2013年9月30日月曜日

13003全米のディストリビューションの標準(03)

 13003


 全米のディストリビューション(在庫・卸売り)の標準

 最近はネット販売などが伸びてきたが、やはり全米を1社で販売網をもって売る大手がおり、こういう会社が、産業用の機器や家庭用の道具などを全米、あるいは広域の北東部とかで販売している。それぞれが、大変な巨大企業であり、株式を上場している会社も多い。

1.全米は1ヶ所から集配するには広すぎる
 
オーソドックスな販売方法で全米をカバーする代表例として、自動車産業はまずあげておこう。 
右の地図は80年代の消費者の最大の購入品である自動車の地域別の登録からみた市場占拠率シェアである。

アラスカ・ハワイを除いた9地域に分けて、大手メーカーは広域マネージャーを置き、更に乗用車、トラック、SUVなどで他社と競争する。

この総合的な戦略をたて、営業、サービス(補守・補修、定期取替え)、出荷拠点・物流拠点からの最短で求められるものを届ける。

ある程度の重量のある製品は輸送コストで拠点が決まるので、自動車と似た販売・サービス方法をとっている。

2.消費者用のスーパーで全米に拡大したウオルマート

1ケ所からスタートして全米に拡大したスーパーマーケットのウォルマートは90年代に百貨店シアーズを抜き世界1になった。

この会社は弱者の戦法を取り続けて、田舎から拡大したが、最近まで大都会はさけてきた点で、ランチェスターの法則を選んできたといえるだろう。今となってはこの5000店の全国店網に対抗するのは難しく、独占禁止法か集中排除法しかないといわれる。雑貨では中国品であふれ、価格の安さを売り物にしているため、国内製造業の破壊者だという批判がある。

3.イノヴェーションは強い(1ヶ所から航空便で全米に集配)

もう1つ1.の例外としてフェデラル・エキスプレスである。この会社はジェット機時代で米国内のどこにでも4時間で飛べば届く点に注目した。(ハワイ、アラスカを除くが)
全米の宅配郵便物を全米の人口比重中心にちかいテネシーのメンフィス市1ヶ所に集め、仕分けし全米に夜間に送り、翌朝10時に届けるという前例のないことを発想し実現した。それまではニューヨークからロスにメールで送ると1週間であったから、少々料金は高くてもという急ぐ需要を掴んだ点もユニークだ。コトラーのニッチマーケットでスタートしたとも言える。

ここで強調したいのはイノベーションが優れていれば、孫子もランチェスターもコトラーのマーッケ ティングも跳び越えられる例外もあるということ。またそれを可能にできる国として、米国の企業環境もあげておく。ただ、何でもありという国とは違うという点である。

4.これからの有望事業はネットを使うことが条件か

ヤッフー、グーグル、アマゾン、フェイス・ブック、ツイッター、リンクトイン、切りがないくらいの新事業が現われて、しかも発展している。これらが既存の物流のバイパス機能としてアマゾンなどもあるが、その他は情報の伝達、意見交換、教育やなどのソフトな分野である。
これらの多くは個人の持つ価値つまり時間、を奪う部分があり、そこに限界もある。人の持ち時間は24時間しかないこと。もう1つは悪用者やハッカーである。

販売ルートとしてのインターネットは、これからも拡大するし、産業用の商品案内・広告などでも広く使われる。マニュアルや、修理要領などはネットで見られた方が便利だし、訂正のたびにページ取替えなどの手間も減る。見ていなかったというディーラーで事故があった場合などは、もめる事もあるにせよ、これからの方向で、ディストリビューションの面でのコストダウンにも繫がる。
 

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