2013年10月8日火曜日

13009  日米での決定の違い(1309)

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日米の決定の違い

(1) 許容度が拡がるアプローチが活気を生む

商品は気軽にテストが出来るほうがよい

先述したが、IT産業のパソコンソフトは、気軽に販売を始めて問題があれば、エラーメッセージがでて、使う方が悪いといわんばかりの表示がでた。100%完成するまでは売るなという完ぺき主義の許容度のせまい国で育った人間には『何と厚かましい言い草か』とあきれた販売方法と感じた。
問題をださないようにと完ぺきを待てば遅れるばかりなので、ベータテスティングや荒削りでの販売をゆるす。改良して適応範囲を増やすのはバージョンアップだと位置づけて売るのは、すぐれた販売方法だという見方もでき、我々が学べる許容度の拡大方法だろうと思う。

再生医療という山中教授のiPS細胞が発展した分野が大きく伸びそうだ。画期的なことで臨床テストの過程を大幅に短縮することで、新たな分野が続々と開拓されると期待されている。
患者の安全を守るのも大切だが、人類の医療の発展に貢献でき、またうまく行けば本人も幸せだから、患者(消費者)もうまく行かないリスクを承知でやってみる心構えをもつという点が鍵だ。この分野を開発すると更に市場が伸びるだろうから。

ランタルはテストに最適

それとは比べられないが、独立してから組んだ1社はレンタル会社とのJV事業であった。レンタル会社の利点は、ユーザーに対して、『一寸使ってみてくれませんか』というアプローチができる点であった。『買って下さい』といえば、予算や承認を取らねばと身構えるが、あまり危険性もなさそうな商品なら、一寸使って気に入らねば返せるし、ユーザーの声を聞きやすい商法といえる。

その前70年代に、空中作業車を紹介し全国で使われた成功例もあったが、米国製の移動式トイレなども、レンタル会社がなければ、10年で15万棟の普及はしなかっただろうと思う。
その意味で、スタートの仕方をあまり気にせず始められる例外的な事業形態として、レンタル業は優れている。もともとレンタルは、ユーザーの知っている商品を貸すのが原則だが、新商品のテストは相手によるが、リスク分散というか共同負担ともいえそうだ。

(2) コトを始めやすければよいか



すでに述べたが商社時代には色々な商品の販売をやってみてくれと言われ、多数の事業部からの製品の販売を手がけた。中断したものも含め、私にとっては失敗だったが、得がたい経験をしたと考えているものも多い。商品をテストするにはレンタルも良いが、事業のスタートでは違っている。
             
スタートの違い
失敗の原因は1言でいえば、日米のスタートの仕方の違いでもあるスタートの違いである。

統計に基づくものではないが、事業を始めるというよりは、『売れるかどうか試して欲しい』というようなスタートをしたものが多い。今だったら、ネット販売などという気軽にできる方法もあるの
で、話は別かもしれないが。

先に述べたとおり、キチンと市場調査や、パテント、競合先、性能比較などが予算がないと、どうしても調査など中途半端で片手間になる。米国式は、一寸ためしにというようなスタートをした事業は殆ど聞かれない。

日本式の『とも角やってみよう』の問題

日米の違いだと気づいたのは、大分後のことであった。この利点は簡単に始められることだが、自分が責任者として、何としても成功させようという責任感も薄くなるのが欠点である。

別に失敗したら命をとられるわけではないが、
誰が責任者でやっているのかが曖昧で、逆に目標も不明確なので、やめにくい点が最大の欠点である
片手間にやってくれというやり方の欠点としてリストしたので参考にされたい。(決定は本社だが、責任はアナタと言われて、どういう責任をとれますか)右の表で市場に不適という項に水中ポンプを上げたが、先述したホースとのつなぎカックリングをねじ切り式にしたあと、大手商社には市場が小さすぎたので、メーカーが全米に販売して継続している。





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