2013年10月14日月曜日

13012 自分の流動的な発展

13012

自分自身の流動的な発展

何でも自分の計画通りには行かない。貸事務所までやる予定はなかった。

こういえば、自分の将来計画で、役立ちそうな機能のありそうな職種を選び、その中の人や企業と手を組んで起業してきたように聞こえるが、どうもよく考えるとその逆の部分もある。

話しが前後するが入社して間もなく、米国製紙業界誌の記事を注目。苦労して翻訳し顧客に提出した『繁栄するリース事業と』の記事が原因になった。その動機は、顧客もメーカーも技術屋ばかりで、文系の出る幕がなく、何かせねばと感じたからだ。
製紙業での顧客へのプラント・リースの提案が、実際には2台で150万円のフォークリフトの実績になったが、米国ではそれが10年後、シカゴで建機のレンタルに変化したのだ。

米国で新に建設機械の販売網創りを始めて、それが商社内外で知られ、レンタルまでやっていたと伝わった。意図したわけではないのに、独立後に大手レンタル会社の社長が訪ねて来て、『一緒に会社を』と口説かれてJV会社を始めたという方が正確なのだ。つまり日本での製紙、米国での建機、そしてレンタル業とそれぞれ関係なさそうな業種がリース・レンタルで継がったのだ。


新商品や技術の発見は?

(リース・レンタル・空中作業車・フレキソ印刷・液晶・移動式トイレ              
・ホログラムはどう関連していたのか)
「日本にもレンタル業ができつつある」と70年代に建機を扱っている友人から聞き、小物で回転の良いモノをと依頼をうけた。
たまたまだが、米国ではまだ珍しいシザーズリフトという製品を紹介し、73年に売り込んだ。これはその後、日本中で空中作業車と呼ばれ、作るメーカーも増え、どこのレンタル会社も様々なメーカーから導入して不可欠な商品になった。(ビル天井・壁工事に使われるリフト;写真は別メーカー)

80年に米国でレンタル会社をJVで創設した際、『何をやっても真似されるから米国製の日本向けの商品を探して欲しい』という命題があった。

そこで3~4年前に先に述べた地下連続壁工事の大阪の現場を視察し、現場のトイレが余りひどいものだったため《あれを何とかならないか?》という体験から発想した。夏場に《酷暑で強烈な悪臭の体験》が忘れがたいヒントをくれた。これは15万棟以上が輸出され、同じくヒット商品になった。現場を歩いて他人や自分がひどい目にあった体験は忘れないから役立つ

では液晶、ホログラムはどういう原因があったか。まずは起業した頃に応援してくれた小さな印刷会社が、第1号の顧客になってくれたこと。小さな印刷屋がひしめく中で何か差をつける技術をというニーズでフレキソ印刷機をとり上げた。米国製フレキソ印刷機をうれば、今度は何か目立つ印刷をしたいという。紙にインクをのせるだけでは駄目だな、、と考え始めた。

色と光に注目し、温度で色の変わる液晶技術(カプセル化)をすすめ、それがヒットし顧客は3階建てのビルを建てた。(最近、ボディーの体温で部分の色が変わるドレスが現われ、NYファッションとして紹介されている。)自分では、何かを探さねばならないという強いプレッシャーをかけ、動いてみると、予想しなかったモノが見えるようになる感じがする。ハングリーな精神状態が役立つ。

同社のラベルを大量購入している玩具屋の依頼も断れずコンサル契約をした。という様なネットの拡大、これらの目に見えない核になる機能の上に、専門的な製紙、印刷、建機、ホログラムのメッキ(製版)、自動車関連のシステムなどの業種別の知見が加わっていく
ホログラムは技術提携までアレンジしたのに、墨田区では許可にならず、やむをえずシカゴで製造を引き受けた結果、賃貸オフィスを小さなラボ(研究室)に改装はできず、予定外のビルを買うしかなくなり、今はビル賃貸も行っている。その空いた場所にインターンがやってきて米国で学ぶ。

イノベーションは技術系が有利だが、文系でも困ったことを逃げずに解決しようとすれば可能と思う。それは先述したフェデラル・エクスプレスやアマゾンなどのビジネスモデルを見るからだ。
入社時の会社が決めた製紙(機械)、シカゴに来てから会社で推奨された特殊建機、それ以外は、自分が選んだ部分が多いが、過去の経験が新分野に引っ張ってくれる気がする。経験は無駄にはならないというか、無駄をさせない見えない合理性が働いているのだ。

ホログラムの製作工程でステンレスを使うとか、メッキ槽での工夫などでは、閃いたような開発をしたことがあるが、遥か前にどこか別な業界で見た技術が影響していたかも知れない。

展示会にはできるだけ顔をだしていると、自分の過去の経験が更新される気がするので、今担当している事業だけでなく、周辺で新しいといわれる技術革新やビジネスモデルが現われた場合は、そこを好奇心をもって探求し、分からぬ点は恥ずかしがらず『なぜだ、なぜだ』と質問し周囲の人達と話す中で、新たなビジネスが開かれると感じる。




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