2013年10月3日木曜日

13006見落とす要因(コミュニケーション?)(2)(06)

13006

(2)見落とす要因; 周辺機器や部品
     (コミュニケーションの問題か?

色々な見落としが考えられるが、私も我ながら情けなく感じた分かり易い例をあげよう。
水中ポンプには必ずホースやパイプがつながれる。そして、ホースのメーカーはプラスチックやゴム製品だから、金属鋳物からつくるポンプメーカーとはまったく違った工場をもつ加工業者である。いわゆるウナギの寝床になる。

10メートル以上の長さで、長く押し出したりつな
げたりする製品は、ポンプのようなモーターにイン
ペラー(水を送る回転はね)をつないで組み立てる機械モノのメーカーとはまったく違った設備をもつ工場で造る。工場の形から違っている。

これを組織の壁とよぶか

何がいいたいかと言えば、機械ではない全く別なメーカーの製品だということ。
そのにいる人は、売り方も長さで幾らで売るなど違った考え方をするのだ。パンツのゴムひもと、パンツならば売り場も違うから、決して間違えることはないのに。

そのホースの先端は、日本では左下の写真にあるような”竹の子”とよばれる段のついたアルミ鋳物がポンプに取り付けられている。
この吐出ぐちにホースをかぶせ、クランプと呼ばれる金属の留め金で締めて使う。
(写真は1970年代のレンタル協会の展示会の出品例;写真提供;つるみポンプ)

米国では写真左上のネジで切ったコネクターがポンプに付けられていて、それに合ったメスネジを切ったコネクターがホースの先に取り付けられている。
『それで、どうしました。』というような違いだが、100マイルも車を走らせて販売店(ディーラー)にポンプを見せに行ったと考えて頂きたい。一見しただけで『これでは、うちのホースの金具ではつなげられない。ねじ切りした金具のついたものにしてくれ。』こういわれて終わりである。

たかが、10ドルの金属加工部品だが、これを型を作らせて、鋳物にして数種類の違ったモデルに全部取り付けると、金型代が1万ドル。それぞれの見本サンプルにして送らせて、間違いなく米国のねじ切りと合い、水漏れしないと確認するまでに3ヶ月から半年がかかる。前項で述べたバッテリーフォークリフトの場合は、運転台の座席下のバッテリーを収めるボックスに、米国市販の48Vバッテリーが入らず、テスト機がテスト出来ないで2ヶ月遅れた。
もちろん設計変更で再スタートである。痛いのは、テストしてくれるディーラが先ずがっかりして、メーカーの実力に疑問を持つからである。ポンプとフォークリフトという土木建設機械業界と物流倉庫業界という2つのパンチを立ち上がりに受けたのは痛かった。共通しているキーワードは私だ。

コミュニケーションのギャップはコストを増やすから要注意

その間に、コネクターの様式を見落としたのは商社の責任か、メーカーの責任かなどという議論が加わる。メーカーは自社製品でないものは良く知らないし、商社マンも現地でのディーラー訪問はしても、口頭でなく実際にホースを繋いで、水を送らせて見ないと、何かを見落としているものである。なによりも痛かったのは、スタートしてからの時間のロスである。写真のような展示会にあわせて10機種をそろえて出品するまでの苦労は、一度はやってみることである。

今ではポピュラーだが、産業ロボットでいえば、扱う部品の形によりアームの先端に手のように掴むグリップか、板材を吸い付けるバキュームカップかなど、ロボメーカーが作っていない部品がある。マッチングが苦労の種だが、人工アームや教材としても有望だけに研究すると面白い。

頭痛の種かビジネスチャンスか;
異なるメーカーの製品を組み立てたり、つないで1体として機能させるには、それなりの知識や経験が必要で、そこを面白いと思えるかが鍵である
これは組織の違うところで働く人達のコミュニケーションのギャップが生じる点は、『誰のミスだから生じた経費はどこが負担すべき』という形で議論になったり、時間を無駄にし、あらゆるビジネスでコストを増やす原因になる。原発に限らないが、専門家でも見落とすのは、こうしたつなぎ部分で、これで大慌てをさせられるものである。

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