2014年4月9日水曜日

14082 ベンチャー・起業の必要性(2)

14082

ベンチャー・起業の必要性(2)
(リスクのない起業はないが、それは大企業にいても同じ)

利益か売上げかという考えかた

日本人のビジネスは利益追求型ではないというのはウソで、どこのメーカーも利益は追求するが、どちらかといえば、不景気にレイオフしにくい欧州型だから、『売上げ達成できない人はハローワーク』などという米国でもアグレッシブな会社の常識は通用しない。

それで、社内留保の準備金を厚くして、大企業のトップ経営者でも5千万円位の年報が多いが、欧米のトップは1桁多い。その代わり、細かいことは部下に任せ、自分はいかに目標を達成するかという経営をするから、効率が上がらない経営はやっていられない。
他所にもっと伸び率の高い業種や技術が現われれば、それを取り込まないと自分は経営者として2流扱いを受けるから、おちおちしていられない。

ベンチャーの1例

1例として会社を創業して、やれそうだと考えた経営陣に著名な大手投資銀行の社員が参加したケースを紹介しよう。この会社では、元大手の管理職だった人が、ある大学の教授を兼務しながら自分の考案した技術をベースに創業した。業界の知人をあつめて、軌道に載せるために必要な人材の報酬を、給与と株式で払うべく、投資家を集めたケースである。(数字は概略)

種類・段階
金額(ドル)
株数
転換社債
$3,000,000
   * 15,000,000
A株
$0.49x
15,000,000
B株
$0.19x
20,000.000
C株
$0.001x
15,000,000

小計
65,000,000
転換社債D株
$0.001x
10,000,000
経営陣・社員

(*15,000,000)

総計
75,000,000
スキームは、大きな会社にすべく、必要な
 人材を引き付けようと、株式でも1部を払い
 儲けてもらうというもの。

  その技術がかなり説得力があったため、投
 資銀行のエキスパートも加わり、転換社債を
 発行し、初期の人材・投資家(*)には転換社
 債を株式にする額より1桁やすく株式を発行
 しD、C、B、Aと発行する株価を上げてゆ
 く。

例えば1株の額面単価を初期*とABCは額面は$0.001としながら、実際は$0.19、$0.49と実績が上がるにつれて安定したぶん(リスクが減っているから)売値を高くする。
この会社が生き延びて$1.00の株価になれば、初期に参加した人のD株は1千倍、C株で何万ドルかの投資家は同様、B株1万ドル以上で5倍、Aでも2倍になるから、全員がハッピーになりやすい。

顧客が欲しがるよい技術だと、見える製品やサービスの形にしする。こうした方法はポピュラーだが、どういう規制で投資家を保護するか、それでいながらリスクを承知で投資するのは重要な経済行動だから、そういう投資家のインセンチブは伸ばしたい。このバランスが重要になるだろう。
最近はクラウド・ファンディングなどという方法が開発されているが、問題の発生にあわせて規制も増えるだろう。


イノベーションはなにか

ベンチャーは大衆(高齢者)のお金を集めて株主にして儲けさせるのに新技術を使うことをビジネスモデルにできる人である。創造力があって、設計におり商品開発のCADCAMが分かる人や、造形の1部に携った人であろう。
動機が利益でないビジネスは、投資家を集め儲けさせるという考え方が理解できないから、資金が集まりにくい。私も日本的な経営と、その1部を手助けする支援サービスを分担したほうである。

家電品はもうコモディティー、汎用品になって、これ以上の進歩はないかと思っていたら、掃除機では英国人がダイソンという新型で侵入してきたし、床だけを回転しながら埃を吸い込むロボットもできた。スエーデンの会社は1個500万円のゴミ箱、これはG5の圧力が掛かっても変形しないとか。

サラリーマンから起業できない理由は、経験が半分、勇気が半分か

現在の会社にいれば、失うものが少ないが、起業化すると総てを失うような気になるもの。これは殆ど根拠が少ない恐怖である。周りに成功した例を知らないからであり、または得べかりし利益を失なっていることは考慮に入っていないからとも云える。

商社マンだと給与は頂くものではなく、稼いだ1部を払うのが事業だが、同じことを受け取る立場から見るか、払う立場かでみたにすぎない。大体40前後で課長になれば、全員が払う側のメンタリティになる。だから、嫌でもその時期は来るから早いうちに経験した方がよい
トヨタの名誉会長が日経で『判断・決断・実行』を『創造・挑戦・勇気』特にやりぬく勇気を重んじたと。今のサラリーマンは批判されないためのレポートつくりばかりしているから駄目。

若いうちだと時間があるから、何度かは失敗できる。雇われているうちに練習しておき、成功する率が増えたら、独立してやればよい。誰かがうまくいっていると、同じことをやろうと、学びにくる。
その考えは例えばコンビニのフランチャイズを買う場合、同じ地域に何軒を開かせるかによって、自分の売上げ(利益)は限られる。その地区の人口がどう変化するか、何軒がオープンするかでも自分のリスクは変化する。米人はそれを何社で分け合うのかを調べる。そして人と組んでも他の地域でも開店して、得意分野を分担して売上げを伸ばし、リスクを減らす努力をする。

価格競争になって利益率が下がって2割以下になると、他のものを探して販売した方がよいと考える。1つの地域にどれ位の工事があって、その内の何を特色として伸ばすか。おなじ物で取り合いして利益額を下げるのは賢い経営と考えない。

ベンチャーというのは資金集めの1つの方法で経営には余り興味を持たないケースが多い。似て非なるM&Aにも触れておきたい。

従来型の工事屋でも2~3千万円稼ぐのは経営者だから

全国に3千万戸の家がある場合、それのどの位を抑えたら自分は幾ら稼げるかという考えで、時間当たりの修理工の請求費は時間60ドル(6千円)とか決め、数人を雇って経営する。本人に渡るのは40ドル(4千円)とすれば、修理工は正味5時間働けば、5hr x 4千円 x20日=40万円。6人雇えば6人x5hr x2千円x20日=120万円、ここから諸経費を引いて、フル回転で経営し
利益を出すには、何を扱う販売店をやれば販売のマージンが幾らか、メーカーはどこにするか。
これと、大会社の勤め人とどちらが儲かり、やりがいがあるか。

多くが確定申告をする米国では、ローン金利は経費で落とせるから、壊れそうな家に住むのは余程こまった人で、通常は再販価格を買った価格に維持するように、綺麗に改造していく。これが大きなビジネスになっている。

これが、どんどん横展開できたのは、住宅着工が増えていた時代。いまは逆に、老人ホームや介護センターに土建やさんが転業している。だが、資源としての老人は減ってゆく。やはりポジティブな部分に投資したい。


0 件のコメント:

コメントを投稿