2013年6月26日水曜日

13615《時間が価値》という意味 【030】


13615

《時はカネなり》の意味 【030】
(時間が価値)


日本に比べて何でもアメリカが安いわけでもない。アメリカでは政府がやると何でも民間より4割はコスト高になるから、民間がやるべきだという議論がある。効率よく仕事をするための英国の教育分野での比較データに基づいているようだ。(民間は4割やすい)

(A)予算が膨らむわけ
政府がやることは営利ではないから安く買う必要もないし短期でやる必要もない。いかに適切な交付・助成かと言う正当化と、ミスをださないプロセスに時間(=人件費)をかけるからだ。国会の予算委員会を聞いていても、安くものが買えるようになる感じはしない無駄な議論ばかりだ。

それでも米国では政府の購入品については「国内最低価格で見積もること」という義務付けルールがあり、競争入札にせざるを得ない(昔学んだが、米国では相手によって合理的な理由無しに、売値を変えるのは違法である)。
日本は『和をもって貴し』の国で、談合が許されてきたが、内部告発を推奨する法制度が現われて揺さぶられている。放置すると中国のように賄賂や蓄財に励む悪習がうまれるから要注意である。

野党が予算を人質にして困らせ、自党のPR政策を押し付ける。与党は前年度予算の95%以下であれば、議会の立法なしで実行できる法律を通してはどうか。無駄な議論をなくせば、多数派の意味も変わるねじれたら更に毎年税収の増減比率予算で、予算委員会は憲法、その他先延ばしにしてきた議論をするか休会としたらよい。

(B)米国ファンドがうるさいのは当たり前  
米国の投資ファンドが日本の透明度にあれこれ口を出すのは、米人は日本人ほど政府のやることを信用していないのと、金を預けた米国の投資家に対して利益責任を負っているからだ。行政の長は政治家で、じっさいにビジネスや経営を経験した人はすくなく、その指揮ではたらく行政官も同じだからである。具体的な実行のしかたが分からぬ人達がルールを作っているのだ。

「あなたは投資や分配を専門家に任せ、中身が見えない国や会社の株を買い投資しますか」と自問してみれば明らかだ。日本の投資ファンドも同様に、米国のファンドで損がでたら規制の甘い部分は改善要求をできるはずだ。

①職の安定をどうするか

働く者にとっては景気の波や自社の商品の寿命に気づいて転職するのは自由だが、失業は避けたい。どうすればよいだろうか。波を消せないから、非常に難しい課題だ。

米国のように景気変動リスクを、総てレイオフで従業員に負担させるやり方だと、不況からの回復期間が長引いてきた最近の状況では、転職が難しく苦痛が多すぎる。
かといってEUの国のように辞めさせる社員の3年分も失業保険を負担させられると、企業の負担も大きく雇用に慎重になりすぎ、転職斡旋の仕事を社内に抱え込むことになるから儲からない会社が増える。

グローバル化の時代には、品質が並なものは価格で中国に勝てないから、大国では量産効果でコスト的に競争できる数の纏まらない部品は作るメーカーが消えてゆく。
もの造りの業界を見ていると、金属加工メーカー、電源系、駆動系、制御機器、半導体の基盤メーカー、テスト機器、ロボット、映像、限りなくある。変動のリスクを分散するため、会社は業種や職種を増やすが、個人でいえば多能工であろうか。

設計なども専門分野と顧客の範囲を広げるしかない。景気がよいからと設備投資をし過ぎれば、不況になれば返済金に追われるから、適度の稼働率以上は外注で頼み、自社は平準化するほうがいい。

職を安定させて従業員が安心して働けるには、技能を教育する専門学校や大学との連携も重要になる。そういったネットワーキングや企業間提携がこれからは進み、国際化する。個々の人材はつぶしが利く人間になる努力であろう。

②仕事を平準化して、ただ働きをやめよう(時は金なり)

分りやすい例は、エコノミー航空券の価格である。米国では半年前に買えばオフシーズン往復6万円のものが、2週間前は13万円で、2日前なら30万円だという。要するに買うことを早くから約束してくれた人は、売れ残りリスクを減らすから安い。先物相場と逆の考え方ともいえる。
この仕組みがうまく機能するには、キャンセル料が段々高く払われることである。
キャンセルを想定して航空会社がオーバーブッキングすると、あぶれた客へ料金の2倍返しとかの罰則があり、機内で席についた人からオークションで買いもどしている。

(A)キャンセル待ちで生きない
日本でも同じだろうが社長や部長クラスは2ヶ月前までの予定は、ことに週末などは、びっしり決まっている。ギリギリまで予約せずキャンセル待ちにする平社員は、行くか行かぬかの自分の予定は人の都合で決めさせることになる。
これを極限までにしてゆけば、人の決定にあわせるから、常に忙しくあわてふためく生き方になる。モノを早く決めて困ることはない。いや、あるのは選択肢を放棄することである。

しかし3ヶ月や半年先のことを決めないのは、日本の会社の習慣で、頻繁な人事異動と予算制度を固定化しているからではないか。早く決まれば予定が立て易いし、効率アップのメリットがある。

(B)残業代は飲み代稼ぎ?
日米がソックス法などに合わせて仕事をしていながら、米人は定時に帰り日本人は大手以外は2時間残業が常識である。しかしよく見れば、米国の会社での仕事は非常に平準化・透明化されていて、顧客ごとに違った請求書のフォームで記入するなどの無駄も少ない。マネジャーは社員の手待ちや空きを作らせず、時間給で終わったら帰すほうがよい。
どうでもよい仕事での残業で将来がひらけるわけではない。

米国での残業代は平日・土曜は5割増し、日曜は2倍という賃金ルールが徹底され、週に40時間という労働法を守っている。実際に働くのは週に35時間労働くらいで経済が廻っているのに、日本では残業しないと廻らない。これは、日本人がサボっているのではないから、外国ならやらなくて良いことをやりすぎていると言えないだろうか
銀行や保険会社などは1円でも違っていたら残高合わせのため残業するそうだが、米国では$200ドル以下の違いは合わせる必要がないとかいう社内ルールがある。

課単位で仕事をしているから、米国のようにAさんは受発注、Bさんは顧客開拓とか全く別の機能や職種ではない。だからお互いに重複するような仕事をチームで助け合って仲良くということで、『私は終わりました』と米国式に黙って帰るなどはやりにくい。

後ろめたい気持ちもあり、全国で毎日2時間は残業している。早く帰って託児所から子供を引き取らないと残業代で稼いでも持ち出しになる。

(C)管理職は平社員と違うしごとを
良く耳にする話だが、日本での優等生の延長で、米国でも残業して一般職の社員の仕事を抱え込んで《いかに優秀かを競う》管理職がいる。とんでもない勘違いである。会社にもよるがマネジャーの仕事は次の3点に集中してはいかがか (若手も考えて実行できる)。

① 全体の業務スピードが上がる工夫をし、利益率を増やす。                                   
② 担当商品やサービスの次にくるもの、脅威を与えるもの、戦略を考え対策を練る。 
③ 部下や他人の出来ることはやらない。

管理職になってもプレイング・マネジャー《生涯現役》として頑張りすぎて、部下の残業の原因になっているケースも多い。全国で残業をやめて、その分平社員の給与は残業込みと同じにしたら、会社の人件費もGDPも変わらず、利益も落ちないのではないか。金を使ってしまえば間違いなくGDPが上り好景気になるだろう
終了時直前の指示や思いつきでの変更は、大きなコスト増の要因だ。米国人は残業がなく管理者手当てが少なくても、平社員で結構ですという人も多い。

米国では2ヶ月先までの仕事がつまっていないような会社で大丈夫かという考えが常識である。期限まで余裕があればあき時間にやれるから安くできる。最近は工場で各工程の空き時間に何個の注文が受けられるかを瞬時に計算するソフトがあるようだ。

(D)飛び込みの急ぎ仕事は割り増し代金がなければやらない
何でもコントロールしたがるドイツメーカーは、総てをコントロールするために、輸出の出荷は週に1度の決めた日に行なうと決めると、顧客がどんなに急ごうが、それはそちらの問題であると譲らない。まるで注文を取らないように工夫しているようだ。
ドイツ人には《日本人は余りにも顧客に振り回され、忙しいが儲からなくする工夫をしている》と見えるだろう。ドイツメーカーは中小企業でも中国への輸出は多く利益率も高いのは、この辺にもある気がする。ドイツ式なら週に1、2度パートのエキスパートを雇える。

無駄が多い短期視野から中期に変えるには月次か四半期で計画し、その通りにやるだけである。お金も大事だが、もっと大切なことはお金で買えない時間である。
官も民も報告書を減らし残業をやめて、早く帰宅し子供の教育やNPO活動に参加することをすすめたい。子供は自信がついて伸び伸びするし、お父さんも色んな職場の人に触れ視野がひろがり、自治体も活性化して将来の発展の可能性が高まる先行投資になる。

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