2013年10月30日水曜日

13022 戦略理論-2-

13022

戦略理論-2-

孫子の兵法;

市場原理に当てはまるかは別に、記憶にのこる戦略論はBC6世紀の斉国の孫武(Sun Tsu;孫氏)の兵法(Art of War)が有名である。その後、中国、日本、欧米で翻訳されている。
伝説的な人物であったというが、戦わず勝つ戦法として現在も中国の外交では重視されているように見える。小冊子で市場戦略を担当する人は1度は読まれるとよい。(英訳;Samuel B. Griffith, Oxford Univ.Press)

中韓でひろがる賄賂か詐術(だまし)をもって優位に立とうとする悪習は、[45]にのべた歴史の”事実”も含め、義を重んじ公の心がけのある日本人には非常に腹立たしいが、2500年も騙しあう両国は簡単には直らない。むしろ言葉は悪いが伝染病患者と思って接すべきかもしれない。
自由経済を支える法律やルールを軽視するから信用と信頼性を傷つけ、自国の経済活動の障害になり両国を苦しめる結果となるだろう。こちらは感染されぬよう法治を強化するしかない。

ランチェスターの法則と;

2人目は(ウイリアム)ランチェスターの法則;1914年第1次大戦のころの理論。 
第1の法則; 接近戦の1旗打ちでは攻撃力=兵力x兵器の性能とし、弱者の兵法と言われ,
第2の法則; 間隔戦・確率戦では、攻撃力=兵力の2乗x兵器の性能強者の戦略
つまり、兵力の少ない弱者(中小企業)は一騎打ち、ゲリラ戦などで戦うべきで、兵力に勝るものは2乗で効いてくるから、遠距離で戦うべきということになる。

社歴もながい大きな競争相手に勝つには、できるだけ小さなニッチ市場で一騎打ちする方が勝ち目がある。顧客へ何度も足を運び熱意を示し、競争相手ができないことをして印象つける。
先述したが、今や世界一となったウオルマートも、初期は田舎の小さな町に出店し数をふやし、相当大きくなってから大都市周辺に進出しはじめた。

コトラーのマーケティング戦略;

現代では、マーケッティング部が戦略を決めるから、単なる兵力以上に孫武の心理戦の要素が加えられ、顧客へのPR、アフターサービスなどの要素が加わっている。
マーケッティングが重要なのは、まずキチンと進出方針(目的)を決めるからである。私がノースウエスタン大の夜学でも学びたかったのはマーケッティングだが、出張が多いのに欠席と遅刻は許されないという条件であきらめて、遅ればせながら30代後半に独学することにした。今の日本ではこの人の教えは溢れているから、誰でも学ぶことができる。

自社にある商品を海外でも売ってこようというような、ノンポリといえば語弊があるが、自社が海外でどういう目的で出てゆくのか、それは誰のためか、何を売るのか、という理由づけを考えた上で、そのあと如何に売るかがくるという点にある。
私はこの辺の勉強をしていなかったから、市場規模もわからず、広い米国の片田舎をさんざん走り、ようやく独学でもマーケッティングを学ばねばと気づいた。

戦争論で血を流すよりは、結局は大多数の国民は商品で競争する方を選ぶからである。

目的がハッキリしないものは撤退しにくい

この事業目的と何をするのか(これは既に『優先順位の考え方(22)』で述べたが)が、簡単に言えば、山登りをするのかしないのか。するとすればなぜ、どの山を登るかが戦略で、どの道をとるかが戦術》であるといえる。ここがキチンと検討されていないと、山に登るのかどうか決めずに、登りのルートを議論することになり意味がない。

戦略がないと戦術論=<いかに進むか>という段階で、混乱が生じるからである。その点で、ダントツのトップ企業で、米国に進出していないような会社はないだろうから、上位グループでありながら出遅れたか、その下のティア2(2段目)か、更に下の部品メーカーが対象であろう。
この層の会社は何を武器として市場で戦うか、これがニッチ市場だといえる。

目的がハッキリしない進出は、『最初から止める規準をつくるような弱気な精神ならやめた方が良い』という精神論で押し切られがちである。
ろくな調査もせず、『まずはやってみなければ何も分からない』という議論になり、うまく行かない場合の中止・撤退ができず、傷を大きくする例が多いからである。これが出来るのはオーナー経営者のいる会社が多い。なぜかといえば、失敗の責任はということになりがちだからだ。

(今中国から撤退した会社は既に3万社、残っている会社はその半数と言われるが、多くは撤退し形骸だけになっているか、あるいは撤退できないためで、社員もハニートラップに繋っているとも云われ、形を変えて日本の土地買収に使われるという意見もある。)

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