯油だったが、安い軽油が使えないかと考えた。並みの販売店と違うのは、灯油と軽油との炭素量はあまり変わらないからエネルギー(出力)は変わらない筈だと考えて、実験してみたことである。
詳しくは本を読んで頂きたいが、自社のある北九州の門司の代理店になったが(下関にも既存の販売店があったが)、下関の漁船にも売り込んだ。従来の販売は石油缶で納品されていたが、他店の販売地域を侵害していると苦情がでた。
するとドラム缶売りをやめて、海上の船に直接販売するためにタンクを積んでポンプから量り売りできる計量計をつけて売り、漁船の船主の喜ぶ方法をとった。(計量計は自社開発した)。
これで漁船むけの燃料販売を独占的に手中に収めるところから、ビジネスのスタートを切った。彼はそこから縄張りのキチンと決まった日本を離れ、満州に進出して拡大していく話しである。
境界は大事だから勉強しておくと助かる 【余談】
余りにもスケールの小さな例で恐縮だが、米国について直ぐに役立ったことがある。それはUターン禁止の道路でUターンして捕まった事例である。この道路はシカゴ市とエバンストン市の境界でもあり、うっかり左折をし忘れてUターンした。間抜けなことだが、車を運転して2日目で気付かなかった。
警察官2人がでてきて違反だという。
その事実は認めたが、道路が境界の場合は、その中央で市が分かれている筈だが、シカゴ市内ではUは完了していないから、完了したエバンストン側の警察が主張するならわかるが、シカゴ側は法管轄権がないのではと反論してみた。結局無罪となったが、米国は法治国だなと感じた最初である。国際法を受講してよかったと感じた。
その事実は認めたが、道路が境界の場合は、その中央で市が分かれている筈だが、シカゴ市内ではUは完了していないから、完了したエバンストン側の警察が主張するならわかるが、シカゴ側は法管轄権がないのではと反論してみた。結局無罪となったが、米国は法治国だなと感じた最初である。国際法を受講してよかったと感じた。
『法管轄権は意外と重要だよ』と教授に言われたが、本当だった。その後も販売店との係争などで、どちらの裁判所(コート)が判断するかでは、かなり重要性を実感した。
似て非なるケースで上述書にも説明があるが、日中戦争という言葉が使われるが、宣戦布告していない場合は”戦争”ではない筈で、第3国からの燃料や武器を輸入できなくなるのを恐れて、布告しないことは多い。
だから、不意打ちは卑怯だとかいう議論を恐れるなら、日米で開戦になる前に宣戦布告はしないと事前発表していたらどうなったか。タラればの話しだが、当時の軍人リーダーは分かってやっていたのかどうか疑問に感じる。
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