2013年5月18日土曜日

13503大会社に代る選択肢 【003】


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大会社に代る選択肢 【003】


大企業に代わる選択肢はあるのだろうか。大都市の大企業に入る代わりに通勤30分の地方の中小企業で働き、会社を伸ばす。

中途採用で小企業に入る場合は、原料から加工、出荷までの仕事を経験できるほうがよい。主要な製品の流れがわかるからだ。
できればオプションとして給与の一部を株式で受け取りできる交渉をするとよい。だが経営者が確実に実行しない場合は、どこに訴えるのかがハッキリしていないと進まない。

辞めるとき少しでも退職金がでると、交換に株を売る際は、簿価で買い取る契約をしておけば、自分が会社を伸ばした分だけ戻ってくる(会社を伸ばしたのだからとOKするオーナーもいる)。

中小企業の利点は幾つかあるが、まずは通勤で毎日1時間が節約でき、自然がちかく空気がきれいだ。責任範囲は広くやりがいがあり、階層がすくなくトップまでが近いから、じかに考え方を学ぶのも早い。中小企業でも世界でのシェア5~7割などという目に見えない部品メーカーも沢山ある。親会社との取引がある子会社だと甘えてしまい、本人の実力がつくか疑問だ。

 職場での考え方について後にも触れるが、一言で言えば《目一杯に受け取る権利を行使するか、若干でも多く社会に奉仕することを生きる義務だと考えるか》が生き方の違いになる。前者は資格や権利(保護)で生き、後者は地位を上るためというよりは、自分のやりたい事で、実力を発揮する自由度の多い生き方である。

 私は多数の中小企業の創業者と親しくなったが、学生時代にどの科目も多くが「優」の人はいなかった。バランスの取れたというより、むしろ1、2科目だけグーンと優という方が創業に向いていると感じる。話をするとその知識の豊富さに驚く一方で、「これなら自分でもやれる」と感じたものだ。

M&Aなどで会社を買収する理由として、対象となる会社の経営で改善できる点が見えるか、新分野の開拓に少ないリスクで参入するかだ。サラリーマン的に天下り先をつくる利己的な考えだと、事業の伸びは期待できないし、あまり面白さはないのではないか。 
自信がついたら自分の会社を創業し、得意で好きなことをやりながら自分で階段をつくり上っていく。これが新しい方向になっている。  

米人の考え方 

 米人のMBA(経営修士号)をとった学生で、個性的な人や自分の得意分野が気づいた人は、小さな会社に入り大きく伸ばす方に賭(か)ける人も多い。その方が自分の実力を発揮できるから、チャンスは大きく、取り分が大きいと考えるからだ。

米国のトップ500社の4割は海外からの移民かその子供が創業したものである

会社を創設するのは必ずしも経営のプロとは限らない。最近の情報系では古くはマイクロソフト、アップル、16~7年前からはネットスケープ、ヤフー、グーグル、最近はフェースブックなども学生から起業した。アマゾン、ツイッターやリンクトインも加えていい。その後にもめじろ押しである。
なぜかといえば、ソフトやプログラムを作ることが面白いと子供の頃から学べるからだ。

英語だけでは足りない 

 外国での競争がいやだからと日本の会社に入社しても、その会社の商品が国際競争に負ければ、中国、韓国、台湾、タイなどの会社に買収されることも、珍しくない。


ある程度大きな会社で安心して働きたいなら海外へ社内転勤を覚悟するしかない時代だ。海外で採用された外国人社員もふえてきて、ユニクロや楽天のように、社内ではすべて英語でという時代が来ている。日系自動車メーカーでも日本語だけの会社とは米人が取引したがらない。仕事の上では英語なしでは役に立てない時代だから、なるべく低学年から始めるしかない。
しかしあとで述べるが、英語だけでは不十分で、仕事がわかりコミュニケーションと異文化の理解力が求められている。

米国でも日本人社員が仕事だけでなく、逃げずに南京事件、慰安婦問題、尖閣などについて説明できないと、結局は《嘘も100回言えば真実になる》という考えに近い近隣国の意見が米国民の考えに影響力をもつからだ。

高校・大学の7年は5年で済む?  

 役に立たないとは云わないが、今大学で教えている教科は考えることより理解し記憶することが中心である。記憶の部分はパソコンやスマホでますます代用できる時代だから、本人の将来の夢に合わせて学ぶ方がよいと思う。
知っているという知識だけでは、職業人としての稼げる商品価値がなくなるとすれば、あとは入試からそういう学科を削ると簡素化できる。

極論だが、大学で1年半、高校で1年は短縮できる。その分は本人が好きで自分が賭けてみたい分野に力をいれ起業を始めたら良いだろう。
放っておいても学びたいことがハッキリしている人と、学校で教えることは一通り学びたいという学生とが別れるかもしれない。前者にたいしては、あまり課目を増やした詰め込みはしない方がよいと思う。詰め込みで学んだことは殆ど忘れるし、学びたいことを必死で学んだ方が本人の中に残りためになる。

 学生時代に資金がゆるせば1~2年の留学体験をもち、違った考えかたや習慣を知り、異国の留学生の友達をふやす方が将来が開けやすい。
大会社に入っても、役員前のポストも1割以下で、40代で肩たたきがあり子会社に移ったり、契約社員になる可能性がある。ならば100パーセント会社人間にならず、残業するより自分の時間をもち、自分の有望と思う分野を調べたり、アンテナを高くした方がよい。遅かれ早かれ定年後はそういう生活になるからだ。

親元や育った地元に住む事情がある人は、時代の波で会社をいくつか転職することになる。どちらもイヤだからと役所に入れば、高齢化が進んで住民数が毎年20万人以上も減ってゆくから税収は減り、年金もパンクするかもしれない。

 一流大学に入らず大企業やその関係会社に入らなかった人はチャンスだと思うべきである。中小企業に入る人や創業する人の時代が始っているのだ。

それは小さいものを大きく育てる能力を身につけるチャンスであり、身動きが早く上からの圧力はすくないから、自分の個性を発揮しやすい人生なのだ。

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