2013年9月10日火曜日

13904早く学べば有利だが、それだけだろうか(61)

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② 教育とは早い者勝ちか(3歳までの言葉の量が勝負?)

日米の違いの大きなものは、米人だと一般の労働者や作業員でも自分の意見を持っているが、日本人は自分が仕事で拘らないことは『私などが』とか『私は関係ない』と避けて意見を持っていても言わないことだろう。社会がそういう発言や発信を抑圧するというが、自分の権利主張はできるのに、表現の自由はマスコミや学者の仕事だと思っているように見える。これが教育での問題ではないかとも思う。

3歳でゴルフを始めたタイガーウッズ、4歳での松山英樹などスポーツ、伝統芸能などでは早く始めた人が秀でるようだが、ビジネスマンはどうなのか。
スティーブジョブスは13歳で電子部品製造メーカーでのバイトを始め父親から部品の機能を学び、ビルゲーツは20前後でプログラムを製作していたという。

子供の興味は親の影響による部分が多いが、親が子供の自由でと、意見を言わない。日本での父親の単身赴任が子供の学習や就職に与える影響は考え直す時期かもしれない。
従来の学習、入試、大学、就職というコンベアーで組織から次の所属に移るワンパターンそのものが、創意工夫の障害になっている。

学ぶのは学校と塾だけ、その先に職種という選択肢があるという勘違いがある。早くから、モノを作ったり売ったりすることはビジネスの世界では役立つと思う。親の自由放任で、子供の教育に目が届いていないのが勿体ないと感じる。

IT産業の基本用語は英語だけと神や仏が決めた訳でもあるまい。しかしITが英語で書かれたソフトでここまで発展したなら、今更ゼロからのプログラミングを日本語でやる必要はない。できるだけ早く英語の基礎を教えることだろう。組合などで教師の都合を優先させると《どんなに画期的な方法でも、既存の組織を否定するものは内部では採用されないから、外でやってみてから取り入れるしかない》とクリステンソンがいう。やらずおいて競争に勝てないと、生徒が来なくなれば変えるしかなくなる(注3)。

話す能力;

シカゴのバイリンガル教育セミナーでの意外なデータがあると知った(*注)生後1歳の幼児期に親がたくさん語りかけてた子供ほど成績がよいというのである。

人の脳細胞は3歳からは急に数が減りだし、残りの人生は30%くらいで生きてゆくから、3歳までの教育が大事だという。
3歳までの家庭での育児スタイルで、子供の勉学姿勢が決まる部分が多く、地域での親へのガイダンスも重要になる。(*12年;シカゴ日米協会・日本商工会共催;山本まり氏、札谷新吾氏、ピアッツアなつき氏他)シカゴ記事

宿題の後に親の意見を求めるのも良いやりかたらしい。親も子供の特長や得意な分野が何処にあるか分ってくる。地域で一生を終えることになっても、言葉をキチンと教え、また親子の絆と価値観がちゃんと伝わる家族の中では、子供は入学してからの学習がはるかに楽になるようだ。

9歳の大学生

《ここまでは勘弁して欲しい》と思うかという話。IQ200以上で9歳で大学に入学
し、21歳で超1流のシカゴ大学で博士号を授与された矢野祥さんは日本でも報道された。シカゴ郊外の町にある日系企業役員の息子さんで、胎教や幼児教育に力を入れたらしい。生後6ヶ月で日・韓・英語を聞かせ、数え方は階段の上り下りの身体で教えたそうだ。妹さんも10歳で大学に入ったというから、天才というより幼児期の親の努力でIQも変わる感じがする。間に合う方は参照されると役立つかもしれない。(シカゴ大;原爆の開発、経済学のノーベル賞受賞者などで著名)

米国のような英才教育の専門校をつくるか、小中学校などで授業の課目別の飛び級(*)を認めることも必要だ。戦後の日本は飛び級(*)を認めなくなったが、10年早く博士ができれば素晴らしいことだ。金銭的にも米国の私立大なら学費ほかで4000万円以上の節約になる(*中学生でもレベルが達していればその課目だけは高校で受講できる)。
博士号はむりでも幼児期に数百冊本を読む保育園があれば、かなりレベルが上るらしい。2日で1冊は家庭だけでは予算もあり難しいだろうが、ネットなら新しい産業分野の開拓になるだろう。

③ 教え方か(カーンアカデミーは独特な学習法)
ハーバードやMITで学位を持つカーン氏が5、6年前に始めたネット教育塾がある。ビルゲーツも自分の子供の教育に使い、ゲーツ基金からも支援があるという。数学や理科などは、どこか1ヶ所が引っかかり先に進めない時、そこだけを違う説明をしてくれれば、なるほどと理解できる。今では世界的に広まり毎日のアクセスが100万以上という。

英語さえ分れば算数や理科が苦手な生徒は、何度でも同じところを画面をみながら聞いて学習できる点で画期的である。しかも無料である。個々人に合わせた学習ができる。大量生産的でないカスタマイズした各人の特色を高められる。教師対生徒でなく教師はコーチである。生徒間で教えあえばコミュニケーションの力が高まり、地方の偏差が減り、子供の塾通いの時間や交通費を考えると、サイフを握る親には朗報かもしれない。

④1つだけ飛びぬけていれば、すべての学科に優秀な必要はないか
中学生の子供をもつ友人の話しでは、すでに『米国の学校では、どういう職業につくには、何を勉強しておかなければならないかを教えている』という。いま勉強していることは何に役に立つかが、具体的で子供にもピンとくる例で説明できる教師がいるのだ。
芸術やスポーツに才能がある人を別として、一般には職と自立のために学ぶのが第1とすれば、付加価値の高い仕事には数学と理科は欠かせないと思う。正解が1つでない社会では、予測のためにデータで絞ることや統計の分析が役立つ。

独断と偏見をのべれば
小学生くらいから、工作や組み立てなど、モノの動く仕組みなどを目で見てやると、それがあとでどれほどの役に立つか、計り知れない。ものをばらして図面を描かせるのもよい。
パソコンをばらして、中味をどう変えるかというコースや、天災、例えば山崩れを防止する技術を考えるコース、植物や野菜の栽培から、新たな方法を考えるコース。そちらから、解決に必要な勉強がついてゆくようにできないだろうか。


これと逆行するようだが、3Dプリンターなどは20年くらい前に硬化液をつかうものは開発され、発展した技術だが、家庭用の試作機が20万円位で市販され注目されている。つぼの様なものは創造できるとしても、個々のリングを作ってからつながず、図面からいきなりプラスチックの鎖を作れてしまうのを観た衝撃は忘れられない。鉄の棒を切って曲げて、組んでゆく工程がない。

いま流行るファブラボが各学校にあったら、どんなに素晴らしいかと思う。

レーザーカットなど専門家がついていないと危険なものは、高校以上か、町のファブラボに切断などは頼むとしても、ディジタルな図形から形を創れるのは、わくわくする楽しいことと感じる。

高校以上なら、さらに経済や法律での問題を議論し考えることも役立つし、先述した倫理的判断(善悪)、批判的な思考も重要だ。紛争に対する解決はどうするかなど、今の社会にある問題のどれを解決したいかで、コースを選べるように出来ればよいと思う。

110点満点?

その前にどの学科に好奇心があるかで選択できる制度が欲しい。シカゴの現地高校生の学校では、100点満点制だが(心理学者の勧めで)エキストラ・ポイントが欲しい人は、更におまけの質問に答えれば105点になるという(95点の子はプラス5で満点)。3択テストでは駄目で4択が良いという。100点で納まらないと困るという全国一律の思考を変えられるし、頑張ることの意味の方が大事かもしれない。

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